イオナンタ・グアテマラの育て方

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チランジア・イオナンタ・グアテマラ
チランジア・イオナンタ・グアテマラ
科名アナナス科
属名チランジア属
学名Tillandsia ionantha Guatemala
耐寒0度
水やりたまにやる程度
場所日の当たる室内
難易度上級者向け
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肥料
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イオナンタ・グアテマラとは?

チランジア・イオナンタはアナナス科の植物。常緑多年草。開花時期は不定期。俗にいうエアープランツ(=チランジア)の一種。エアープランツの中でも百円均一でも売られているほどに「よく見る」もので、おそらく一般的なイメージではエアープランツということ、この「チランジア・イオナンタ」のことかもしれない。

そのチランジア・イオナンタには二種類あって、その一つが「グアテマラ」。もう一つが「メキシコ」。このページではグアテマラの管理についてまとめてある。この二種はよく見れば違うが、ぱっと見には同じに見えるか、違って見えても「個体差かもしれない」と思える程度の違い。しかし、管理方法…というか水やりの頻度が違っているため、この種類の混同がエアープランツを枯らせやすい原因となっていると思われる。

栽培のまとめ

●チランジア・イオナンテ・グアテマラはアナナス科の植物で俗にいうエアープランツ。
●葉っぱが細く、乾燥すると葉先から枯れ込みやすい。エアープランツとして売られているが、水苔に植えて水をやった方がよい。
●霧吹きは二、三日に一回が基本。
●秋には紅葉もする。

グアテマラとメキシコの違い

細く長い葉っぱのグアテマラと
太く短い葉っぱのメキシコ

グアテマラの方が葉っぱが細く、大きく育つが、どちらにもトリコームがあり葉色に違いはない。あっても個体差(種類による違いではない)。グアテマラは葉先が細くて、そこから枯れやすい。メキシコは葉先が若干太いと違いがあるのですが、一番の対策は購入時のタグを捨てないこと。

水やり

チランジアには「銀葉種」と「緑葉種」とあり、銀葉種は空気中の水を吸収する「トリコーム」という器官(葉についた小さな毛)があって、乾燥に強いとされます。チランジア・イオナンタ・グアテマラは銀葉種で乾燥には強い方です。ですが、それは「植物としては乾燥に強い方」という意味で、一年中、冷房暖房でカラカラに乾燥させて、室内に放置していても問題ない!って意味ではありません。

水やりが不足すると葉っぱの先から枯れ始めます。そうなる前に水やりをします。理想的には室内の湿度が常時60%から70%あるといいですが、それでは部屋がカビだらけになるので、定期的に霧吹きで株全体に水やりをするようにします。霧吹きは環境にもよりますが、二、三日に一回を目安にしてください。一度の水やりで二時間ほど濡れているのが理想。水やり後は逆さまに吊るして水を切り、葉っぱと葉っぱの間に水が残らないようにします。長時間、濡れている状態が続くなら、扇風機(=サーキュレーター)で風を送って乾燥させます。

水やりの注意点

●昼間は気孔(葉っぱの小さな穴…ここから水を吸収する)が閉じているために、霧吹きで水をやってもあまり効果がない。水やりは夜にするといいです。
●水やりの頻度は環境によって違う。ある人は気温が10度以上の日は毎日霧吹きし、冬は二、三日に一回というペース。この頻度は何度か枯らしつつ感覚を掴んでいくしかない。
●イオナンタ・グアテマラは「乾燥に弱い」というよりは、「一般的なエアープランツのイメージよりも乾燥に弱い」というべき。環境さえ合えば、霧吹きをやってれば育ち、花も咲くので「育てやすい植物」ではある。
●イオナンタ・グアテマラは「高度1300mの山の湿度の高い森の中」で自生しているとイメージしつつ、霧吹きするといいです。

ソーキング

霧吹きでは水やりが追いつかない場合は「ソーキング」をします。春と秋に一ヶ月に一回ほど行うといいですが、基本的にソーキングが必要な時点で、慢性的な水不足です。環境・水やり頻度を見直しましょう。

冬の水やり

冬は生育が鈍くなっているので水やりは控えます。数日に一回とか。ただ、冬は暖房で乾燥しているため、環境によっては普段と同じ「二、三日に一回」というペースは変わらないかもしれない。水やりは控えはしますが「一切やらない」はやめてください。変化の少ない植物で、なおかつ冬は生育が止まりますが、水やりは継続してください。
●冬の水やりは午前中に行う。夕方以降に行うと、水が凍ってしまうかも。

肥料

霧吹きに液体肥料をまぜてやると、よく生育します。ただ、肥料をやるとトリコームが禿げてみっともなくなったり、藻が生えて緑になることもあります。肥料は液体肥料の説明書きよりも二倍薄めてやってください。濃いと肥料焼けを起こしてトリコームがはげます。
●真夏と真冬は生育が止まるので、肥料はやらないでください。生育しないのに肥料をやると肥料焼けが起きやすくなります。
●チランジアは葉っぱからしか肥料を吸収できないため、固形肥料はやれません。どうしても固形肥料をやりたい場合は、水に溶かしてやります。

植え付け・植えかえ

チランジアは根が生える

日本で流通するチランジア(エアープランツ)は葉っぱしかないのですが、本来は根が生えます。自生地では根を岩の隙間や樹皮の隙間に割り込ませて、株を固定しています。なので、水苔に株元を包んで小さな鉢に植え込んでやるなどすると発根してきます。

チランジアの根には水を吸収する力は低いので、発根させる意味はあまりない!とする人も多いのですが、発根させた方が株が安定し強く育つ傾向があるために、発根させるのも一つの手です。

発根させる方法

コルクやヘゴやバークなどに、株元が接するように針金で固定してやっていると発根します。チランジアの根から接着剤のようにくっつく成分を出ますので、しばらくすると針金を外しても取れなくなります。水苔に根元を包んで鉢に植えてもいいです。
●軽石などに植え付けることもよい。コルクや軽石で植え付けをするのは「湿度をある程度保つため」です。流木よりコルク。

管理場所・日当たり

強い日光は避けるが、本来は日光は好きです。イオナンタの自生地は高度1300mの山の中の湿度の高い森の中。直射日光にガンガン当たっていると乾燥と葉焼けで枯れてしまいます。戸外ならば木漏れ日の場所。室内でも窓辺で直射日光は避け、カーテン越しの日光に当てるようにします(30%から50%は遮光)。

管理場所の注意点

●日光不足になると徒長する。徒長とはひょろ長くなること。
●トリコームは強い直射日光を避けるためでもあるんですが、イオナンタ・グアテマラは強い直射日光でトリコームが禿げる。
●冬に室内で管理していたものを戸外に出す場合は、日陰で二週間→木漏れ日と徐々に慣らしてやる。
●40度を超えると弱ってくるので、40度を超える環境ならば、扇風機など当てる。

風通しの良い場所で

風通しが悪いと、蒸れて腐って枯れてしまいます。室内で管理していて、水をやった後になかなか乾かないならば風通しが悪いです。風通しが悪いならば扇風機・サーキュレータなどで風を送って乾燥させます。

病害虫

ハダニ

ハダニは乾燥すると発生しやすい。よってチランジアでは発生しやすい。クモの仲間で細い糸を出す。なんだか糸にまみれていたらハダニを疑う。ハダニ自体は非常に小さくて赤い虫。対応した薬剤を散布して駆除する。ハダニで枯れることは十分ありうる。
●ハダニは薬剤耐性がつきやすい。二種か三種の薬剤を使うとなお良い。

アブラムシ

アブラムシはハダニ同様に植物の汁を吸う。爆発的に増えて汁をすうため、枯れることも十分ある。早めに薬剤をまくか、ティッシュなどで取り除く。ハダニ同様にウィルス病に感染させられることがある。
●アブラムシやハダニのフンにカビが生えて黒くる「スス病」が発生するので、とにかく早めに駆除。

カイガラムシ

カイガラムシは動かない白い小さなマユのようなものに入った虫。植物の汁を吸う。動かないのでティッシュなどで取り除くとそのまま餓死する。

ナメクジ・バッタなど

ナメクジ・バッタ・ダンゴムシなどもチランジアの葉っぱやトリコームを食べる。室内で管理して見つけたら捕殺。捕殺が追いつかなければ薬殺。もしくは「忌避剤」を買ってきて使う。

ウィルス病

ハダニやアブラムシがウィルスを持っている場合、チランジアの汁を吸った際にウィルス病に感染する。チランジアは感染するとモザイク状の模様が出て、徐々に弱って枯れていく。治療方法はなく、廃棄するしかない。
●害虫による感染の他に、ハサミからの感染、土壌からの感染、植物や人の手から接触感染など、感染経路はいろいろとある。
●ただし、チランジアのウィルス病というのはほとんど聞いたことがない。

枯葉を取る

イオナンタ・グアテマラは株元から古い葉っぱが茶色く変色していきます。この葉っぱを残していると蒸れやすいし、腐って病気の元になるかもしれません。そこで茶色くなったら剥がして捨ててしまいます。

特徴・由来・伝承

一口にエアープランツといっても品種が多く、七百種類以上とも。自生地では岩や木に着生している。寄生じゃなくてね。寄生は木の栄養を吸い取っているって意味ですが、着生は木の枝に生えた苔や樹皮の隙間に根を割り込ませて「固定」しているだけ。
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