用土の種類とペーハーの一覧をまとめました

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用土とは?

園芸の土は大抵は赤玉土6腐葉土4を混ぜたものに肥料を足して石灰で中和させたものに、ゼオライトなどを追加してより栽培しやすいものにしています。このこのページでは赤玉土・鹿沼土・腐葉土などの用土の性質とPhについてまとめています。

以下のページを読む前に土の基礎知識

庭土は酸性になる

雨は空気中の二酸化炭素を吸収して「炭酸水」になって地上に降るため、土は徐々に自然と「弱酸性」になります。日本は比較的雨が多い地域なので、弱酸性になりやすい。

植物は中性〜弱酸性を好む

植物は一般的に弱酸性か中性の土壌を好む。特に野菜は酸性を嫌うので、植物は酸性を嫌うと思いがちですが、アルカリ性の方がむしろ駄目。アルカリ性だと窒素成分がなくなってしまうので、成育しづらい。大抵は弱酸性・中性なら問題ないです。大抵の植物は「弱アルカリを好む」と書いてあっても中性ならば問題ない。一般的な培養土は中和したものを売っているのでこれを利用すれば問題ない。
ツツジ科植物などでは酸性の土でないと育たない。中性でもだめ。酸性の土を好む植物は酸性でないと肥料を吸い上げることができず枯れてしまう。

土は劣化する

鉢植えの土は3年ほど経つと劣化している。ピートモスは腐って泥状になり、赤玉土は潰れて粘度状になる。植え替えの時に土を落として、綺麗にした方がいい。洗いながら千切れないように丁寧にすればいいです。

石・砂系

赤玉土

培養土によく使われる土で、火山灰土(赤土)を固めたもの。phは5〜6で弱酸酸性。3年ほどで徐々に劣化して、崩れて微塵が出て、泥状になって水はけが悪くなる。リサイクルしても2年か3年に一回は取り除いて入れ替えるようにしましょう。

赤玉土の優れているところは「水持ち」です。玉状になっていますが、水を含み、保水します。また価格が安いのもよく使われる理由。水はけを重視するなら、日向土(ボラ土)や軽石を代用することもできる。日向土は保水力はないものの、劣化して微塵は出にくいので、赤玉土より「再生利用」がしやすいので勧める人は多いです。

赤玉土の中には「硬質赤玉土」という硬く固めたものもある。硬質は潰れにくいが、いずれは潰れて微塵を出して泥状になる。ただ、普通のよりは長持ち。そしてちょっと高価。
●赤玉土は経年劣化して粉々になって、その微塵が泥になって水持ちが良すぎて根腐れの原因になることもある。一方で、微塵が水やりで流れ出てスカスカになることもある。流れ出ると保水が効かず、水下がりする。どちらにしても土を更新するべき。

鹿沼土

鹿沼土は栃木県鹿沼産出であることから鹿沼土と呼ばれるマグマが固まった「軽石」の一種で、軽石が劣化して脆くなっている。指で潰れるほどの柔らかさ。赤玉土同様に微塵が出やすい。phは4〜5で強酸性。酸性の土を好む植物を植える際に赤玉土の代わりか、赤玉土と混ぜて使われることが多い。赤玉土同様に保水しつつ、水はけを維持する性質がある。

日向土(ボラ土)

日向土は宮崎県南部などの霧島系火山帯で採取される軽石のこと。phは赤玉土と同じ5〜6。赤玉土が保水するのに対して日向土は、ほぼ保水せず流れていく。赤玉土だと水をやりすぎて根腐れを起こすような人は、赤玉土ではなく日向土を使うと、水やりの管理が適切になることが多い。
問題は日向土は全然流通しておらず、単価もお高めであまり一般的でないこと。軽石で経年劣化しにくいことから、日向土に腐葉土などを足して用土を作り、植物を育てたら、フルイで日向土を取り出して再利用しやすいので、お勧めする人は多い。
●日向土より鹿沼土の方が水持ちはよいです。

軽石

マグマが固まったものの総称。
日向土や鹿沼土は軽石の一種。園芸店で売っているのは中性の軽石をある程度の大きさに砕いたもので、うちのサイトでは鉢底に敷いて土の流出を防ぐものとして利用する…としていることが多いです。中性。

軽石は保水性もありますが、赤玉土には負けるし、培養土には赤玉土が一般的に使われます。ただ軽石は経年劣化しにくいので、赤玉土の代わりに使うこともあります。

桐生砂(川砂)

多孔質な火山砂礫が風化した砂のこと。中性。硬くて、保水せず、保肥性もないので、水はけ向上のために使用することが多いです。

バーミキュライト

苦土蛭石とも呼ばれる小さな穴の空いた石。中性で軽く、保水性・通気性・保肥性がある。土の中に入れて、肥料が流れきらないようにする土壌改良剤として利用される。また、無菌であるため、挿木の材料としてよく使われる。

その他

矢作砂(ヤハギズナ)
矢作砂は岐阜県矢作川流域で産出される砂。排水性・通気性に優れた川砂。花崗岩質。中性。川砂ですが、角張っている。水はけがよいので、ラン系の用土として利用される。

朝明砂(アサゲズナ)
朝明砂は、三重県桑名地方に産する砂。花崗岩質。川砂ですが、矢作砂よりもさらに角張っている。

有機物系

腐葉土

葉っぱを微生物やミミズによって分解させて、団粒構造を持っている「土」です。団粒構造は有機物や土の微塵が団子状になっている構造で、この団子が保水しつつ、隙間から水が通り、空気も通るため、非常に大事なものです。なので一般的には赤玉土6腐葉土4が用土の基本の配合です。つまり「赤玉土6堆肥4」ではないです。
●腐葉土も分解されすぎると粉微塵になり、土に混ぜて水をやるとヘドロになって通気性が悪くなる。腐葉土は開封したら早く使った方がいい。特に春〜夏の高温時期に分解が進みます。

堆肥

木くず・牛糞・馬糞・オガクズなどを発酵させたものが「堆肥」。堆肥はどちらかというと土壌改良材であり、肥料とはちょっと違う。ただ、有機物なので肥料の側面もある。堆肥の内部には微生物が大量に存在し、この微生物も土づくりに必要。

必ず「完熟」と書いてある堆肥を買う。「堆肥」ではなく「完熟堆肥」を買うこと。完熟と書いていないのであれば未熟の可能性がある。完熟していない牛糞堆肥は「ウンコ」に近く、匂いもする。完熟の堆肥はあまり匂いがしない。

庭植え・畑には腐葉土の代わりに堆肥を入れます。堆肥と砂などが混じり、微生物やミミズが「良い土の条件」である団粒構造を作っていきます。庭や畑がある家庭はゴミや残渣から堆肥を作る人もいます。これだと堆肥の購入費がかからずお得。
堆肥の作り方…コンポストについては
を参考に。
●未熟な堆肥なんて、売ってんの?って思う人はいるかもしれないが、牛糞・馬糞・豚糞・鶏糞は畜産農家にとって「産業廃棄物」で廃棄処理をするためには、結構なお金がかかる。また、堆肥にするのにも時間と手間がかかる。これらを園芸資材として流通させるとその分の経費がかからなくなるので、袋につめて売ることがある。これらは発酵させれば堆肥になります。

ピートモス

ピートモスは水苔・シダ・ヨシ・ヤナギ・スゲなどが蓄積し、微生物が分解して泥炭(=ピート)になったものを脱水したもの。phは4前後と強い酸性を示します。乾燥した状態で流通していて、これに水を加えると膨らみ、使用できるようになります。保水にすぐれ、保肥性も高い。

土に加えることで、土を酸性にし、水持ちをよくし、フカフカにします。酸性の土を好むツツジ科植物の栽培によく利用されます。

ピートモスには酸性を調整して中性にした「酸度調整済みピートモス」もあり、こちらはいろんな用途にも使えますが、未調整ピートモスに比べるとちょっとお高い。
●未調整ピートモスは安いので庭土・畑土の酸度調整に使われることもあります。

水苔

水苔を乾燥させたもの。ラン科植物の栽培などによく使われる。

ココピート

ココピートはヤシガラを堆積・発酵させたもの。スリランカやインドでよく作られている。中性。そのままではなくて他の用土と混ぜて使う。混ぜるつもりがなければなかなか消費されずに場所を取る。保水性・通気性に優れ、長く土中に残る土壌改良剤。
ピートモスがよく利用されてきましたが、中性で中和不要である事を考えると、今後はココピートが主流になるかもしれない。

詳細は
を参考に

その他

ゼオライト

ゼオライトは小さな穴の空いた石の一種。おおよそ中性でイオン交換作用(=根腐れ防止)があり、保肥力、通気性があり、植物の生育に非常に良い影響がある。ただ、重い。培養土に最初から入っていることが多い。
水耕栽培をする際に、水を綺麗に保つために少量入れるとよいです。それより毎日水を換えた方がいいのだけど。

パーライト

パーライトには2種あり、一つは黒曜石パーライト。もう一つは真珠岩パーライト。園芸によく利用されるのは黒曜石の方です。

黒曜石パーライトは中性で多少のイオン交換作用(根腐れ防止高価)が多少あり、保肥と水はけ強化、土を軽くする効果がある。ちなみに黒曜石は縄文時代に矢尻に使われていた石。水捌けをよくするパーライトはこちら。ちなみに黒曜石を表土に敷き詰めるとコガネムシがもぐれないのでコガネムシ対策で使われることもある。

真珠岩パーライトは水を吸う保水をする軽石。水はけをよくするなら黒曜石パーライトを使う。

培養土

培養土は上記のものを配合して植物が育ちやすく配合したもの。赤玉土+腐葉土が一般的な組み合わせ。安い培養土は、この腐葉土が未熟、堆肥が未熟、安いピートモスなどを入れているため、問題が発生しやすいので、特に初心者は培養土はそれなりのもの…20Lでせめて800円以上…を使った方がいいとされます。
●培養土にキノコバエが発生する。有機物(堆肥)が多いと発生しやすい。安い培養土には良く発生する。土にベニカXガード・オルトランなどを混ぜ込んでハエを駆除するといいです。また、水はけがよいと発生が抑えられるので、石系・砂系を混ぜるとよいです。液肥ハイポネックスの殺虫剤入りなどもあります。
●安い培養土は虫が湧きやすい。水捌けが悪いことが多い。フカフカなんだけど空気で膨らんでいて、水をやると水を吸ってカサが極端に減る。そして水が抜けない。どうにも水はけが悪いようなら赤玉土などを入れて使う。水をやったらカサが減るのは安い土だけの話ではないのですが、安い土はそのへんが極端。
●培養土を買ったら、中に木片(というか枝)が入っていることがある。これはバーク堆肥を材料にしているためなので問題はない…のだけど、あんまり大きい木片が入っているのであれば根を張るのに邪魔なんで取り除いた方がいいです。

リサイクル材

培養土を再生するものとしてよく流通している。リサイクル材には微生物(酵母など)となにかしら堆肥(バークか牛糞など)とその他の肥料や土壌改良にカニ殻や木炭・石灰などが入っている。ってことは、堆肥などを入れれば、これらの代わりにはなるってこと。個人的には堆肥を古い土に入れるのとあんまり変わらないような。

土のリサイクル材は雑菌・肥料の改善はあっても、赤玉土の劣化は取り返せない。赤玉土・鹿沼土が劣化して不足しているようであれば追加しましょう。

用土とPHの一覧

名称ph備考
赤玉土5~6弱酸性
鹿沼土4~5強酸性
腐葉土6~7中性
軽石中性
ピートモス強酸性中和処理したものもある
日向土(=ボラ土)5~6弱酸性
パーライト弱アルカリ
堆肥6~7中性
バーク中性
バーミキュライト6.5弱酸性
桐生砂6~7中性
蝦夷砂弱酸性
薫炭・木炭8~9弱アルカリ
ミズゴケ4.5~5強酸性
黒土5~6弱酸性
山砂5~6弱酸性真砂土のこと。
寒水砂アルカリ性飾り砂で栽培用ではない
ケト土弱酸性?
富士砂弱酸性
荒木田土5~6弱酸性
川砂6~7中性桐生砂のこと。
ゼオライト6~8中性
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