シシトウ栽培の詳細解説版…もうちょっと上を目指す人のための長文記事
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科名 | ナス科 |
属名 | トウガラシ属 |
水やり | 水を好む |
場所 | 外の半日蔭 |
難易度 | 初心者向け |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花 | ||||||||||||
植え | ||||||||||||
肥料 |
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シシトウとは?
シシトウはナス科の多年草(日本では一年草扱い)の野菜。5月に植えると6月にはすでに収穫が可能というありがたい野菜。非常に手間がかからず大量に収穫できるのが特徴。そのままにしておくと赤くなりますが、青いうちに収穫して食べます。赤くなると甘くなり、ピーマンと変わらない。食べる方法は、焼く・揚げる・そのままなどなど。育て方はピーマンと同じ。株が小さいうちから花が咲き、開花から15日から20日で収穫できます。放任でも実がなり、そのまま夏から秋まで収穫可能です。しかし、おいしいシシトウを収穫しようと思ったらやっぱりコツがあります。
最初に簡単にまとめ
●5月に苗を買って植える。
●強い植物で育てやすい。
●一番花は取り除き、一番花の下の二つの脇芽以外は取り除く。その後に出た脇芽はそのまま伸ばして収穫する。
●水をやり過ぎれば根腐れするが、生育時期はよく水を吸って乾燥気味になりやすいので、水切れに注意する。
●よく結実して肥料が切れるので肥料を追加する。
●収穫は晴れた日の午前にする。切り口が濡れているとここから病気が入ってしまうので。
●強い植物で育てやすい。
●一番花は取り除き、一番花の下の二つの脇芽以外は取り除く。その後に出た脇芽はそのまま伸ばして収穫する。
●水をやり過ぎれば根腐れするが、生育時期はよく水を吸って乾燥気味になりやすいので、水切れに注意する。
●よく結実して肥料が切れるので肥料を追加する。
●収穫は晴れた日の午前にする。切り口が濡れているとここから病気が入ってしまうので。
管理場所・日当たり
日当たりのいいところで管理しますシシトウのいいところは真夏の暑さにも負けないところ。気温の上昇にも負けずに茂り、シシトウをつけてくれます。日当たりのいいところでしっかりと日に当てて下さい。
あまりに暑いとシシトウが激辛に
熱帯夜が続くと、シシトウの辛味が増します。辛いのが苦手な人はシシトウの根本に水をやったついでに、その周囲にも水を撒きます。打ち水です。これで気温が2度か3度程度ですが低下します。
●シシトウはストレスがかかると辛くなる。高温乾燥など。
●でも辛いのが好きって人もいるんですよね。そういう人は辛いものを「あたり」って呼ぶ。辛いのが好きな場合は放置しておきます。
●でも辛いのが好きって人もいるんですよね。そういう人は辛いものを「あたり」って呼ぶ。辛いのが好きな場合は放置しておきます。
水やり
土が乾いていたら水をあげてください。5月以降は気温が高く、土が乾きやすいですので注意します。また、水を控えるとシシトウの実が辛くなってしまいます。春は晴れた日は毎日、夏は雨の日以外は毎日水をやります。夏は朝と夕方の二回、しっかりと水をやります。昼間はやった水が沸騰して根を傷めてしまいますので、昼間は水やりを避けます。鉢やプランターの場合は底から水が染み出す位にしっかりとやってください。
●水切れで症状が出てしまうなら、昼間でも水をやります。じゃないと全然間に合わないので。
肥料
実がよく成りますので、肥料を必要とします。生育期間の間は液肥を一週間に一回やるか、緩効性肥料を一ヶ月に一回、根本にまきます。また、マグネシウム不足になると葉っぱが黄色くなるので、苦土石灰を散布してマグネシウムを補給する。●肥料切れを起こすと辛くなりがち。
●肥料は少量を頻繁にやる。様子を見つつ頻度や量を調節する。
●肥料が多くても葉っぱがカールしたり、葉っぱの縁が枯れ込んだりする。
●苦土とはマグネシウムのこと。
●肥料は少量を頻繁にやる。様子を見つつ頻度や量を調節する。
●肥料が多くても葉っぱがカールしたり、葉っぱの縁が枯れ込んだりする。
●苦土とはマグネシウムのこと。
用土(連作障害に注意)
用土は一般的な培養土か、赤玉土小粒6腐葉土4を混ぜたものを使います。畑に植える場合は植え付ける2週間前に苦土石灰をまいてよく耕します。そして植え付ける1週間前に、元の土に4割ほどの堆肥か腐葉土を追加してよく耕して用土とします。ナス科の植物で、庭植えする場合は過去2年のうちにナス科の植物を植えていない場所に植えます。ナス科の植物は多いので気をつけてください。プランターに植えるときは必ず新しい土で植え付けをします。古い土には病気や虫が住み、栄養が偏っていて生育不良を起こしやすいです。
5月〜6月の作業
植え付け
霜が降りなくなり暖かくなってから苗を植えます。一般的には5月以降。苗は4月から流通するのですが、植えるのはあくまで5月。早く植えたからって収穫は早まらないし、収量も変わらない。というかそもそも非常に収量が多いので気にしないで5月に植える。種は一袋に大量に入っていて、全部撒くのは一般家庭には非現実的です。ホームセンターなどで苗を買いましょう。横長プランターに苗を三つ植えたら一家族には余るほどシシトウが成ります。
植え付けの手順はピーマンと同じなので
を参考にしてください。
●プランターでも結構、収穫できる。もちろん畑の方がよく収穫できるが、そもそも1株で結構収穫できるのでプランターでも十分。もちろん、庭にスペースがあるなら地植えがおすすめ。
●シシトウの近くにトウガラシを植えるとシシトウが「辛くなる」とされるが、多分、気のせい。それより水・肥料の方が大事。
●シシトウの近くにトウガラシを植えるとシシトウが「辛くなる」とされるが、多分、気のせい。それより水・肥料の方が大事。
支柱を立てる
脇芽をむしると、結果的にシシトウの一番上に葉っぱが茂り、実がなります。つまり頭でっかちです。風に吹かれるとポキリと折れてしまいますので、支柱を添えて、茎を紐で縛って固定しましょう。●シシトウ(=獅子トウガラシ)やピーマンは茎を中心に、支柱を枝の伸びる方向に三本斜めに刺して、枝を固定するやり方が一般的です。勢いのある三本の枝以外は摘みます。三番花が咲いたら下葉は取ってしまっても問題ありません。
●一本立てでも問題ないです。
●一本立てでも問題ないです。
芽かき・仕立て
苗を植えて30センチくらいに育ってくると、葉っぱの付け根から脇芽が出てきます。しかしこれを放置しておくと、全体がコンモリと育ち、栄養が分散されてしまいます。そこで、一番太い幹に一番最初に咲いた花(=一番花)とそのすぐ下の二つの脇芽以外の脇芽はこの時期にむしり取ってしまいます。ピーマンと違い、この作業をしなくても収穫は可能ですが、やって損はないです。その後に出てくる脇芽…一番花より上から出る脇芽はそのまま放置して伸ばします。脇芽がたくさん出て、実が大量に収穫できる。ただ、密生するので、風通しをよくするためにも、様子を見て枝を剪定して減らした方がいいかも。
●開花したところから枝分かれする。
●ナスのように何本仕立てってのにしない。伸ばし放題で大量収穫を。
●剪定の時に強い枝を切って、弱い枝を残した方がいい。
●一番花(一番果)は取り除いて株の充実をさせる。二番花・三番花も株の様子によっては取り除いた方が良いが、一般的には摘花は一番花だけ。
●他の野菜ではよく脇芽を取るがシシトウはそのままでいい。なので水やりと追肥以外にほとんど作業がないのに、大量に収穫できる。ありがたいことです。
●ナスのように何本仕立てってのにしない。伸ばし放題で大量収穫を。
●剪定の時に強い枝を切って、弱い枝を残した方がいい。
●一番花(一番果)は取り除いて株の充実をさせる。二番花・三番花も株の様子によっては取り除いた方が良いが、一般的には摘花は一番花だけ。
●他の野菜ではよく脇芽を取るがシシトウはそのままでいい。なので水やりと追肥以外にほとんど作業がないのに、大量に収穫できる。ありがたいことです。
5月〜10月の作業
水やりと肥料
生育不良を起こすと辛くなりやすい。水切れ、肥料切れや、気温の低下などが原因。秋口に気温が下がって生育不良を起こして辛くなるのはしょうがないが、それ以前の水や肥料は対応可能なので頑張りましょう。ただ、辛いのが好きな人もいる。肥料は頻度を多くし、一回の量を減らして施肥する。収穫しつつ「辛いのが多いなー」と思ったら量を増やすなどして「ちょうどいい」を探りましょう。
8月の水やりは朝と夕方の2回では足りないかもしれない。様子を見つつ、昼にももう一回水やりをしましょう。
●辛い辛くないは品種にもよる。万願寺が辛くなりにくい。そうはいっても万願寺でも辛いものはハバネロ並みに強烈に辛い。伏見唐辛子はさらに辛くなりにくい。
●万願寺トウガラシは伏見系(伏見甘長?)のシシトウとカリフォルニア・ワンダー系のピーマンを掛け合わせて、大正前後に作り出したもの。万願寺トウガラシはピーマンっぽい味がするので、スーパーでは「万願寺ピーマン」として売られることもある。皮が肉厚。
●万願寺よりも辛くなりにくい品種を目指して、万願寺との交配種の新種の苗を作ったのに「万願寺」として販売していることが多い。これは万願寺があまりに有名なため。なので同じ万願寺と表示されていても、ほとんど辛いものが出ない場合(新種)もあるし、それなりに出ることもある(旧種)。
●万願寺トウガラシは伏見系(伏見甘長?)のシシトウとカリフォルニア・ワンダー系のピーマンを掛け合わせて、大正前後に作り出したもの。万願寺トウガラシはピーマンっぽい味がするので、スーパーでは「万願寺ピーマン」として売られることもある。皮が肉厚。
●万願寺よりも辛くなりにくい品種を目指して、万願寺との交配種の新種の苗を作ったのに「万願寺」として販売していることが多い。これは万願寺があまりに有名なため。なので同じ万願寺と表示されていても、ほとんど辛いものが出ない場合(新種)もあるし、それなりに出ることもある(旧種)。
収穫
6月あたりから霜が降りるまで…10月あたりまで収穫できる。収穫するのは晴れた日の午前中に「清潔な手」ですること。切り口が濡れていると病気が入ってしまう。夕方に収穫すると切り口が濡れたままの時間が長く続いて良くない。実に小さな穴が空いていたら、中に虫(タバコガ)がいる。調理前、ヘタを取るときによく見て、穴が空いていたら、中を開いてチェックすること。ひどい思いをする。ピーマンは中を開いて食べるので問題ないけど。
●「清潔な手で」ってのは、そんなに気にしないでもいいとも。あくまで理想的な方法です。
●梅雨明け以降は大量に収穫できるようになる。畑だと3株で毎日10〜30個くらい食べられる。1株でも十分って人もいる。そもそもそんなに食べるものでもないし。あんまり取れすぎる場合は、多少日当たりが悪いところで栽培する。
●枝はよく折れる。収穫の時でも気をつけても、ちゃんと折れる。気にしない。脇芽かきをしたとでも自分を納得させる。
●シシトウは収穫せずに放置していると、実ができずらくなる(成熟に栄養を注ぐため)。なので収穫することが何より効果がある。大量になるため、飽きがちだが、頑張ろう。食べきれなくても実が一定の大きさになったら収穫する。
●梅雨明け以降は大量に収穫できるようになる。畑だと3株で毎日10〜30個くらい食べられる。1株でも十分って人もいる。そもそもそんなに食べるものでもないし。あんまり取れすぎる場合は、多少日当たりが悪いところで栽培する。
●枝はよく折れる。収穫の時でも気をつけても、ちゃんと折れる。気にしない。脇芽かきをしたとでも自分を納得させる。
●シシトウは収穫せずに放置していると、実ができずらくなる(成熟に栄養を注ぐため)。なので収穫することが何より効果がある。大量になるため、飽きがちだが、頑張ろう。食べきれなくても実が一定の大きさになったら収穫する。
9月の作業
冬越し?
シシトウは本来は多年草で、10度以上を保つと越冬させることも可能。越冬させると来年も収穫可能。この場合は連作障害を起こしにくい。ただ、苗はそんなに高価ではないし、冬の間の手間や、土や水の代金を考えると全くお得ではないので普通はやらない。しかし、ガーデニングが趣味ってことは、そういうコスパでやってるってことじゃないんですよね。だからガーデナーはやってしまいがち。
病害虫
病気青枯病、斑点細菌病、うどんこ病、灰色カビ病。
病気にはかかるが、株が大きくなるとほぼ病気にかからない。トウガラシで使える農薬が使える。
アザミウマ
アザミウマ(スリップス)が発生する。粘着くんで捕らえるといいかも。ただし成虫にはあまり効かない。ベストガードやモスピランが効く。
モザイク病(ウィルス)
モザイク病が発生する。モザイク状の模様が出る。感染すると治療はできないので発症したら即、引っこ抜いて廃棄しないと他の株に感染してしまう。汁を吸うアブラムシやダニ系が持ち込むので、近くの雑草を刈っておくと、それなりに予防になる。
カメムシ
カメムシに効く薬剤…ダントツ、ベストガード、アーデント、アディオンなど。
タバコガ
タバコガは最初は葉っぱを食べるだけですが、大きくなってくると実の中に入って食べる。薬剤はアディオン・アファームなどが効く。実に穴が空いているならタバコガの発生を疑う。見つけ次第対処する。
コガネムシ
コガネムシが発生する。根を切られるとあっという間に萎れてくる。爆食で被害が一気に進行するため、健康的な葉っぱが落ちたり、急にしおれるのはコガネムシを疑います。鉢なら株を水につけておくと窒息させる。
特徴・由来・伝承
シシトウと呼びますが、正式はシシトウガラシ。果実の端が獅子の顔に似ていることから獅子唐辛子と呼ばれるようになりました。夏の暑さにつよく、たくさん収穫できることから家庭菜園では割と人気。時々、非常に辛いものに当たる。スポンサーリンク