コガネムシの駆除と予防と生態のまとめ

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コガネムシ

コガネムシは狭い意味ではコガネムシ科の「Mimela splendens」を指すが、うちはガーデニングサイトなので、植物に害をなすコガネムシ科の昆虫の総称として扱います。成虫は葉っぱを食べ、幼虫は土の中で根を食べる。結構厄介な害虫だったりする。

ちなみにカナブン・カブトムシもコガネムシ科なんですが、幼虫は枯葉を食べ、成虫は樹液を舐めるだけで害がないので、一般的にガーデナーが言う「害虫のコガネムシ」の範疇には入らない。

生態

幼虫の状態で地中深く…地下30cmくらいで冬を越す。なので冬は鉢の底でじっと春を待っています。春5月あたりになると地上の近くで蛹(サナギ)になって、成虫になり、7月〜9月に地下10cmあたりに卵を産む。卵は1週間でかえり、幼虫は活動を始め、最初は腐葉土などの腐食物を食べているが、徐々に根を食害し、また翌年春に蛹になり成虫になる…というサイクルを繰り返す。卵→成虫のサイクルは一年で一周。寒冷地では幼虫が成虫になるまで二年かかることもある。

成虫は飛び、しかも、まぁまぁな飛行能力のため、地上部に成虫の食害がなくても土中に幼虫がいることが多い。特に近くに山があるとかなりの確率で発生する。また、室内で管理している鉢・プランターであっても発生することがある。

成虫も葉っぱや花を食害し、幼虫は土の中で根を食べる。幼虫は細い新しい根を好んで食べるため、植物の調子が悪いので掘り返してみると細い根が全くなくなっているということがある。
●卵は未熟な腐葉土・堆肥に産む傾向がある。完熟堆肥を使うことで予防はできる。
●鉢植えに二、三匹の幼虫がいるだけで枯れる。
コガネムシ科の昆虫のうち植物に害があるものとないものがある。カナブンなどは幼虫の時は枯葉を食べて糞をし、植物の肥料とる「分解者」であり、ガーデナーにとっては「益虫」。

コガネムシ一覧

害のあるコガネムシ
コガネムシ…幼虫も成虫も植物(葉と根)を食べる。
ヒメコガネ…幼虫も成虫も植物(葉と根)を食べる。
ドウガネブイブイ・アオドウガネ…幼虫も成虫も植物(葉と根)を食べる。
ゾウムシ…幼虫も成虫も植物(葉と根)を食べる。
ハナムグリ…幼虫は腐食物を食べ、無害。成虫は花の蜜や花粉を食べるだけで、花を食べているわけではないが、蜜や花粉を食べるときに花を壊す。人によっては対処しない。

無害なコガネムシ
カナブン…幼虫はクズを食べ無害。成虫は基本的に樹液を舐めるのみ。
カブトムシ・クワガタムシ…幼虫は腐食物を食べ、無害。成虫は樹液を舐めるのみ。

被害・症状

成虫の被害・症状

成虫も葉っぱを食べる。葉脈を残して食べて穴だらけにする。コガネムシの被害というと一般的に幼虫の被害の方が目立つが、成虫も大量発生すると樹木でも枯れることがある。ただ、成虫は見れば「食べている」のでわかるから、対処しやすい。
●コガネムシは繁殖力が強く、成虫がいるのであれば卵を産む。卵を産めば幼虫の被害も受ける。よって成虫がいるなら、幼虫の対策を必要になります。

幼虫の被害・症状

コガネムシの幼虫は根を食べる。細い根を食べるため、被害にあった植物は水を吸い上げられなくなって、水切れしやすくなる。土中で動くため、やたらと土がフカフカになり、土が少なくなる。幼虫二、三匹で1鉢の植物が枯れるので、とにかく早めに対処する。

卵を産むのが5月以降なので被害はそこから徐々に悪化しはじめる。最初は幼虫が小さいため被害が少ないが7月前後の高温時期に水切れしやすくなる。だが、普通に育てていても7月以降は高温で水切れしやすいので原因がコガネムシなのかどうか判断しづらい。この辺りはガーデナーのこれまでの経験から判断することになる。

水切れしやすくなっても放置していると、根がほぼなくなって枯れる。
●水切れしやすい→元気がないなぁと思って肥料をやる→効果がない→枯れる→鉢を廃棄するときに幼虫を発見…というパターンが多い。

成虫の駆除

捕殺

数が少ないなら捕殺する。ビニール袋を広げて枝を振るとポロポロと落ちてくる。それをゴミとして出す。地面に落ちたコガネムシは結構早い速度で逃げるので即フミツブース。

フェロモントラップ

コガネムシの成虫などを呼び寄せて捕まえる「フェロモントラップ」なる商品がある。
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薬殺

数が多いなら薬剤を散布して駆除する。
薬剤はスミチオン。
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成虫の予防

ライトを当てない

コガネムシは夜に街灯や照明に飛んでくる。なので植物に光が当たっていると被害にあいやすい。光を当てないようにするか、植物を移動させます。

とはいっても、成虫のコガネムシは飛来してくるので予防には限界がある。

幼虫の駆除

駆除方法:植え替え
株を掘り出して、土を落として幼虫を完全に取り除いてから、新しい土で植え替える。ただ、これができる植物は限られる。植え替えのときに「土落とさず・根をいじらない方がいい!」という植物ではかなり「リスキーなギャンブル」になる。
●野菜やハーブといった食べるために育てているものなら、植え替えするしかない。


駆除方法:水没
鉢植えの場合は鉢全体を「水につける」。すると息ができなくなった幼虫が浮かび上がってくる。ただし、植物によっては根腐れの原因になる。
●10分ほど浸けているだけで出てくる。


駆除方法:薬殺
オルトランかダイアジノンで薬殺する。
基本的な対応はコレ。もちろん根が枯渇している状態なら意味がないので薬殺するにも早めに。
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幼虫の予防

ツバキの油粕

椿の油粕にはサポニンという殺虫成分が入っていてコガネムシの幼虫にも効果がある。これを肥料に使うと、予防しつつ駆除できる。ただし、太陽光にあたるとサポニンが分解されるので土中に埋めること。
●ただの油粕ではなく「椿の油粕」。

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近くにヒガンバナ科などの植物を植える

毒性のある近くにヒガンバナスイセンといったヒガンバナ科の植物を植えると、発生が抑えられます。

株元を不織布で覆う

コガネムシは地面の未熟な枯葉に卵を産み付けるので、鉢植えなどは株元を不織布で覆うことで産卵を予防できる。コガネムシの成虫が活動をはじめる5月から9月くらいまで株元を覆う。これが一番効果がある予防方法。
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株元をバークなどで覆ってマルチングする

バークチップを敷くことで土に卵を産み付ける可能性がかなり低くなります。
●バークチップ以外にもココヤシファイバー(=ヤシの繊維)やパームマットやその他チップでもいい。
●バークチップ以外にもマルチング材はあるのですが、土の乾燥状態を見やすいのはバークチップなので、コチラが便利。
●パーライトで株元にマルチングするとコガネムシ除けになる。パーライトのカサカサした感じを嫌う??

成虫を駆除する

成虫は飛んでくるため、限界があるが、成虫を駆除することである程度は効果がある。成虫が活動を始める5月から9月まで定期的に駆除(薬剤散布など)をする。

成虫は光に集まるため、植物に街灯や照明を当てていると被害に遭うので、当てないようにしましょう。

薬剤

コガネムシ成虫の薬剤

ベニカ乳剤
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マラソン乳剤
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コガネムシ幼虫の薬剤

ダイアジノン粒剤
ダイアジノンがコガネムシ幼虫駆除の代表選手。駆除できるのですが、薬効が効かなくなってから卵を産みつけられることもあるのは当然なので、継続して散布する必要があります。
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オルトラン
オルトランを吸収した植物を食べた虫に効果があるため、効果があるのが遅いので前もって使っておく必要があります。あと、樹高1m〜2mが限界です。
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