ラベンダーの系統・品種のまとめ

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ラベンダーの系統のまとめ

ラベンダーといっても幾つか系統が見られます。ストエカス・デンタータ・プテロストエカス・カエトスタキスなどなどいろいろとあります。このうちよく流通しているのは、アングスティフォリアとラバンディン系(ラバンジン系)とストエカス系とプテロストエカス系に分けられます。

その系統には特徴があり、夏越し・冬越しの難易度に違いがあります。ただ、現在は別系統同志で交配しているためか、それとも品種改良が進んだせいか、暑さに弱いはずのアングスティフォリア系であっても暑さに強い品種もあるので、あくまで系統があって傾向があるくらいに考えてください。

アングスティフォリア

アングスティフォリアはコモンラベンダー・オールドラベンダー・トゥルーラベンダーとも呼ばれるグループで、主にイングリッシュラベンダーのこと。耐寒温度はマイナス15度と寒さには強いが、高温多湿が苦手で、梅雨前・夏前に切り戻して風を通して雨に当てないようにして、夏を乗り切るようにするが、暖地・中間地では鉢植えで管理しても、夏によく枯れます。

寒冷地向きで、北海道に一面のラベンダー畑があるのはアングスティフォリア系。香りが強くドライフラワー向きで、あれを見て、暖地の人が「ラベンダーを育てたい」と考えて、このアングスティフォリア系のラベンダーを植えると、夏の暑さで枯れてしまいます。

何年か栽培していると突然死するので挿木で保険をかけておくといいです。突然死は剪定することである程度は防げる。ただし夏の暑さに弱いので、突然死か多湿に弱ったかは、判断しづらいことが多い。

寄せ植えに不向き。

ハーブティ、ハーブバス、ポプリに利用されるのはこの系統で主にイングリッシュラベンダー。最近では品種改良が進んでイングリッシュラベンダー系統であっても暑さに強いものもあり、あくまでこの系統の傾向だと思ってください。

イングリッシュラベンダー

イングリッシュラベンダーが一般的にイメージする「ラベンダー」です。

その他の代表的な品種

●イングリッシュラベンダー・センティヴィア…香りの優れたラベンダー。春と秋に開花するイングリッシュラベンダーの品種。風通しの良いとこで管理すれば夏越しできる。スタンドや棚で鉢の下に風を通すといいです。あまり大きくならない。

●バイオレットメモリー…オカムラサキの枝代わり品種。

●リトルマミー(二季咲長崎ラベンダー)…コンパクトにまとまる。イングリッシュ系としては夏の暑さには強い方。

●ナイトブルー…夏の暑さには比較的強い方。

●プリティベイビー…イングリッシュラベンダー系

●イングリッシュラベンダーの斑入り品種は傷みやすい。

その他の品種

ロイヤルパープル、オカムラサキ、バイオレットメモリー、濃紫3号、レディアンラベンダー、ヨウテイ(羊蹄)、ハナモイワ、マンステッド、ヒッドコート、ブルークッション、フォルゲイト、マンステッド、ラバンスパープル、紫穂、長崎ラベンダー、ブルーセントアーリーエッセンス、ガーデンビューティー

ラバンディン系

ラバンディン系(ラバンジン系)はアングスティフォリアとスパイクラベンダーの交配種の品種群です。アングスティフォリアに比べると夏の暑さに強いですが、決して夏の暑さになんら問題ないわけではなくて、夏前に剪定したり、葉っぱをさばいて風通しを良くする必要があります。

耐寒温度はマイナス10度と寒さには強い。

アングスティフォリアに次いでハーブティ・ハーブバス・ポプリに適していますが、アングスティフォリアの方が明らかに優れていて、使えなくもない程度のことです。

ラベンダーグロッソが暑さに強く、非常に頑健で育てやすく初心者向き。また、アロマティコも暑さに強く育てやすい。株が大きくなる(直径1mとか)ので、庭植えにするか、鉢植えにしても寄せ植えにはしないのが吉。別の系統のラベンダーと一緒に植えると根が絡み合って大変。大きすぎるので、植える前に一考を。

ラベンダーグロッソ

ラベンダーグロッソは大柄で野性味がある品種。挿木が簡単で、適当に刺しても発根する。強く育てやすい。挿木で保険をかけて栽培すればいいです。樟脳の匂いがするとされるが、好きな人もいる。

暑さ(30度)にも強い。完全に枯れているように見えても、新芽が出ることがあるほど。大きくなると乱れて、株の中心が禿げる。剪定して整えましょう。夏の暑さには強い。前橋・館林・熊谷あたりはグロッソで。

アロマティコ

アロマティコは暑さに強く、寒さにも強い品種。大阪で年に2回開花するらしい。苗がちょっと高い。

その他の品種

ラベンダーシール、ラベンダースーパー、ラベンダープロヴァンス、インペリアンジャム、アラビアンナイト、アロマティコ、インプレスパープル、スーパーセリビアンブルー

ストエカス系

ストエカス系は比較的丈夫。夏の暑さにも比較的強い…といってもアングスティフォリアよりはマシ程度で真夏に日当たりに置いていると枯れます。耐寒温度はマイナス5度とラベンダーの中では寒さには若干弱いが、軽い霜ならば、枯れずに越冬できます。とはいえ、関東では冬は室内で管理が無難です。

アングスティフォリアやラバンディン系よりも生育が早い。並べて植えると成長の差はハッキリとします。

フレンチラベンダーと、その品種のアボンビューが育てやすい部類に入ります。

フレンチラベンダー

フレンチラベンダーは寒さに強くマイナス7度に耐えて戸外で越冬が可能。

ラベンダーデンタータ

ラベンダーデンタータは栽培は容易な方で、イングリッシュラベンダーを枯らす人はデンタータを。四季咲きとされる。こぼれダネでも増え、地域によってはそこらに生えてることもある。一年に何回か開花することもある。数年栽培していると突然消えることがあります。ラベンダーデンタータの管理はストエカスよりは、ラバンディンに準ずる。

アボンビュー

アボンビューはグロッソ、デンタータと同じくらいに育てやすい。

その他の品種

ストエカスラベンダー(=イタリアンラベンダースパニッシュラベンダー)、ロイヤルパープル、コンパクタ、わたぼうし、キューレッド、花うさぎ

プテロストエスカス系

実質レースラベンダー(ピナータ)のこと。耐寒温度は0度とラベンダーとしては寒さに弱い。夏の暑さには比較的強い方とされるが夏に蒸れて枯れることが多くて、上級者向け。関東では冬は室内へ。見た目が繊細で愛らしいので、育てたい人が多いですが、継続して栽培するのは難しいです。

他のラベンダーがすっとしたいい匂いなのに対して、レースラベンダーは匂いがちょっと駄目です。なので冬に寒さ避けにと、人が生活しているスペースに取り込むと辛いです。

品種

レースラベンダーは葉っぱがレースのようになっているのが特徴。室内に取り込むと臭いのが困りもの。プテロストエスカスはほぼレースラベンダーくらいしか流通していないので、ほぼイコールと言っていいです。
その他の種類ムルティフィダ

その他の品種

ウーリーラベンダー

ウーリーラベンダーはスペイン原産。耐寒性が強い

ソイヤーズラベンダー(ソーヤーズ)

ソイヤーズラベンダー(ソーヤーズ)(Lavandula lanata Sawyears Hybrid)ウーリーラベンダーの交配種。

スイートラベンダー

スイートラベンダー(Lavandula × heterophylla)はスパイクラベンダーとデンタータの交配品種。学名ではヘテロフィララベンダーと呼ぶべきですが日本ではスイートラベンダーという名前で流通しています。スパイクラベンダーに形状が似ています。

ダイソーラベンダー

百円ショップダイソーで購入した種子や苗を俗にダイソーラベンダーと呼んでいます。スラングです。実際にそんな名前のラベンダーはありません。品種名が書いてないので困る。大抵はイングリッシュラベンダーかと思われる。

富良野ラベンダー

富良野ラベンダーは商品名で特定の品種ではないみたいです。

最後に…

耐寒温度と耐暑温度をまとめた表にしたラベンダーの種類(系統)と耐寒温度と耐暑性のまとめがありますので、そちらも参考にしてください。

また、月別の詳細な栽培方法は以下のページを参考にしてください。
1月のラベンダーの栽培
2月のラベンダーの栽培
3月のラベンダーの栽培
4月のラベンダーの栽培
5月のラベンダーの栽培
6月のラベンダーの栽培
7月のラベンダーの栽培
8月のラベンダーの栽培
9月のラベンダーの栽培
10月のラベンダーの栽培
11月のラベンダーの栽培
12月のラベンダーの栽培
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