コロラドトウヒ・ファットアルバートの育て方

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コロラドトウヒ・ファットアルバートの基礎データ

コロラドトウヒ・ファットアルバート
科名
マツ科
属名
トウヒ属
学名
Picea pungens Fatalbert
耐寒
マイナス15度
水やり
水控え目
場所
外の日なた
難易度
上級者向け
コロラドトウヒ・ファットアルバートの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ファットアルバートとは?

ファットアルバートはマツ科コロラドトウヒ園芸品種。常緑高木の針葉樹コニファー)。コロラドトウヒの学名と混ぜて「プンゲンス・ファットアルバート」「ピセアプンゲンス・ファットアルバート」という名前で流通していることも多い。ファットアルバートとは「太っちょのアルバート」という意味。

円錐形の樹形。人気の園芸品種の「ホプシー」より樹高が低めにまとまる。葉色は青白い。実際に見るとホプシーの方が「白い」らしいが、並べてみない限りはよく分からない程度。生育は遅く、一年で10cmから20cm。生育が遅いため、株の単価は高い。

さらに樹高が低いグラウカ・グロボーサもあり、こちらは半球形になる。
樹高4mから5m 横幅2mから3m
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最初にまとめ

●ファットアルバートはマツ科コロラドトウヒの園芸品種。
●寒冷地向きの庭木。関東北部より北が適している。関東以西でも庭植えできるが夏の暑さに枯れこむことが多い。
●庭植えでも鉢植えでもいいが、普通は庭植え。
●庭植えすればほぼ自然に降る雨だけでいい。ただし植え付けて二年以内は水切れしやすいので庭植えでも水をやる。
●生育が悪いなら肥料を2月あたりにやる。
●日当たりを好む。
剪定は冬に。

水やり

庭植えの場合は一旦根付いてしまえば自然に降る雨だけでほぼ十分。日照りの時に水をやる程度です。ただし、植え付けて二年は根が張っておらず、水を吸い上げる力が弱いので、庭植えであっても様子を見てしっかりと水やりをする。
●植え付けて直後の夏は水切れに注意する。

肥料

生育が悪い場合に1月〜2月に肥料をやるか、10月〜11月あたりに肥料をやる。肥料は緩効性化成肥料か油粕。地上部の枝が広がっている範囲には根があるので、そこからさらに倍の距離を取って肥料を埋める。穴(深さ20cm)を複数箇所、円を描くように掘って埋める。もしくは腐葉土堆肥を土に混ぜ込んでやる。
●肥沃な土を好む。肥料でもいいし、腐葉土・堆肥でもいいが、ともかく有機質が必要で不足すると葉色が悪くなり、生育が悪くなる。もともと生育が遅い種類なので、あんまり遅いと困る場合は肥料を。
●根に肥料が当たると肥料焼けを起こしてしまうので、肥料は根に当たらないようにする。

植え付け

時期

新芽が出始める直前、2月から4月あたりに植え付けを行うのが適した時期。

用土

水はけの良い肥沃な土を好む。庭土に腐葉土か堆肥を3割ほど追加してよく混ぜて用土として植える。土が粘土質な場合は軽石や川砂を混ぜて水はけを良くした上で腐葉土などを追加して植える。鉢植えの場合は一般的な培養土を使用する。自作する場合は赤玉土6腐葉土4を混ぜたものを使う。

鉢植えの植え替え

鉢植えの場合は、根鉢(ポット)より一回り大きな鉢を用意します。根が荒い植物なので、植え替えの時に土を落とさず、根をいじらないようにする。

鉢底の穴をアミで塞いで土が出ないようにしてから軽石を2センチから3センチほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。

庭植えの植え付け

庭植えの場合は、根鉢の二倍か三倍の深さと大きさの穴(例えば深さ50cm直径40cmくらいの穴)を掘って、穴の底に緩効性肥料を入れ、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割か4割混ぜて、半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
根が荒く、広がりにくいので、横風に弱い(幼木の時は余計に)。支柱を立ててくくりつける。
●一度植えたら移植は不可。
●肥料はこの時点では入れなくてもいい。
●肥料が根に当たらないようにする。
●水はけの悪い土だったり、暖地で育てる場合、高植えも検討する。

栽培地域・管理場所

暑さに弱く寒さに強い。関東北部から東北・北海道が適した土地。
関東でも十分戸外で育てられるし、九州でも育てられるが、気温が高い地域ほど夏に枯れこむ可能性が高くなる。ファットアルバートは株の単価が高いので、関東北部から北が無難。

日当たりが基本だが、耐陰性があり、半日陰くらいなら問題ない。ただし、日当たりが悪いと枝が徒長(ひょろ長くなること)したり葉色が悪くなったりする。
横風に弱いので強風が通らない場所が好ましい。

寒さには強く、耐寒温度マイナス15度くらい。
●横風に弱いので支柱を立てる。強風でグラグラすると根が切れて生育不良を起こす。

病害虫

ハダニアブラムシカイガラムシなどが発生することがあります。株を健康に保つことが一番の予防です。

剪定・切り戻し

剪定の時期

冬は活動が鈍くなり、樹液の流れが鈍いので、この時期に剪定をする。もっとも適した時期は1月2月。

剪定の方法:芯止

ファットアルバートはホプシーよりも小さいコニファーではあるんですが、それでも4m前後に伸びますので、放置していると一般家庭の庭木としては手に余る。2mちょいくらいに納めたい。そこで芯止をする。芯止は円錐形の頂点の枝を落として上への生育を抑えること。
●芯止をすると、下の枝に栄養が行って上への生育が鈍くなる…と言われる。
●ファットアルバートは生育が遅いので、頻繁に芯止はしないでいい。
もう少し詳細な方法はこちら→芯止

剪定の方法:風通しをよくする

あとは枯れた枝・変な方向に伸びた枝・伸びすぎた枝・邪魔な枝を落として、風通しをよくします。風が幹の内部まで通ることで夏の蒸れを予防できます。これは夏に蒸れやすい関東以西の暖かい場所では必須です。剪定するときは葉っぱが残るように切ること。葉っぱが一枚にもない枝は新しい葉も枝も出ずに枯れてしまう。
●風通しを良くすることで病害虫の予防になる。これは寒冷地でも同じ。
●樹形は円錐形をイメージする。上から大きさを決めて、下に降って揃えていくと整いやすい。
参考リンク枝の種類(剪定の基礎知識)
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