トマトのウィルス病

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トマトのウィルス病

人間だとインフルエンザとか、もろもろのウィルス病があるようにトマトに限らず、植物もウィルス病に掛かります。このページではトマトのウィルス病についてまとめています。
ウィルス病全般に関しての詳細は
を参考に。

このウィルス病が非常にやっかいで、基本的に治療する方法が無く、徐々に弱って枯れていくだけ。発症、即焼却です。そのままにしていると、他の株ににも感染します。土にもウィルスが住み、植物の汁を吸ったアブラムシ・コナジラミ・サビダニ・ハダニなどの虫を媒介して簡単に感染します(主にアブラムシ)。これらの害虫を予防・駆除することがウィルス病感染の最大の予防になります。

トマトに感染するウィルス病は複数あり、また、感染したからといって明確な症状が出るわけでもないです。株の健康、気温によって違いがあり、症状が出てもそれが害虫による症状だったり、肥料不足・肥料過多といった別原因ということもあります。ただ、ウィルス病は感染速度が早く、残渣(枯葉・茎・根)にも残って感染力を持ち続けるウィルスもあり、疑わしい症状が出たら即、廃棄するのが一般的です。

黄化葉巻病はウィルスを原因とした病気で、トマトが感染すると成長点の近くの葉っぱが黄色くなり、巻く。治療方法はなく、虫などを媒介にして感染が広がるために他の株にも広がっていく。発症したら速攻で抜いて廃棄・焼却する。

黄化葉巻病に耐性がある品種があり、これを植えることである程度の発症は避けられます。TY耐病性と記述されるので、購入の際はチェックしてください。ただ、耐性のある品種は限られていて、お好みの品種じゃない場合が多いです。

人の手を介してもウィルス病は感染するため、芽かき・摘芯などの作業をする時は清潔にして作業をするか、綺麗な手袋(ゴム手袋・ビニール手袋)をして作業をします。ほとんど作業をしないソバージュ栽培という手法もあります(別にウィルス感染を避けるのを目的とした手法じゃないけど)。

トマトが感染するウィルス病

トマト黄化葉巻病(TYLCV)
新芽の葉っぱの縁が黄色くなって、上に巻いて、縮れた葉っぱになる。新芽だけでなく脇芽も縮れていたら、ほぼ間違いない。タバココナジラミを媒介して感染するが、オンシツコナジラミでは感染しない。タバココナジラミを防除するのが予防になる。種子感染・土壌感染はしない。トマト・トルコギキョウなどで発生する。

トマトアスパーミィウゥルス(TAV)
アブラムシから感染する。茎葉・果実に壊疽。葉っぱに軽いモザイクが出る。

キュウリモザイクウィルス(CMV)
45科の植物に感染するウィルスでアブラムシから感染する。種子感染・土壌感染はしない。葉にモザイク。葉が糸葉(柳葉)になり、葉・茎・果実に壊疽が発生する。株が萎縮する。

ジャガイモXウィルス(PVX)
ジャガイモなどからアブラムシを媒介して感染する。葉っぱに少しモザイクが出る。

ジャガイモYウィルス(PVY)
Xウィルスと同様の症状だが、他のウィルスと重複して感染すると症状が激化する。

トマトモザイクウィルス(ToMV)
種子感染、接触感染する。虫を媒介した感染はしない。土壌感染はする。葉にモザイクが出て、茎・葉・果実に壊疽。気温が低い時期は多少の萎凋がある。

チョウセンアサガオコロンビアダチュラウィルス(CDV)
壊疽しつつモザイク模様が出る。アブラムシを媒介して感染する。

雑記

●ウィルス病を直す薬品・治療方法は無い。予防薬はある。
●タバコにもトマトモザイクウィルス(ToMV)が感染していて、タバコを吸った手でトマトに触ると感染する――というのは嘘。タバコに残っているのはタバコモザイクウィルス(TMV)。トマトが感染しているのはToMVなのでTMVが感染するのは一般的ではないが、可能性はあるので、喫煙者がトマト栽培をしない方がいいのは間違いない。
●トマト農家がハウス栽培する理由は色々とあるが、ウィルス感染を予防するのもある。
●ウィルスの蔓延はトマトの収穫量に影響する。家庭菜園は虫がやってきて感染、結果的にウィルスを栽培しているようなものなので、農家はトマト家庭菜園を嫌う、らしいです。
●ウィルスが国内に入らないように、種子は検査する。果実もすりつぶして検疫所で検査しています。
●個人輸入すると検疫を通さないことが出来る。ベランダで育てるからといっても、アブラムシでウィルスは簡単に他の株に感染する。個人輸入はやらないで。
●トマトのウィルス病対策は農家が団結して地域ぐるみで取り組んでいる問題。
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