バラ栽培の専門用語

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バラ栽培の用語まとめ

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★病害虫とその薬剤の一覧・まとめ
★咲き方のタイプ別まとめ

専門用語

シュート(新梢)

勢いの良い一年目の枝のこと。
バラ栽培でシュートは大事なもので、今年伸びたシュートが来年以降開花する。また、新しいシュートが出ることで古い枝は弱り開花が鈍くなり、徐々に枯れ込むので、古い枝を切って株全体の更新を行う。
●シュートは植え付けて数年は出てくるが、徐々に出にくくなるのが普通。ただし品種によっては株が大きく育ってからも出てくる。
●土中の根から出たシュートのことをサッカーと呼ぶ。

ベーサルシュート

株元近くから出ているシュートのこと。単にシュートを書いてあったら基本的にはベーサルシュートのこと。

サイドシュート

枝から出ている勢いのあるシュートのこと。

木バラ(ブッシュローズ)

枝が直立するものを木バラ(ブッシュローズ)と呼ぶ。壁によりかかるツルバラや木バラ(ブッシュローズ)とツルバラ(クライミングローズ)の中間にあたるものが半ツルバラ(シュラブローズ)がある。

直立性

枝が上へと伸びる性質の樹形。木バラ(ブッシュローズ)のほとんどが直立性にあたる。本来は「直立性≠木バラ(ブッシュローズ)」だが、実質、「直立性=木バラ(ブッシュローズ)」で扱われがち。
対義語は横張り性。

横張り性

枝が斜め上に伸びる樹形。半横張りは直立性の中間。

葉腋(ヨウエキ)

葉っぱの根本で、ここから新芽が出る。葉腋を残すように剪定する。

ふところ枝

内側にのびた枝のこと。枝には複数の新芽がつく。冬剪定の時に外側の芽の上で切るため、普通は枝は外側へと伸びていくものだが、意図に反して内側に伸びることもある。それがふところ枝。

ブラインド

ツボミをつけない枝のことを「ブラインド」と呼ぶ。原因はハッキリしないが、摘芯(ピンチ)して脇芽を出させると開花する。バラは5月に開花するが4月にはもうツボミは出揃っている。4月に他の枝にツボミがついているのに、一切ついていない枝はブラインドと判断して差し支えない。早めに枝先を摘芯すると春のうちに開花する、かも(種類にもよる)。

芽かき

一箇所から複数の芽が出ている場合、元気の良い芽を一つ残して他のものを「かき取って」しまうこと。

育種

新しいバラを作るために交配させること。

交配

オシベとメシベを合わせて受粉させること。

枝変わり

植物ではひとつの株の中で、突然変異のために花色や性質が違うものが出ることがある。これを枝変わりという。ピンクの花の中に黄色の花が突然変異で咲くなどある。この黄色い花が咲いた枝を挿木すると株が増やせる。こうして枝変わり品種が作られる。

実生(ミショウ)

種子から芽を出すこと。バラ栽培では品種改良での交配でやるくらいで、普通は接木で不安。

丸弁

花弁の形が丸いもの。というか普通の花びら。
★咲き方のタイプ別まとめ

剣弁

花弁の先が尖っているもの。
★咲き方のタイプ別まとめ

半剣弁

先の尖った花弁の剣弁と丸い花弁の丸弁の中間。
★咲き方のタイプ別まとめ

波状弁

波打ったような花びらのこと。
★咲き方のタイプ別まとめ

高芯咲き

中心部分が盛り上がっている咲き方。モダンローズ(ハイブリッドティー)の特徴で、切り花のバラはほぼコレ。
★咲き方のタイプ別まとめ

一番花

春から初夏の開花時期に最初に咲く花のこと。一季咲きではこの一番花で今年の開花はおしまいで、あとの時期は枝葉が伸びる。

二番花・三番花・四番花

一番花を花ガラ剪定すると、次に開花する。これを二番花と呼ぶ。この後も花ガラ剪定を繰り返すと三番花、四番花と開花する。花ガラ剪定で深く切り戻すと次の開花は遅くなるが、花は大きくなる傾向がある。

一季咲き

バラの場合は春から初夏の開花時期に一回開花してお終いのこと。それ以降は開花しないか、開花しても鈍い。何度も開花しないが、最初の開花(=一番花)が非常に旺盛。

四季咲き

一季咲きが春から初夏に一回開花するのに対して、四季咲きは一定の条件(気温が18度から25度など)を満たせば開花する。開花後に花ガラ剪定をすると条件さえ満たしていれば必ず一ヶ月半後に開花する。四季咲きはここが特徴で返り咲き・繰り返し咲きとは決定的に違う部分。
四季咲きというネーミングだと冬も開花しそうだが、冬は休眠しているので開花はない。ちなみに温室で育てると一年中開花させることも可能。
●細かいことを言えば一季咲→返り咲き→繰り返し咲→四季咲きの順で開花数が多くなる。
●四季咲き性はツルが伸びて樹高が高くなると失われるため、四季咲き=木立性(ブッシュ樹形)と考えて差し支えない。四季咲きは四季咲きになるように冬剪定でしっかりと切り戻して高さを抑える必要がある。

返り咲き

春に開花した後に、再度開花すること。厳密に言うと「もう一回だけ開花する」ことになるが、何度も「繰り返し咲き」する意味もコミコミ。四季咲きと同じ意味合いで使われることが多い(本来は違う意味だが区別がついていない感じ)。
●細かいことを言えば一季咲→返り咲き→繰り返し咲き→四季咲きの順で開花数が多くなる。

繰り返し咲き

繰り返して返り咲きすること。細かいことを言えば「返り咲き」は「一回だけ」で「繰り返し咲き」は「何度も返り咲き」すること。細かいことを言えば一季咲→返り咲き→繰り返し咲→四季咲きの順で開花数が多くなる。繰り返し咲きって言葉はあんまり聞かない。

抱え咲き

花が開いても中心部分の芯が巻いている咲き方。

摘芯(テキシン)・ピンチ

枝の先を切って成長を止める。すると脇枝が出て枝葉が増える。園芸ではよくやるテクニック。

側蕾(ソクライ)

ハイブリッドティーは一つの枝に花を一つ開花させる。実際には一つの枝に一つのツボミだけがつくのではなく、複数つく。一番高い位置についたツボミ以外は小さいうちに取り除くことで、一輪を大きく育てる。この一番高い位置のツボミ以外のツボミを「側蕾」と呼ぶ。側蕾を摘むことを摘蕾(テキライ)と呼ぶ。

照り葉(テリバ)

ワックスをかけたようにピカピカの葉っぱのこと。品種によっては照り葉のものがある。

複色(フクショク)

二色の花色が一つの花に出るもの。 

絞り(シボリ)

複色のうち、花びらの中に縦に色が入るもの。

覆輪(フクリン)

花弁の縁(フチ)に違う色が入るもの。覆輪の内、覆輪の幅が細いものを「糸覆輪」と呼ぶ。

ダブルセンター

バラの中心部分が二つないし、三つ以上出ること。原因は肥料過多とされるが、実際のところはよくわからない。ダブルセンターになりやすい品種がある。

色変わり

咲き始めから咲き終わりの間に花色が変わること。なんて書くと花が劇的に変化する感じがするが、実際は退色(=色落ち)しているだけのことが多い。

ラクサ

ロサ・ラクサのこと。イングリッシュローズなどの苗ではラクサを台木にすることが多い。日本でつくるとノイバラが多い。台木によって病気耐性(癌腫病に強い?)・花色・生育速度(ラクサの方が生育速度が遅いがコンパクトに育ち鉢植えに適している)に違いがあり、ラクサの方が好まれる。

新苗(一年生苗)

秋か冬に台木に接木して春に売り出した苗。切り接ぎ苗と芽接ぎ苗がある。
★新苗・大苗(二年生苗)・鉢苗の違い

切り接ぎ苗

台木にバラの枝を接木した新苗のこと。1月から2月に接木される。
★新苗・大苗(二年生苗)・鉢苗の違い

芽接ぎ苗

台木にバラの芽を接木した新苗のこと。9月に接木される。
★新苗・大苗(二年生苗)・鉢苗の違い

大苗(二年生苗)

新苗を植え付けて一年栽培したもの。11月から2月に出回る。花も葉っぱもない。大苗のうち、枝を切っていないものは長尺苗。
★新苗・大苗(二年生苗)・鉢苗の違い

長尺苗

大苗は枝を切り、葉っぱがない状態で出荷される。長尺苗は枝葉を切っていない大苗のこと。大苗より高価。長尺苗はカットされていないため1m以上のものもあり、輸送が大変なため流通は少ない。

鉢苗

新苗を鉢に植え付けたもの。春以降に出回る。葉っぱがあり、時期によっては花も咲いているので、初心者はこれを植えるといい。
★新苗・大苗(二年生苗)・鉢苗の違い

台芽

バラは接木しているのが普通。この台木にノイバラが利用される。この台木から芽が出てくるのが「台芽」。台芽の枝の方が生育がよく、栄養を取ってしまい、接木した枝の生育が疎外されるため、葉っぱの様子を見て確認して速攻で取り除く。

栽培

忌地・嫌地(イヤチ・イヤヂ)

イヤチ・イヤヂと読む。バラが育ちにくい土地のこと。バラ科の植物を植え続けるとバラの生育が悪いことがある。原因はハッキリしないが、バラから出た成分が原因とも、土の細菌が偏ったとも、肥料が偏ったためとも言われる。バラを植える土を深さ60cm直径60cm掘り返して、土を取り換えることで避けられる。

中耕(チュウコウ)

バラは水を欲しがる。そのため土が固まりやすい。土が固まると水が染みにくくなり、空気が通りにくくなる。そこで株の周囲を定期的に深さ10cmから15cmほど耕す必要がある。これを中耕と呼ぶ。鉢植えの場合は竹串で表面を突き刺し中耕をする。

栄養成長

葉っぱや枝が成長すること。この時期の肥料を「葉肥」と呼ぶ。

開花成長(生殖成長)

開花するための成長(花芽分化・開花・結実)を「開花成長(生殖成長)」と呼ぶ。

マルチング

株の周囲を腐葉土・ワラ・バークなどで覆う。目的は色々とある。一つは泥はね予防、一つは乾燥対策、一つは霜柱の発生、一つは凍結防止など。バラ栽培で最大の問題になる黒星病は土中に潜んでいて、これが雨や水やりのときの泥はねで葉っぱについて感染するので、マルチングをして泥はねを防ぐのが予防になる。

オールドローズ

モダンローズが登場する以前に栽培されていた品種。「O」「OR」と略される。花びらが多く、丸みを帯びていて、ロゼット咲が多く、香りが強く、一季咲きが多い。

モダンローズ

それまで栽培されていたオールドローズが丸みを帯びているのに対して中心部分が盛り上がっている高芯咲のバラが多い。現在流通しているバラは基本的にはモダンローズ。大きく分けるとオールドローズとモダンローズに分けられるが、最近はモダンローズの中にオールドローズ風のものもあり、「オールドローズとモダンローズ」という分け方が全く一般的じゃない。

ハイブリットティーローズ

モダンローズの1系統。HTと略される。ハイブリッドパーペチュアルとティーローズの交配から生まれたのでハイブリッドティーの名前をつけられた。四季咲きで大輪で一枝に一輪つける傾向がある。剣弁で高芯咲きが多い。寒さに強い。

フロリバンダローズ

モダンローズの1系統。Fと略される。フロリバンダは「花を束ねる」という意味で、この系統は1枝に房咲きすることが花束のように見えることから来ている。四季咲きで一重から半八重、香りが弱め、丈夫で育てやすい。

イングリッシュローズ

イギリスのデビッドオースチンによって作られた品種群。ERと略される。オールドローズの花色と花形を持つ、四季咲きの耐病性に優れた品種を目指して作られた。

原種バラ(ワイルドローズ)

自然界にある品種改良を経ていないバラのこと。オールドローズ・モダンローズはこの原種バラを交配させて作られた。交配品種よりも病気に強く、手間がかからないので原種バラを庭植えする人もいる。

ミニバラ(ミニチュアローズ)

モダンローズの1系統。樹高が低く、よく開花する。本来はロサ・キネンシス・ミニマなどを交配させた系統だが、矮性剤で小さくしたものも「ミニバラ」として流通している。

ロザリアン・ローザリン

バラの愛好家のこと。

オベリスク

植物を絡ませる枠のこと。

元肥(モトゴエ)・寒肥(サムゴエ)

元肥は一年の基本的な肥料のこと。寒肥は寒い時期に肥料をやって、春以降の新芽の栄養となるもの。バラは冬に元肥をやるので、元肥=寒肥になる。

ボール(ボーリング)

ツボミのときに外側の花びらに何かしらの原因で傷んだり腐ってしまって開かなくなり、そのまま枯れてしまうことをボールといい。ボールになることをボーリングという。ボーリングは品種によって頻度が違う。

ブルヘッド

ツボミがかちかちになって開かなくなる現象。肥料が多いと発生しやすい。

ダブルセンター

芯が二つに割れる現象。肥料が多すぎると発生しやすい。本や専門家の言う量を施肥しても、土に粘土質が多く、肥料が留まりやすいと肥料過多は起きる。また、品種(特にハイブリッドティー系)によって発生のしやすさは違う。

黒星病(黒点病)

葉っぱに黒い斑点が出る病気。バラ栽培の病気では主敵になる。冬剪定で葉っぱを全て取り除く、冬の石灰硫黄合剤の散布、春から秋の薬剤散布、泥はねを防ぐマルチングをすることで予防する。
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ウドンコ病

白い粉を拭く病気。
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灰色カビ病(ボトリチス菌)

湿気の多い時期に花に発生するカビ。
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ベト病(霧菌病)

霧が発生する地域によくおきる病気。
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サビ病

サビのような粉が出る病気。
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ハダニ

葉っぱの裏から汁を吸う虫。乾燥を好み、水を葉っぱにかけることで予防できる。発生すると爆発的に増える。
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テッポウムシ(カミキリムシ)

幼虫がバラの幹を食い荒らし枯れる。穴に薬剤を注入して駆除する。
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コガネムシ

成虫も葉を食べ、幼虫も根を食べる。どちらかというと幼虫の方がやっかいだが、成虫駆除も幼虫発生予防になるのでどちらも駆除する。
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カイガラムシ

動かない白い虫。茎から汁を吸う。
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アブラムシ(アリマキ)

茎から汁を吸う。アブラムシは一度発生すると爆発的に増える。
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バラゾウムシ

バラの茎に卵を生みつけ、産んだところから先をしおらせる。
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ヨトウムシ

ヨトウムシは夜中に葉っぱを食べにくる虫。蛾の幼虫。
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チュウレンジバチ

幼虫が葉っぱを一気に食べる。
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