ミディトマト栽培の詳細解説版

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ミディトマト詳細版
ミディトマト詳細版
科名ナス科
属名ナス属
学名Solanum lycopersicum
耐寒10度
水やり水を好む
場所外の日なた
難易度中級者向け
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開花
植え
肥料
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ミディトマトとは?

ミディトマトナス科の野菜で、大玉トマトミニトマトなどの交配の品種群(沢山の品種があるってことです)。中玉とも。低カロリーで大玉より甘く、ミニトマトより食感が良くて食べ応えがある。大玉トマトより作りやすくて大玉に比べると尻腐りしにくいです。

大玉は大きなものができると満足感がすごいが、その一個を鳥に食べられたり、割れたりすると精神的なダメージが大きい。またトマトは大きな実になるほど糖度が落ちる傾向があるため大玉より中玉の方が甘い。ミニトマトは育てやすくて甘くて品種は多いが食べ応えがない。そう考えると、中玉(ミディトマト)は丁度いい…はずなんだけど、あんまり人気がないのか流通していない…気がする。

参考ページ



植え付け(4月〜5月)

植え付け時期について

苗を植えるのが一般的。4月〜5月に苗が出回るのでこれを植えます。トマトは早く植えると収穫が増えるとされるのですが苗は小さいうちに早くに植え付けると根が広がり、葉茎が茂って実がつきにくくなる。一番花が咲く直前から咲いた後くらい…少し遅く植えるくらいが実が大きくなりやすい。このバランスは答えのあるものではない(気候・温度・品種によるため)。なので一番花が開花したときに植えるというのがセオリーと言われています。
●霜に当たると枯れます。4月中に買った場合は5月まで植えずに軒下や室内で管理するか、戸外で霜除けをします。関東では5月GWに稀にですが霜が降りることがあります。

用土

ミディトマトは酸性の土を嫌います。

鉢植えの場合は一般的な培養土か、トマト専用土で植え付けます。これらの土は中和してるので適しています。トマト専用土はトマト栽培に適した肥料成分が含まれています。

地植えにする場合は、植え付ける前に苦土石灰を散布して中和します。苦土石灰はマグネシウムとカルシウムが含まれていて、マグネシウムは葉緑素の材料になり、カルシウムが不足すると尻腐れするので必ず前ぜておきましょう。
連作障害
ミディトマトは他のナス科植物と連作障害を起こし、連作すると青枯病やネコブセンチュウなどが発生しやすくなります。過去に二年か三年、ナス科植物を植えていない場所で栽培しましょう。
●鉢植えの場合は必ず新しい土で植え付けます。もしくは土をリサイクルして植え付けましょう。

植え付け

鉢への植え付け
鉢植えにするなら10号鉢に1苗を植えます。鉢底の穴を網で塞いで、その上に軽石を3cmほど入れます。その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を詰めていきます。鉢を揺らすと隙間ができるので、その隙間に用土を詰めていって、最後に水をやって完成です。

畑植え
植え付けの2週間前に深さ30cmほど掘り返して、苦土石灰を1平方mあたり200gほど散布して中和しておきます。植え付けの1週間前に元の土に対して2割ほどの腐葉土か堆肥を混ぜ、1平方mあたり100g〜150gほどの緩効性肥料をやって、よく混ぜておきます。
そして幅90cm高さ10cmの畝を作り、株間50cm以上あけて苗を植えます。
●ビニールマルチをすると水やりの頻度を減らせます。
●肥料が多いと一番花の根元から脇芽が出てくる。

支柱

支柱を建てて、株を支えます。ミディトマトは実の重さで枝が折れてしまいます。苗が小さいときは70cmの支柱をして支え、大きくなったら1m〜180cmの支柱3本を交差させて櫓(ヤグラ)のように組んで麻紐で固定します。燃えるゴミで捨てられる麻紐が便利です。

作業日程

植え付け後の水やり(5月〜6月)

ミディトマトは乾燥に強く、水やりが多いと徒長しやすく、また、根が表面に広がり、乾燥に弱くなって生育が悪くなります。そこで植え付け後のしばらくは気温が低いのもあって水やりは控えめにします。葉っぱがしおれたくらいでは枯れず、しおれてから水をやっても回復するくらいに頑健な植物です。
鉢植えの水やり
葉っぱが萎れる直前か、萎れてから水をやるくらいにします。

畑植えの水やり
ビニールマルチをしているなら、植え付けの時にしっかりと水をやっていれば、しばらくは水をやらないでいいです。様子を見て水をやるか、控えめにします。
●地植えでマルチにした場合、植え付けのときに水やりをしたら後は乾燥するまで水をやらないって人は多い。頻度は少ない。雨が1週間降らなくて、その後も雨が降る予定がなさそうなら水をやるとか、そのくらい。もちろん夏は頻度を上げる。

仕立て(5月〜7月)

一本仕立てが基本。ミディトマトは脇芽がどんどん出てきて、放置していると枝が茂ってツルボケしたり、花が大量に咲いて結実して、一個の実が小さくなって美味しくなくなるので、基本的に脇芽を取って「一本仕立て」にします。芽かきと仕立て方を参考にしてください。
●本枝の勢いが悪い場合、脇枝に主軸を変えてもいいです。

一番花と摘果(5月)

一番花(第一花房)…一番最初に開花する花…が葉っぱが7枚くらいで開花します。これを結実させて、その果実は摘果(=果実を摘んでしまうこと)します。結実しないとツルボケしやすくなります。一番花が結実することで、次の結実がしやすくなり、摘果することで以降の果実が肥大しやすくなります。なので、一般的にはホルモン剤(トマトトーン)を使ってでも、結実させ、結実を確認したら、摘果します。
トマトトーンの商品画像
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●一番花(1段目)が結実しなかったくらいではツルボケ(=栄養繁殖)には移行するとは限らないが、2段目、3段目と結実しなかったらツルボケの可能性は格段に上がっていく。なので一番花を結実させたいと考える人は多いわけです。
●一番花を結実させるのがトマト栽培のセオリーなんだけど、それもバランス次第で一番花は取った方がいい!って人もいる。これは場合による。葉茎が弱いなら一番花を取り、すでに十分なら結実させないと、葉っぱばかりになってしまう。じゃあ、その境目はどこなんだってなると、品種や気候で変わってくるのでなんとも言えない。
●結実させると、そこに栄養がまわり、他の果実が肥大しない。そこで花がある程度咲いたところで、一気にトマトトーンで結実させると、この事態は避けられます。一番花を結実させると、この状況になることがある。なので一番花を取り除いて、次の花が咲くまで待つというのも手。

芽かき(5月〜9月)

葉っぱの根本から新芽が出てきます。これを放置していると、脇枝がニョキニョキ出てきて、枝がワサワサになり、ツルボケ(木ボケ)になりかねません。そこで脇芽は全て取り除いて「一本仕立て」にするか、脇枝を一つ残して「二本仕立て」にします。三本仕立ての場合もありますが、そこは自己判断でやりましょう。

芽かきをすると、切り口から汁が出ます。この切り口が濡れている状態が長く続くとここから雑菌・ウィルスが入って病気になるので、濡れている時間が少なくなるように晴れた日の午前中にします。

雑菌が入らないように綺麗に手を洗って清潔して作業します。もしくは清潔なゴム手袋やビニール手袋を使って芽かきをします。手で折って取り除くといいです。折れないくらいに成長していたら、ハサミで切ります。ハサミは消毒したものを使います。消毒液に浸すか、火(ライターやガスコンロ)であぶって消毒したものを使います。

参考:★ トマトの脇芽かきと仕立て方

追肥(結実後〜9月)

二番花(第二花房)が結実したあたりから追肥をします。ミディトマトは肥料が多いとツルボケするのですが、肥料がないと開花・結実・肥大が鈍くなります。そこで肥料は控えめにして、ちょいちょい追加していきます。

1株あたり緩効性化成肥料を15g〜20gくらいを、株の周囲に撒いて少し土を混ぜて、その上に水をやります。ミディトマトの根は、地上部の葉っぱのところあたりまで伸びていて、根に肥料が当たると傷んでしまうので、葉っぱのちょい外側に肥料は撒くようにします。

二番花の結実あたりで最初の追肥をし、その後は3週間ごとに追肥します。肥料が多いと葉っぱが巻き、ツルボケになりやすくなるので、肥料は控えめにしつつ、果実の肥大が進むようには施肥していきます。なので3週間というのは目安ですし、量も目安です。状況で判断しましょう。
●追肥には窒素が控えめのものを使うといいです。窒素が多いと葉っぱがワサワサになるので。
●肥料過多の場合は、脇芽を伸ばしてから切除して肥料を消費させ、光合成を抑えるために下の葉っぱを取り除きます。そして追肥も控えるか一時中断する。実がついていたら、摘果せずにそのまま成らせることでとにかく消費していれば改善するかも。プランターの場合は水をたくさんやって肥料を流す!なんて方法もあるけど、水のやりすぎで腐ることもあるので、これは自己判断で。

水やり(6月〜10月)

気温の上昇とともに生育が早くなり、葉っぱ・果実が増えることで水を吸い上げる力も増えてくると、蒸発が増えたこともあって水切れが起きやすくなります。そこで今度は水切れしないように水をやります。萎れても水をやれば回復しますが、果実の肥大にも悪影響があるので水切れしないようにします。

また、カルシウム・肥料は水に溶けてから吸い上げられるために、水やりが少ないと肥大しなかったり、カルシウム不足による尻腐れも発生します。

鉢植えの場合は土が乾いたら水をやり、夏は朝と夕方の2回、しっかりと水やりをします。畑植えの場合は株の様子を見て水やりをしますが、これまでより水やりの頻度は上げていきます。
●雨が降ると裂果(実割れ)してしまいます。トマトの割果・裂果の原因と予防を参考に。
●葉っぱがしなびてもそのくらいでは枯れない。水をやれば戻るし、多少、しなびるくらいに追い込む方が根が張って株が強くなる。地植えで根付いたらよほど水切れしない限りは大丈夫。

トマトトーンで結実(7月〜8月)

30度以上の高温だと花粉がうまく作られなくなり、受粉しなくなる。7月以降はトマトトーンを使いましょう。
トマトトーンの商品画像
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●受粉しなかった花は落ちる。
●トマトトーンは着果だけでなく、果実の肥大促進効果もある。

収穫(6月〜10月)

品種にもよりますが、花が咲いてから果実が肥大するまで25日前後、そこから赤くなるまで25日。収穫までは長い道のりですわ。気温が高いと熟すのは早いです。なかなか収穫には至らないのでヤキモキしますが慣れましょう。完熟を目指さず、8割くらいで収穫しましょう。
●15度以下で成長が鈍化、8度以下で成長が停止、0度で枯れる。
●収穫して食べるために水洗いしてたときに実割れするなんてことがあります。そのくらい水分には敏感です。
●完熟を求めると裂果して、ナメクジやダンゴムシがたかる。ある程度で収穫する勇気を持った方がいいかも。それでも完熟に挑むのがガーデナーではあるのだけど。収穫後に常温で保存して追熟させれば十分甘いし赤くなる。

病害虫トラブル

トマトの病害虫・トラブルを参考に。
灰色かび病
灰色カビ病は湿度が高いと灰色のカビが発生する。風通しをよくすることで予防できます。

サビダニ
イオウフロアブルで予防、乾燥するとよく発生する。

ハダニ
ハダニはどうしても発生します。コロマイト・ダニ太郎・アファーム・モベントで駆除。薬剤に対して耐性がつきやすく、同じ薬剤を使っていると効きにくくなりますので、複数の薬剤を回転させましょう。

コナジラミ
コナジラミはウィルス病を媒介する。

エカキムシ(ハモグリバエ)
エカキムシは葉っぱを食べ進んで白い線を描く虫。対応する寄生蜂がいるため、そこまでの被害にはならないことが多い。が何にもしないでいるとエライことになりがち。薬剤を散布したほうがいいです。

その他
グンバイムシ・オオタバコガなど

裂果・実割れ
トマトの割果・裂果の原因と予防を参考に。

黄化葉巻病

成長点付近の葉っぱが黄色くなって巻く。ウィルス病で感染したら治癒はできないため、株ごと撤去する。撤去しないと他の株まで感染する。アブラムシやハダニといった虫が他の株から持ってくるため、これらの害虫を駆除するのが最大の予防策。このウィルスに耐性がある品種もあり、これはTY耐病性と記述されます。

自分の手からウィルスに感染してしまうことがあるため、放任というのも悪くない手段。この場合は、摘果・トマトトーン・芽かきも避ける。誘引はするけど。芽かきをしないため、枝が暴れて徐々に果実が小さくなるが家庭菜園なら問題はない。味は同じですし。ソバージュ栽培ですね。

尻腐れ

実の尻が変形する症状。病気ではない。尻腐れはカルシウム不足であって、腐っているわけじゃないので赤くなるし、食べられる。もちろん傷んだところは取り除いて食べる。尻腐れは緑の時から発生するが、そのまま放置していると赤くなる。

尻腐れはカルシウム不足。カルシウムが土中にあっても水やりが少ないと吸い上げられない。トマトは水やりを控えるものなので、水を控えすぎと思われます。少し水やりを増やしましょう。

実をつけた反対側の葉っぱを一枚むしると尻腐れは防げるという話があるが、本当か、一般家庭で効果を感じられるほどなのかな??

梅雨に枯れ込む

梅雨に枯れ込むのは雑菌が繁殖しているため。ダコニール、ジマンダイセン、ベルクートなどの殺菌剤を散布して乗り越えましょう。
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