トマトの連続摘芯栽培

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トマトの連続摘芯栽培の目的

トマトを育てるというと一般的には、脇芽をかいて(脇芽を取って)一本仕立てにしてしまいます。この方が管理が楽ですから、初心者は普通にこの一本仕立てをしたほうがよいです。でもベランダで一本仕立てじゃあ大した収穫はありませんよね。
このページではスペースの限られたベランダで、収穫量を増やす「連続摘芯栽培」についてまとめています。
まとめ
●摘芯し、わき枝に結実させる方法が連続的芯栽培。
●普通の栽培より1株あたりの収量は増える。
●捻枝とセットで行われる。
●一番花を結実させ、その上の脇芽を伸ばして、その脇枝に結実させる。
●脇枝の実の下の脇芽を伸ばして次の脇枝にする。
●これを繰り返す。

連続摘芯栽培とは?

ベランダで育てるとせいぜい1株か2株程度、ミニトマトだろうがトマトだろうが、その1株か2株で大した量を収穫できません。そこで1株で大量に収穫するために、セオリーに反して摘芯を繰り返し、脇芽を増やして開花させ、結実させます(連続摘芯栽培)。この方法だと高さを抑えれるので、ベランダなどのスペースの限られた場所でも収穫を増やすことが出来ます。また、連続的芯栽培だと最初の収穫から最後の収穫までがゆっくりになり、等間隔になります(これがメリットかどうかは人によるけど)。

ところが連続的芯栽培で、果実を増やすと、一個当たりの栄養が行き渡らず、果実が小さくなり、うまみも減ります。

そこで栄養を果実に行き渡せるために捻枝(ネンシ)という手法をとります。この連続摘芯栽培と捻枝はセットです。捻枝は文字通り「枝をひねること」です。果実と枝の別れ目のところを45度ひねります(イラストを参考に)。ひねることで枝の師管を潰し、道管だけを通すことで、果実に栄養を回すテクニックです。ペンチで軽く潰してもいいです。この捻枝は力加減が難しいのである程度の経験が必要です。
参考捻枝についてはトマトの捻枝を参考にしてください。

図のような形式で何度も繰り返す
図のように捻枝と摘芯を繰り返して、一枝に二個(二房)だけを何組も収穫します。おいしいトマトを大量に収穫しましょう。

支柱について

トマトは支柱で支えないと、強風で倒れてしまいます。連続摘芯栽培でも当然ながら支柱を沿えて、紐や針金でくくりつけます。
●支柱ではなくてネットに絡めてもOK。
●あくまで一例で、やり方は色々あります。

具体的手順

まずは結実させる
最初の植え付けから一番花を結実させるところまでは普通の栽培と同じです(トマト ミニトマトを参考に)。7枚葉っぱが出てから花が咲きます。脇芽を出させる前に、これを結実させます。結実させた節のすぐ上の脇芽を伸ばします。これ以外の脇芽は取ってしまいます。
●最初の花を結実させないと、その後の実が結実しにくくなります。これはトマト栽培のセオリーでこれは連続摘芯栽培でも同じです。最初の一個は必ず着果させます(トマトトーンなどの薬品を使ってもいい)。
●結実した上の枝を脇枝にする――これは高さを確保するためです。捻枝をして、地表と水平にした枝は果実の重みで折れたり、地面に付くこともあります。これを防ぐために、最初の脇枝は十分な高さを確保する必要があります。

一番目の脇芽
脇芽から花が咲いて結実したら、その花の下の脇芽を次の脇枝にして残し、他の脇芽を取ります。果実を二つ(ミニトマトの場合は二房)出来たら、摘芯し、捻枝します。捻枝は枝を45度ひねるか、ペンチで軽く潰すことで師管を潰す作業です。捻枝する場所は次の脇枝となる脇芽と果実の間です。枝を捻る際に、枝がから汁が出ます。これに触れるとトマト内に雑菌・ウィルス病が入るので、手を清潔にして作業するか、ゴム手袋・ビニール手袋などを着けて作業しましょう。
●その他の水やりや肥料についても栽培手順は同じです。
参考トマトのウィルス病

あとは繰り返す
脇芽を出して、結実させて、その実の下の枝を伸ばして次の枝にして、摘芯、捻枝…を繰り返します。
参考トマトの捻枝を参考に。

雑記

●脇芽の勢いが悪いときは、結実を一つにして、次の枝にエネルギーをまわすようにします。
●枝に二つ結実させるのですが、中玉でもかなり大きくなります。捻枝しているので、結構簡単に折れます。支柱で支えましょう。
●捻枝と連続摘芯栽培のテクニックは冬の栽培のために考え出されたもので、春から夏に掛けてのトマト栽培では枝が折れやすく、初心者には不適です。
●連続摘芯栽培は横へと広がるので、一株あたりの収穫量は増えるのですが、面積当たりとなるとあんまり変わりない。また手間が掛かるので、すぐれた仕立て方とは限らない。
●連続的芯栽培と捻枝をやった人の感想は、手間の割には…というのが多いです。収量は確かに安定するが、劇的に増えるわけじゃないし、手間がかかりすぎる。トマトって割と手をかけなくても収穫はできるので、芽かきなどの作業を極力減らしたソバージュ栽培も提案されているくらいです。連続的芯栽培と捻枝はちょっとしたテクニックくらいに考えた方がいいですよ。
●それでも一度はやってみたい、と思う。
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