ゴールドクレストが枯れる原因と対処法のまとめ

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ゴールドクレストが枯れる原因と対処法のまとめ

ゴールドクレストはお花屋さんやホームセンターでよく見かけるコニファー野仲間。でも、よく枯らすんですよね。ここではゴールドクレストの枯れる原因についてまとめています。ゴールドクレスト・ウィルマの育て方(用土・植え付け・水やり・肥料などの詳細)はそちらで。

夏の暑さに弱く、冬の寒さにも強くないから枯れる

ゴールドクレストって、花屋さんやホームセンターで冬に見かけるんですよね。クリスマスのツリー感覚でよく出回っています。ゴールドクレスト自体は季節は本来は関係ない植物なのに、どうして冬に見かけるのかと言うと、その頃、元気だから!なんですが、これが大きな落とし穴なんですよ。

ゴールドクレストは夏の暑さ・蒸れに弱い

ゴールドクレストは夏の暑さ・蒸れに弱い
ゴールドクレストが自生する地域であるカリフォルニアのあたりは、日本に比べると、夏は涼しくてカラっとしていて、冬はそこそこ暖かくていのです。日本の気候と逆なんですよね。

だからゴールドクレストは日本の気候に弱い…特に夏に弱いのです。夏の暑さよりは「蒸れ」に弱いんです。蒸れて葉っぱが茶色になって枯れこむということがよくあるのですね。特に葉っぱが密生している「ゴールドクレスト・ウィルマ」は尚更。また、暖地の夏はかなり厳しい。夏越しが出来たとしても、(表面的には分からなくても)株自体がダメージを受けてしまいます。

で、夏は厳しい反面、冬は元気がいい。なので暖地や中間地では冬によく見かける植物なんです(ただし寒冷地では戸外で冬は越せない)。

生垣にすると…

生垣にするために密生させると蒸れて枯れる。しかし密生させないとスカスカで生垣にならない。ゴールドクレストって生垣に適していないのに、よく植えられているんですよね。

ゴールドクレストは本来10m以上に育つもので、生垣に植える際に「どのくらいの株間で植えたらいいか?」もハッキリしないんですよね。間を詰めると、蒸れる。大きくなると前提して間を空けると、スカスカになるし、そもそも気候が合わないことも十分あるし…

蒸れを予防するには?

夏の蒸れの予防は「風通し」です。風が通る場所に植えるようにします。また、枝を間引き、幹の内部の葉っぱをさばいて風通しよくする。葉っぱをむしる場合は「手」でむしるといいです。金属のハサミできると、切り口が大きく、茶色が目立ちます。

冬の寒さにも強くない

…で、ゴールドクレストは冬が適しているかというと、そうでもない。ゴールドクレストは針葉樹ですからパっと見には寒さに強そうに見えるんですけど、そうじゃないんです。

ゴールドクレストは元々はアメリカのカリフォルニアに自生する「モントレーイトスギ」の品種改良で生まれたもの。カリフォルニアの冬は温暖で平均気温15度。10度以下にはならない。ゴールドクレストが冬の寒さに強いわけがないんですよ。

0度以下の気温が続くと傷んで枯れてしまいます(すぐには枯れないのがミソ)。だから、寒冷地では冬を越せない。寒冷地で育てるならば冬は室内に取り込んでしまいましょう。つまり、暖地では夏が厳しい、寒冷地では冬が厳しい……なんともややこしいというか面倒な性質なんですよね。

ゴールドクレストは大きくなったら、倒壊の可能性もある

イヤイヤ、ちゃんと育ってる家もあるよ!と、思った人もいるでしょう。近所にゴールドクレストが育っていて、「じゃあ、うちの地域は大丈夫なんじゃ…」と。

夏の蒸れをどうにかクリアして、冬の寒さもまぁ、どうにかなる!そんな地域もあって、戸外で大きく育つこともあります。そういう立派に育ったゴールドクレストを見たことあるんじゃないでしょうか。でも、問題は気候だけじゃないんです。

根が浅いから

実はゴールドクレストは地上部の大きさに対して根が浅いために、大きく育つほどに横風・強風に当たるとゴールドクレストが倒れやすいのです。倒れてしまえば当然枯れる。最悪の場合、建物に倒れたり、人を巻き込んだりして、何か大きな事故・被害になるかもしれません。

ゴールドクレストが大きく育ったら「伐採」という選択肢も考えるべきです。

倒壊の対応策は?

倒壊の対応策は?
ゴールドクレストの根の上にレンガなどを置くことで倒壊が防げる?らしいですが、絶対とは言えないですよね。

大きくなりすぎないように、小さく刈ることで、風が当たる面積を小さくまとめればいい。高さはできれば2m〜3mまでにしておきましょう。詳細は近所の造園・エクステリア業者に相談してみましょう。伸ばし放題に上へ上へと伸びていけば、いずれは台風で倒壊するのは当然です。

根が浅いことから来る別の問題

お店でゴールドクレストの鉢を買った時に「鉢が小さいな」と思いませんでしたか? ゴールドクレストは地上部に対して根が浅いのです。根の範囲が狭くても育つんですね。だから鉢が小さくても大丈夫。デザイン上は鉢が小さい方が見た目がいいってのもありますし、土が多いと根腐れも起きやすくなるので、店頭の鉢の大きさはある意味で適切なんですよ。
●根が浅いので鉢植えでも、そこそこ大きくなれる!ってメリットでもあるんですよね。

乾燥に弱い

ゴールドクレストは根が浅いのです。根が地表の浅い部分にしか伸ばさないのですね。普通、樹木は根っこを深くまで伸ばして、そこから水を吸い上げるものなのに、ゴールドクレストは違う。なので、樹木の割に乾燥に弱いんです。普通、樹木って庭植えしたら水やりってほぼ不要なんですよ。だけど、ゴールドクレストはちょっと不足します。
●冷暖房の風は乾燥していて、冷暖房の風に直接当たっていると葉っぱが乾燥で枯れ込んできます。風が当たらない場所に移動し、不足する場合は、霧吹きをしてあげてください。

根詰まりに注意

鉢植えにしていると、鉢底から根がはみ出してきます。根が鉢いっぱいに広がった状態で「根詰まり」とよく言います。根詰まりになると、鉢の中に水が残らず、すぐに乾燥状態になったり、逆に蒸れて根が腐る原因になったり、また、根が広がらないということは、ゴールドクレストの生育も鈍くなるということです。

これは1号か2号ほど大きな鉢に植え替えることで解決します。

移植はできない

ゴールドクレストは根が傷つくと生育不良を起こして枯れてしまいます。なので一度庭植えにしたら植え替えることはできません。植える前によく考えてからにしましょう。

また、鉢植えの場合で植え替えるときは土を落とさないようにします。落とすと根が傷ついて生育不良を起こします。となると、植え替えのたびに1号か2号ほど大きな鉢に植え替えていくことになり、どこかで限界が来ます。
●ゴールドクレストは庭植えにした直後に枯れることも多い。植え付けの時に根が傷ついているのが原因。

病害虫の理由で枯れる

ハダニ
ハダニで枯れるってわけじゃないんですが、株は弱りやすいです。ハダニは乾燥すると発生します。夏の高温の時に発生するので、このとき、葉っぱに水をかけてやるとハダニは予防できます。しかし、ただ水をやると蒸れて葉っぱが枯れてしまいます。大事なのは風通しを良くすること、枝をさばいて、内部にも風が通るようにすることでハダニも予防できます。
●ハダニが発生したら、ハダニ殺虫剤を撒きましょう。上に書いたのはあくまで「予防」です。


カイガラムシ
カイガラムシで枯れるってほどではないのですが、カイガラムシが発生すると、その排泄物でスス病も発生するかもしれません。スス病は黒いカビで発生すると見た目が悪いです。定期的に薬剤をまいて予防しましょう。

コガネムシ
コガネムシの幼虫が根を食べる。ゴールドクレストって根が浅いのに、その上、根を食べられると枯れやすいし、倒壊しやすい。傾いていたので、引っこ抜いたらほとんど根が無かった〜ってことはよくあります。ダイアジノンを定期的に散布して駆除するといいです。

とにかく葉っぱが下から枯れる

ゴールドクレストは複数の病原菌から葉っぱが枯れ込んできます。よくあるのが、「泥が跳ねて葉っぱについて」というもの。泥から病原菌が移ってしまいます。株元にバーク(=木片)を株元に敷いて泥はねを防ぎましょう。
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治療法はありませんので、傷んだ葉っぱはむしりとります。予防で一番いいのは、室内で育てること。また、「健康的」に育てること。害虫も病気もゴールドクレストが健康ならば発症する確率は下がります。そもそも日本の気候に合ってないのがそもそもそもの原因なので、庭植えする限りは完全に予防することはできないんです。
●雨が降る→泥になる→泥ハネする→泥の中の病原菌がゴールドクレストに入り込む→下葉から枯れてくる。よって雨が多い日本ではある程度は発生するもの。
●出身地のカリフォルニアは雨が少ない地域です。

最後に…

ゴールドクレストは、短い期間で室内や庭を飾るのであればかなり便利なものなんですが、長期的な栽培は厳しいので、姿は似ているが、庭植えでも育てやすいゴールドライダーや、日本に自生しているニオイヒバの仲間がおすすめです。
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