パーライト

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パーライトとは?

園芸資材で、土に混ぜて排水性(=水はけ)を高めるものとして利用されます。火山灰土を1000度で焼き締めた用土です。黒曜石系と真珠岩系と2種のパーライトがあり、黒曜石は水はけがよく、真珠岩系パーライトは保水性もあるとされます。ですが、どちらも基本的には「土の軽量化」「水はけ向上」のために利用されます。

黒曜石パーライトには根腐れ防止の性質があるため、一般的には黒曜石パーライトを多用することになります。
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共通の性質

軽量化

パーライトには小さな穴が大量に空いているため、軽量です。土が重いと鉢の移動・作業に時間・手間がかかるため、パーライトを1割〜2割でも混ぜて軽量化すると多少は楽になります。パーライトなどを入れて軽量化するのであれば、鉢も陶器ではなくてプラ鉢にしましょう。

水はけ・通気性をよくする

パーライトと土の間に隙間ができ、そこに水が通り抜けやすくなります。水だけでなく、空気も通ります。植物は根で呼吸をしているため、通気性が悪いと根腐れを起こして枯れることがあるので、パーライトを少し混ぜて通気性・水はけをよくするとよいです。

真珠岩系パーライトは粒の中に水を溜め込む性質があるのですが、それでも粒と土の間には隙間があるのですから「水と空気」が通りますので、通気性・水はけをよくする効果もあります。なんだかややこしい微妙な話なので、普通のガーデナーは黒曜石パーライトしか使わないです。

余談ですが、用土によく利用される赤玉土は、泥を乾燥させたもので、保水性と水はけを両立させ、なおかつ「安価」な土なんですが、2年か3年で経年劣化して「泥」に戻ってしまいます。パーライトは経年劣化というのはほとんどないです。

ちょっと高い

黒曜石系パーライトはイオン交換性があり、根腐れ防止効果があり便利なんですが、ちょっと高い。1000度で焼き締めるという手間がかかっているのでしょうがないんですが、気軽に大量に利用するのは気が引けます。

根腐れ防止に目をつむるならば、安価な川砂で水はけをよくしてもいいです。
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無菌・清潔

1000度で焼き締めているため、無菌で清潔も特徴。でも、この性質を生かした利用法ってあまりないかなと。たまに挿木・種まき床で、パーライトを少し入れる!ってのは見かけます。

保温

内部に穴が多くあり、空気を含むことから、鉢内部の「保温」の効果があります。特に夏に鉢内部の高温化を防ぐ効果があります…が、目に見えて効果を体感できることはないと思います。

黒曜石系パーライト

火山灰を1000度の高熱で焼き締めた作ったもののうち、黒曜石から作られた?のが黒曜石系パーライトで、内部には穴が多くあるものの、表面がツルツルしていて、丸みを帯びていて、表面には穴がないため、内部の穴の中にまでは水が入りにくく、保水性はほぼありません。よって黒曜石系パーライトを培養土に入れると水はけがよくなります。

また、水に触れるとイオン交換性があり、根腐れ防止の効果があるので、根腐れ防止のためにもよく利用されます。この辺りからゼオライトと性質がかぶっていますが、ゼオライトの方が根腐れ防止機能は高く、そして「高価」なので、主に「水はけ・通気性」を目的とした資材と考えましょう。通気性がよいので鉢底石として利用されることもできますが、鉢底石にするには単価が高いのでそれはちょっと厳しい。

水を吸わず、軽量なため、水に浮きやすく、黒曜石系パーライトの分量が多いと水をやると浮き上がってくることもありますので、全体の1割〜2割程度以上は入れないようにします。
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真珠岩パーライト

真珠岩を1000度で焼き締めて作ったパーライトで、岩の内部の水分が熱で噴出し、粒の表面に穴が空いているため、表面がざらざらしています。この穴を通じて、粒の内部に水が入り込み、保水します。黒曜石系パーライトが「水はけ」をよくする土壌改良剤なのに対して、真珠岩系パーライトは保水の性質もあります。

水はけが悪い土に混ぜ込んで利用するとされ、たとえば、山野草系植物などで、通気性・水はけの良い土じゃないといけないのだけど、あまりに水はけが良すぎて水やり頻度が多すぎて困る!ってときなどに利用します。つまり、かなり「上級者向け」の資材といえます。

普通は黒曜石系パーライトを土壌改良剤として利用します。もしも真珠岩系を買ってしまった場合は、真っ白なので化粧砂として利用するといいです。ちなみに化粧砂として株下を覆うと、コガネムシの幼虫の発生を抑えるとされています。
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パーライトとコガネムシ

パーライトがコガネムシ忌避の効果があるという話がありますが、これは土の表面をパーライトで覆うことで、コガネムシの成虫が土中に卵を産みつけづらいということで、パーライトの成分が忌避するのではないです。つまり物理的にブロックしているだけ!なので真珠岩でも黒曜石系でも同じことです。よって培養土に混ぜてもコガネムシの幼虫は予防できません。あくまで株元の土の表面を覆うことで予防するだけです。

害虫予防を狙うのであれば、オルトランなどの薬剤を土に入れた方がずっと現実的に効果があります。

使用上の注意点

パーライトの粉塵を吸い込むと、じん肺症になる可能性があります。じん肺症は気管・肺に粉塵が付着して発生する病気です。購入する際は、異様に安い商品は避けて、使用の際はマスクをして吸い込まないようにした方がいいです。

水やりをすると浮いてくる

パーライトは軽すぎて、水やりをすると土の表面まで浮き上がり、それがみっともないと嫌がる人もいます。
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