根腐れは植物の窒息、水のやりすぎに注意
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根腐れとは
用土の水はけが悪かったり、水をやりすぎたりして、根が腐ってしまうことです。根腐れすると葉っぱは水をやっていてもグッタリし、茶色く変色して、徐々に枯れてしまいます。また根腐れするような状態だと根も発育せず、引っこ抜くとスポンと抜けてしまいます。ガーデニング・家庭菜園を始めた初心者がまず最初にぶつかる問題が、根腐れ――というか水やりです。
最初にまとめ
●植物は水を欲しながら、空気を根から吸収するため、ずっと土が濡れている状態だと窒息して枯れる。これが根腐れ。
●水のやりすぎに注意。
●土は「水はけ」と「保水」という相反した機能を持っている。根詰まりや経年劣化でこの機能が低下するとよくない。
●水やりはメリハリが大事。土が乾くまでは水をやらないようにする。
●水のやりすぎに注意。
●土は「水はけ」と「保水」という相反した機能を持っている。根詰まりや経年劣化でこの機能が低下するとよくない。
●水やりはメリハリが大事。土が乾くまでは水をやらないようにする。
根も呼吸しているということ
根も呼吸をしています。よく大きな野菜工場で根っこが水に浸かっている水耕栽培の様子を見かけると思いますが、あの水耕栽培の水もエアーポンプで空気を送って酸素を供給しているのです。「根には空気が必要」ということをまず頭に入れておいてください。●水耕栽培をしているのは、水耕栽培ができる植物なだけで、普通の植物は水浸しだと窒息して根腐れします。
根は空気を必要とする
植物は根を広げて水分を吸い上げています。その一方で空気を必要としています。空気と水、この矛盾した問題を解決するのが「土」です。植物に適した土というのは、ほどほどに土の塊があり、その塊同士には隙間があります。この隙間に水と空気を溜め込むわけです。水はけと水もちという矛盾
水はけは水やりをしたときに、その水が流れていくこと。水もちは逆に土に保水されること。水はけが悪いと土中に水がいっぱいになって、空気が補充されないために窒息してしまいます。しかし、あまりに水はけがよくて、保水されないと水分を吸い上げられない。このバランスが植物によって違っているので、解説ページには赤玉土を何割で腐葉土を何割で鹿沼土が川砂がと書かなくちゃいけないのです。まー面倒ですね。
●根詰まりや経年劣化で土の「水はけと保水」という機能が落ちて、植物が生育しなくなる。そういうときは植え替えをすること。
●土中に水が長期間、留まって根が呼吸できない状態になるのが根腐れです。
●土中に水が長期間、留まって根が呼吸できない状態になるのが根腐れです。
培養土が便利
一番オーソドックスなバランスで大抵の植物に対処できて、肥料も入っているのがホームセンターなどで売られている培養土、というわけです。根腐れの原因
水のやりすぎ
大抵はこれ。水やりの頻度が多く、根が窒息してしまった…ってことです。しかし、水やりの頻度が多すぎるあなたが悪い!ってそんな単純な話でもないのですね。例えば気温が上昇して植物が活発に活動して水を吸い上げる。そのときはタップリと水をやらないと水切れするんですが、気温が下がって活動が鈍くなっているのに、高温時期の感覚を引きずって、水やりの頻度を減らさなかった…ってのもあります。
他に風通しが悪くて、思っていたより土から水分が抜けていないってこともあります。壁際に配置していると壁側半分だけ根腐れするなんてこともあります。
他には休眠時期に水をやってしまった…とか。
要因はいろいろありますが、植物をよく観察していると避けられることが多いです。
土の水はけが悪い
単に植物に合わない土の配合を使っている場合、根腐れを起こします。配合を変え、水はけの良いものを利用しましょう。土が劣化した
培養土や観葉植物の土に入っている赤玉土は泥を固めて乾燥させたもので、時間が経つと泥に戻ります。すると、土と土の間に隙間がなくなり、水もちがよくなって、根腐れの原因となります。赤玉土が劣化するのは2年か3年なので大体は劣化する前に植え替えが推奨されています。
冬や休眠中の水やり
冬の寒さや、逆に夏の暑さで休眠する植物は多く、その時期は水やりをするとテキメン枯れてしまいます。なのでこの植物の生育サイクルを把握しておくことが大事です。特に冬の水やりはその時は変化がなく、春になって眼に見える症状が出るのですが、実際の原因は冬の間にできているので注意が必要です。
植物が不健康
例えば上記のような寒さに当たった場合や、日光不足、水切れ、病気・害虫、根詰まりといった要因で植物が調子を崩した場合、当然、水を吸い上げる力が落ち、そこに健康なのを前提とした水やりをすると根腐れを起こしやすくなります。調子を崩していないかよく植物を観察することで、水やりの頻度を調節しましょう。
症状
葉っぱの先から枯れる?
根腐れを起こすと根が活動を止めているため、水や栄養が供給されなくなり、絶対ではないですが、葉っぱの先から茶色くなることがあります。これは根詰まりや水切れのときでも症状として見られるので、根詰まりか水切れか、根腐れかはこれだけではなんとも言えないですが、こういう症状もあると知っておいてください。下葉から枯れる?
根腐れを起こすと雑菌が繁殖し、侵入して下葉が変色していきやすい。このくらいなら水やりを控えるくらいでも回復するかもしれない。もしくは植え替えをし、植え替えの際に腐った根・部分を切除するなどすれば回復します。腐敗臭がする
多少の根腐れなら植え替えることで回復するのですが、ほぼほぼ枯れてしまった場合は復活しません。特に明らかに腐敗臭がする場合は、仮に地上部の葉っぱが青くても、すでに根から雑菌が入り込んで、管の中で繁殖して、詰まらせているため、植え替えただけではどうにも回復しません(しないことが多い)。そういう場合は挿木で回復をはかります。
予防方法
庭植えにするのも手
鉢と違い、庭植え(地植え)にすれば、水はどこかへ流れ出ていくものですから根腐れはしにくくはなります。とはいえ庭土であっても粘土質などの水はけの悪い土だと根腐れします。この場合は土に川砂や腐葉土を混ぜて水はけをよくすることで植え込みは可能です。ですが、庭土を掘り返したときに水が染み出すようなところでは、土壌を改良しても樹木は植えられません。そういう場所では根の浅い草を植えましょう。
●庭の土の水はけが悪い場合は、川砂や軽石などを足して混ぜたり、レイズドベッドにしたり、盛り土にすることで解消できる場合があります。
●庭土の水はけが悪い場合は素直に鉢植えで育てたほうがいいですよ。
●庭土の水はけが悪い場合は素直に鉢植えで育てたほうがいいですよ。
水やりの頻度の見直し
鉢植えは土が少なく保水が弱いので、庭植えよりも頻繁に水をやらなくちゃいけないのですが、とにかく、水をやりすぎて根腐れを起こすことが多い。土が乾くまではとにかく水をやらない。土が乾いた状態にして「空気」を供給して、それから水をやるようにする。メリハリをつけましょう。鉢を持ち上げて、その重さで水分量を判断できるようになるといいです。持ち上げて「軽っ!」って思ったら、水をやるのですが、どの時点で「軽い!」と思うかはやっぱり経験によるわけですよ。
…初心者は水のやりすぎで枯らすから!
そこで、土壌水分計(水やりチェッカー)などで計測して判断することでかなり予防できます。
素焼き鉢で水はけをよく
素焼き鉢は表面に小さな穴が空いていて、そこから水が蒸発していくため、プラスチック鉢よりはかなり根腐れを予防できます。用土を水はけよい配合にする
用土を水はけよくすることでも根腐れは予防できます。一般的な培養土ではなく、多肉植物の土や山野草の土に変えることで予防できます。また、一般的な培養土に川砂・軽石小粒・鹿沼土小粒・パーライトを1割か2割ほど入れると水はけがよくなり、根腐れの予防になります。とはいえ、あなたがそれ以上に水やりの頻度が多いのならば、問題は解決しません。やっぱり、あなたの水やりのタイミングを見直すのが大事ですね。
新しい土で植え替える
上にあげたように土の劣化が根腐れの原因でもあるので、新しい培養土で植え替えることで根腐れを予防できます。とにかく観察
やっぱりよく観察し、害虫や病気が発生していたら、すぐに対処することです。観察していることで変化に気づき、ダメージが少なく済みます。最後に…人によって環境によって違う
最後に大事なことなんですが、植物の栽培は、植物の種類によって違い、株の健康状態によって違い、なによりあなたの性格によってかなり違います。土の配合や風通しや置き場所を工夫しても、あなたが水をじゃんじゃんやる人なら根腐れを起こしやすいです。逆に、多少、水はけが悪い土でも、水やりを面倒に思う人なら、むしろバランスがよく、植物は健康的ってこともあります。
だから答えってないんです。いろいろと試して自分の答えを探るしかない、って思います。
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