キウイの剪定と新芽かきと接木

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キウイの剪定・新芽かき・接木

このページではキウイやサルナシといったマタタビ科マタタビ属の剪定についてまとめています。剪定・新芽かき以外の育て方は を参考にしてください。

キウイ(雌株)の冬の剪定

時期

剪定は落葉している時期のうちの1月〜2月に行います。2月下旬以降に剪定をすると、すでに活動を始めているために、切口から樹液が出てきて病気になりやすいので2月中旬までに済まします。12月でも構いませんが、様子を見てください。

時期外れに剪定してみて、樹液が出てくるようなら、枝を折って樹液が出ないようにして放置しておいて樹液が止まる1月〜2月に剪定します。

冬剪定した上で、4月以降の新芽を間引いて、それでやっと枝を制御できるわけです。どの程度の剪定をするのかは、何度か剪定しつつ、消費量との兼ね合いを考えつつ掴んでいきましょう。

剪定で目指す形

剪定で目指す形
イラストはかなり簡略化していて、実際のキウイの枝はもっと乱れたものになります。土から出ている主幹が棚に登って、そこから背骨と肋骨のように広がっていくように仕立てていきます。

冬の剪定は、春〜夏にのびた枝を、イラストのような「背骨と肋骨」に近い状態に戻すことです。伸ばし放題にしていると、枝葉が伸びすぎて、実がならないというのもありますが、伸ばし放題にするとすぐに棚にいっぱいになってしまうので、これを避けるためには毎年、切り詰める必要があります。
まずは肋骨部分から伸びている枝のうち、主幹から近いもので勢いのよいものを残します。基本的には一本だけを残します。切るときは手ノコギリが必要です。
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主幹から近いものを選ぶのは、棚の端までできるだけ到達しないようにするためです。勢いのよいものを選ぶのは実がつきやすいものを選びたいからです。
残した枝を3芽〜5芽を残して切ります。もしくは8芽〜10芽を残して切ります。去年、果実をつけた枝は3芽〜5芽は枝が出ても、細く弱いため、8〜10芽残し、なおかつ3芽あたりに間を空けて数カ所、ハサミで深さ1mmほどの傷をつけます。これで幹に近い部分からも太い枝が出やすくなります。

黄色系などツルの近くでも枝がよく出て実ができる品種もあり、そういうものは短く切り戻してもいいですが、よくわからない場合は短く切り戻さない方が無難です。

徒長枝について

徒長枝とは妙に勢いのいい枝のことで、勢いが良すぎて徒長枝に栄養を取られがちです。それに徒長枝には実はつきづらいので切ってしまいます。徒長枝を放置していると栄養を奪われて実が減ってしまうこともあります。

ただ、枝が少ない場合や、枝の更新をしたい場合は残すのも手です。その場合は10芽〜15芽を残して先を切り戻してください。

枝の更新

枝の更新
上のイラストの「肋骨」部分も毎年、少しづつ伸びていき、大きくなりすぎてしまいます。そこで、大きくなる前に「新しい枝」に更新してしまいます。別の肋骨に乗り換えるわけです。

古い肋骨は切ってしまい、新しい肋骨を伸ばします。そのためには主幹から伸びている枝を計画的に残して、乗り換える必要があります。

誘引する

剪定が終わったら、残った枝を棚に縛っておきます。この時、紐は針金ではなくて、麻紐やビニール紐がいいです。ハサミで簡単に切れるからです。また、麻紐だと燃えるゴミ・剪定枝で一緒に出せる(自治体にもよるけど)ので、切った後の処理も楽です。

株のリセット?

枝がひどく伸びて邪魔になったら、リセットする。主幹と太い枝を何本か残して後は切る。翌年に枝が伸びるが収穫はなくなってしまいます。でも、2年か3年後には収穫はできますし、キウイは繁殖力が強く、バッサリ刈り込んだくらいでは枯れることはないです。伸ばして管理しきれないのは困るので、こういう手法もあると知っておいて損はないです。

キウイ栽培としての寿命は30年くらいで、徐々に幹が空洞化してしまう。倒れる前に伐採しましょう。個人による伐採が難しいようなら業者に依頼しましょう。

雄株の冬の剪定

雄木の冬の剪定は、不要な邪魔な枝を簡単に落とす程度にし、それ以上は落とさない。花が咲いた後…必要な花粉を採取したら5月に本格的な剪定(枝の剪定+芽かき)をする。まるで役割が終わったらお役御免とでも言うみたいにバッサリといきます。

冬に強い剪定をすると開花の時期がメスとずれたり、開花が極端に少なくなるからです。

キウイ(雌株)の新芽かき

時期

時期
春(4月)になると脇芽が出てきます。この脇芽が全て伸びて、大きく育つと枝が伸びすぎて、花が咲かず、結実もしなくなります。キウイは新芽が出やすい植物ですので、適当に間引いて枝が伸びないようにします。新芽の間引きは4月だけでなく、6月にも行うか、8月まで随時継続して行います。

手順

勢いが強すぎる枝・ツボミがまったくない枝・弱い枝・込み合った邪魔な枝を間引いてしまいます。丁度いい勢いの枝を残す…というよりは株に対して「適した枝数」を残します。なにが丁度いいのかは株(と環境)によって違いますので、答えはありません。何度か剪定しつつ、果実の大きさと収穫量を考えて、調節して、あなたとあなたの果樹との間で適切な答えを作っていきましょう。

どうにも実が小さいなぁと思ったら枝数が多いと考える。

台木からツルが伸びたら、速攻で切る。これはキウイなどの「目的の果樹」ではなく、接木している植物より繁殖力が強いため、そちらに栄養を取られてしまいます。太い枝で切って樹液が出るようなら、先を折って成長を止めて、1月2月あたりの活動が止まった時期に根元から切ります。

メス木にオス木を接木する

メス木の枝にオスの枝を接木すると、1株で雄花と雌花があって便利。苗を植えて2年か3年は実がつかないので接木に挑戦して損はない。

接木は1月2月に行う。もしくは7月に入って新枝が硬くなってから。場所によっては1月2月は風が強くてできないです。

雌株の枝を切って割り、そこに雄株の枝を合致するように切って差し込んで、接木テープで巻きます。テープでしっかりと巻けば大抵はうまくいきます。難しくなく、成功率は高い。それに雌木に雄木をつぐのはリスクが少なくて、メリットの方が大きいですよ。
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