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植え替えの目的
根詰まりを防ぐ

植物は葉枝を出すのに対応して、根を伸ばしています。つまり、根を出す隙間がない根詰まりの状態になると、葉茎が伸びなくなり、生育不良を起こします。さらに根詰まりが進むと、根が圧迫され機能しなくなったり、植物によっては逆に鉢を割ることもあります。
また、植物が根を張ると、土の間に根が入り込みます。本来、健康的な土はこの「土の間」に水を溜め込みます。根が詰まるとここに水が溜められなくなります。ということは、水もちが悪くなり、水切れがおきやすくなります。
この根詰まりを解消するのが植え替えの第一の目的です。
土の劣化
生育が鈍い植物は、根詰まりを起こすほどに根が伸びませんが、それでも植え替えをしなくてはいけません。なぜかというと、培養土によく利用される赤玉土がおおよそ2年〜3年で劣化するからです。赤玉土は土を固めたものです。これが時間とともに劣化し、崩れて、泥になって水はけが悪くなって根腐れの原因となったり、泥になって鉢の底から流れ出て、土が減り、根を伸ばす土がなくなって根詰まりしてしまいます。根腐れと根詰まりって全然違う原因のような気がしますが、原因は赤玉土の劣化です。植え替えをして土を入れ替えて予防します。
●赤玉土は劣化するため、劣化しにくい軽石の日向土を代わりに使うといいです。
有機物が不足する
土に含まれていた有機物(腐葉土や堆肥など)が消費されて不足状態になります。これが主原因で植え替えることはほとんどないですけどね。雑菌・虫の繁殖

よくあるのはコガネムシの幼虫が住んで根を食べたことで調子を崩すパターン。株を取り出して土を崩すと、ポロっと出てきて犯人が判明する。
植え替えの基礎知識
直根性かいなか草植物の中には、一本太い根っこにちょろっと細かい根が生えているだけのものがあります。これを直根性といいます。大根とかゴボウのような感じです。この直根性は太い根が傷つくと途端に生育不良を起こします。傷というのがちょっとした傷でもNGですから、丁寧に植え替えないと枯れます。そういうものは移植不可という書き方をします。
直根性の植え替え
直根性の植物も植え替えをしないといけません。その場合は、古い鉢から引っこ抜いたら、根に付いた土を落とさずに新しい鉢に植え替えをします。新しい鉢は古い鉢より一回り大きなものを用意しましょう。
根と地上部の関係

根がよく生育するものは、植え替えのときに根を少し切ります。すると新しい元気な根が生えてきて、植え替え後の復活が早くなります。これは植物によります。気をつけましょう。
根の負担を減らすために地上部を減らす
植え替えはそもそも植物にとってストレスです。植え替え自体がリフレッシュなことで、無条件で植物にとって良いことだと思っている人が多いですが、そんなことありません。植え替えを機会に枯れることはよくあります。
そこで生育が鈍い植物は、植え替えのときに地上部の枝葉を落として、根の負担を減らします。
植え替えの手順
あくまで一般的な手順です。古い鉢から土ごと植物を引っ張り出します。
足でゴンゴンと蹴って揺さぶると、隙間が出来て徐々に緩んで抜けやすくなります。あまりに抜けない場合は鉢をハンマーなどで叩き割ることもあります。
根から古い土を落とします。
古い土には虫や雑菌などが居ますので出来るだけ落とします。ふるい落とすだけで大抵は大丈夫です。大体は三分の一〜半分を落とします。直根性の場合は土を落とさないで植え替えをします。
新しい鉢の底に軽石を置きます
これは鉢底から土が流れ出ないようにするためのものです。
軽石の上にまず、新しい土を敷き、その上に植物を置き、土を周りから詰めていきます。
軽く土を抑えることで、根と土が密着して馴染みやすくなります。でも、あまり土を押さえつけて根を傷つけないようにしましょう。
最後にしっかりと水をやる
水をやることで、土と根が密着して、馴染んで新しい根が出やすくなります。水をやらないと根が出ず、調子がなかなか戻りません。ただ、多肉植物の中には水をやると腐るものもあるので注意してください。
より詳細な解説は
を参考にしてください。
植え替えの時期
観葉植物の場合は最低気温が15度以上になる5月から9月あたり。最適なのは4月から5月の植物が芽吹く前くらい。樹木の場合は落葉している時期に行います。
花が咲いているときは基本的に植え替えはしません。花にエネルギーを使っているので植え替えのストレスに耐え切れず傷んでしまったり、枯れることもあります。
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