マルチング…目的と素材の解説

TOP > ガーデニング基礎知識(中級編) 最終更新【
スポンサーリンク

マルチングとは

マルチングは作物の根本をビニールなどで覆って蒸発を防いだり、防寒したり、雑草の発生を防ぐことです。園芸・家庭菜園ではオーソドックスなテクニックです。このページではマルチングのメリットとデメリット、マルチングに使われる素材についてまとめています。

メリットと目的

蒸発を防ぐ

乾燥に弱い植物にマルチングをして、水切れを防ぐという目的もありますが、蒸発を防いで「水やりの手間を減らす」という目的もあります。

防寒

防寒といっても、暖かい地方の植物・野菜で4月〜5月の地温では枯れたり、生育不良を起こすので、マルチングをして地温を上げるという目的もありますし、冬に凍結と霜柱を予防するためのものもあります。

雑草を防ぐ

マルチングをすることで雑草が生えにくくする効果があります。雑草が生えないということは、肥料・水・日光を雑草に取られず、生育不良を起こしにくく、また雑草から病害虫がやってくるので、病害虫の予防にもなります。

泥ハネを防ぐ(病気予防)

泥の中には菌が住んでいて、これが雨や水やりで泥になって跳ねて、葉っぱに付着すると病気になり、葉っぱが枯れ込んできます。これを防ぐために、マルチングをするといいです。よくコニファーなどの株元にバークチップを敷き詰めているのは泥ハネ予防しつつ、かっこいいからです。

デメリット

土の状態が分かりづらい

水が足りているのか、水が十分なのか?がよくわからず、根腐れしたり水切れさせる要因となりやすいです。マルチング材を時々取り除いて、土の状態を確認するといいです。

アルカリ性になりがち

ビニールマルチで覆うと、土に雨が当たりにくくなり、土が酸性になりにくくなります。なのに毎年、苦土石灰を入れていると、土壌がアルカリ性に傾きます。ほとんどの植物はアルカリ性が苦手で生育できませんから、どうにも育たない…ってことがあります。

これは毎年、苦土石灰を混ぜる前に土壌のpHを計測してから判断すれば予防できます。
土壌酸度計の商品画像
土壌酸度計の購入はこちら

蒸れることもある

マルチングはメリットが多くあるんですが、マルチングをすることで根が蒸れたり、根の呼吸がしにくくなって調子が悪くなることもあります。過湿が苦手な植物は様子を見て、マルチングをやめることも考えましょう。

素材

腐葉土・落葉

市販されている腐葉土や落葉でマルチングをすることが出来ます。防寒・蒸発を防ぐ・真夏に根の温度が上がり過ぎないようにすることが出来ます。腐葉土はビニールなどと違ってそのまま分解され土壌改良にも役立ちます。

しかし、デメリットしてコガネムシの幼虫を呼ぶということがあります。真夏に根の高温を防ぐ為にマルチング材として腐葉土が使われることがあるのですが、これが虫を呼び寄せて結果的に他の植物の根も食べられるという二次災害になることも。その場合はダイアジノンなどの対応の薬剤で駆除します。
腐葉土の商品画像
腐葉土の購入はこちら
ダイアジノンの商品画像
ダイアジノンの購入はこちら
腐葉土の作り方は以下のページを参考にしてください。

ワラ

ワラは腐葉土と同じように防寒・蒸発を防ぐなどに利用されます。そのまま腐食すれば土に漉き込んでもいいですが、ワラって腐食しづらいです。スイカメロンといったツル性の植物の場合、ワラに絡みつかせるという使い方をすることもあります。
敷きワラの商品画像
敷きワラの購入はこちら

バークチップ

バークチップは木の破片で、植物の株元に敷き詰めてマルチングにすると、非常にかっこいいです。さすがにバークチップは腐食しないので、見た目が大事な場合にのみ使います。室内用の観葉植物の土を隠すのにも使います。

バークチップでマルチングすると蒸発も抑えられる上、土の濡れ具合が分かりにくく、確認しにくいため根腐れしやすいので、水やりの頻度を減らして対応しましょう。
バークチップの商品画像
バークチップの購入はこちら

ベラポン・ココピート

ベラポン・ココピートってのはヤシの繊維を加工したもので、最近はよく観葉植物の株元を隠すのにも見られます。バークチップ同様に、マルチングをすることで土が湿った状態が長く続き、根腐れしやすくなるため、その辺りを理解した上で水やりを控えるようにしたいです。

根腐れ防止のためにゼオライトを土に混ぜておくことで予防できますが、基本的には水やりの頻度を見直して調節しましょう。
ベラポンの商品画像
ベラポンの購入はこちら
ココピートの商品画像
ココピートの購入はこちら

ビニールマルチ

ビニールで覆う方法です。よく畑で見かけるビニールのこと。地温を上げる・雑草が生えない・蒸発が防げるといったメリットが大きいですが、追肥が出来ない(しにくい)、ゴミが発生する、という問題もあります。農地で畑栽培ならビニールマルチは基本です。

黒や白があり、黒は夏場に地温が上がりすぎて根を傷めることがあります。

畝をつくり、ビニールマルチを張って、ピンで押さえます。狭い範囲であれば、ゴミ袋でも代用できます。
園芸マルチの商品画像
園芸マルチの購入はこちら
マルチ押さえピンの商品画像
マルチ押さえピンの購入はこちら

グランドカバー

ガーデニングの場合、蒸発を防ぎ、雑草を防ぐのであればリュウノヒゲなどのグランドカバーを植えることで同様の成果を得られます。もちろん作物を収穫するところに植えると邪魔ですけど。

最後に…

マルチングは園芸・菜園の基本的なテクニックで、適切に使えば病害虫の予防になったり、手間を軽減できます。うまく使いこなして、ガーデニングを楽にしていきましょう。
スポンサーリンク

関連する花BBSの投稿

スポンサーリンク