「ジャガイモの栽培…種芋・植え付け・土寄せ・収穫まで」の目次
ジャガイモ

科名 | ナス科 |
属名 | ナス属 |
学名 | Solanum tuberosum L |
耐寒 | 5度 |
水やり | 水控え目 |
場所 | 外の日なた |
難易度 | 中級者向け |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花 | ||||||||||||
植え | ||||||||||||
肥料 |
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ジャガイモの特徴は?

鉢・プランターでも育つのですが、期待したようには収穫は出来ず、努力の割には……1株で5個〜15個とされますが、実際は5個〜8個くらいかなと思います。
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水やり
鉢植えであれば、通常の植物同様に、土が乾いていたら水をやります。地植え(畑)であれば、ほぼ自然の雨だけで十分です。肥料
元肥として、鶏糞や牛糞堆肥を入れます。あとは土寄せのときに化成肥料を一握りほどやります。化成肥料だと甘みが弱いことがあるので、品質にこだわるのであれば、油粕や熔リンをやります。追肥のときは溝や畝に撒きます。溝だけでも十分です。春植えの開始時期
1月にすでに種芋が流通するので、なんとなく早く植えたくなりますが、霜に当たると枯れる。3月に植えても大丈夫だが霜が降りると危険なので、3月植えなら霜除をしましょう。ベランダなら霜が当たらないので、問題ないです。早く植えても気温が上がらないと芽が出ないので、あんまり意味がないので、待って4月に植えるのが無難です。関東でも4月最終週〜5月第1週に10年に一回くらい霜が降りる。その時に全滅ってのがあります。
2月に植えて、トンネル栽培することもありますが、収穫はせいぜい2週間ほど早まる程度で、遅く植えたからってさほど損はない。暖かくなってから植える。1月〜3月にホームセンターに行くと種芋が流通していて見ると焦るだけですよ。
植え付け
連作障害について
ナス科の植物と連作障害を起こします。過去3年以内にナス科植物を植えた場所ならば植えないようにし、別の植物を植えます。ちなみに、連作障害で同じ土で育てると2年3年と育てると芋が小さくなる。種芋を手に入れる(1月〜4月)
種芋はホームセンターで買いましょう。昨年育てたジャガイモを種芋として使うと、病気を持ち越してしまうことがあります。ちなみに種芋は12月から予約が始まり1月には流通しています。狙いの品種があるなら12月に予約しましょう。種芋って2月にはもう販売されていて、2月は場所によっては凍結することもある時期です。凍結しないように発泡スチロールの箱に入れて管理するなど対策をとりましょう。昼間に蓋を外して、日光にあてれば浴光栽培にもなります。
スーパーで売っているジャガイモを種芋することはできますが、野菜で販売されているジャガイモは芽が出にくいように処理されていますし、病気(ウィルス病)を持っている可能性もありますので、種芋にはしないようにしましょう。
浴光催芽と種芋の準備(3月〜4月)
種芋を手に入れ、6度~20度で20日〜30日、日光にあててしっかりと芽を出させます。これを浴光催芽といいます。浴光催芽は徒長を避け、強い芽を出させるための作業で、早く栽培するためのものではないです。浴光栽培は小さな芽が青くなるくらいで十分効果があります。モヤシのようなヒョロっとした芽は摘んで間引きましょう。芽が確認できてから、切り分け、切ったらすぐに植えます。
種芋は大粒の方が、株が大きくなりやすいが、大粒を植えると土の中で腐ってしまうこともありますし、種芋60g以上になっても一個あたりの収量はあまり変わらないです。60g以下の小粒はそのまま植えます。大きなものは、最低でも3つの芽があるように50g~80gに切ります。
切り口に灰を塗るか、切り口処理剤を塗って腐らないようにしてから植え付けます。切り口は数日かけて自然乾燥させることもあるが、草木灰かジャガイモの切り口処理剤をつけるのが一般的で、すぐに植えられます。
小さなタネイモは小さな種芋は親株と繋がっていたヘソを切っただけで植える。ヘソを少し切ると、発芽が早まります。ヘソを切るのは植え付ける直前でもいいです。
用土について
弱酸性(Ph5.0-6.0)の土を好む。日本の土は弱酸性なので基本的には放置で、石灰で中和する必要はないです。ただ、植物の生育に必要なマグネシウムと美味しいジャガイモに必要なカルシウムを含む「苦土石灰」を植え付けの際に入れる人もいます。土がアルカリ性に傾くと、そうか病が発生しやすいので、石灰や草木灰を入れるときでもph6.5以下に保つ程度にしましょう。
畑に植える手順(3月〜4月)

以上で植え付けは終了。
●畝を作って植えると水はけがよくなる。水はけが悪いと腐ってしまいやすい。水捌けが悪い土の場合は、畝を高くする、畝の途中…3mごとに排水のための溝を作る、種芋を深く植えず、土を軽く被せる程度にする、などすればかなり水捌けの悪い土でもジャガイモ栽培は可能です。生産者の場合は、サブソイラーや暗渠排水なんて方法もあります。
●野菜として流通しているジャガイモは芽に放射線を当てているため発芽しにくいです。
●畝を高く作ると、後の土寄せで畝の上に更に土を乗せることになり、非常に辛い。畝は作っても、高すぎないようにする。
●ジャガイモの畝は幅を取らないと後の土寄せのときに難しいので、60cmほど取りましょう。
●ビニールでマルチングをする家庭菜園は多いですが、マルチをすると土寄せしにくいので、狭い範囲の家庭菜園ならビニールマルチはなくてもいいです。
●野菜として流通しているジャガイモは芽に放射線を当てているため発芽しにくいです。
●畝を高く作ると、後の土寄せで畝の上に更に土を乗せることになり、非常に辛い。畝は作っても、高すぎないようにする。
●ジャガイモの畝は幅を取らないと後の土寄せのときに難しいので、60cmほど取りましょう。
●ビニールでマルチングをする家庭菜園は多いですが、マルチをすると土寄せしにくいので、狭い範囲の家庭菜園ならビニールマルチはなくてもいいです。
プランター・鉢に植える(3月〜4月)

直径30cmの鉢か、できるだけ横長でないプランターを用意します。とにかく深い鉢を用意します。
鉢底の水が出る穴を鉢底ネットで塞ぎ、その上に軽石を2cm敷きます。その上に用土をいれ、種芋の切り口を下にし深さ5cmになるように植えます。用土は一般的な花と野菜の土でいいです。このとき、土の面が鉢やプランターのフチから10cm〜12cmほど下になるようにしします。

芽かきをしましょう(3月〜5月)
種芋の発芽までは植えてから1週間ほど。種芋から複数の芽が出てきますが、そのまま何本もの芽を伸ばすと、ジャガイモが喧嘩しあって大きな芋が出来ません。放置していると小粒の芋が多くなります。そこで、勢いのある芽を1本か2本残して、その他は抜いてしまいます。1本〜2本を残せば大粒、3本を残すと普通サイズ、芽かきをしないと小粒になります。
種芋を植えて10日ほど経ったらこの芽かきをしてください。
芽が出たら…
地植え(畑)栽培で、芽が出たらダイアジノン粒剤をまきます。土寄せ同時におこなって、混ぜれば土の中にしっかりと効いてくれます。ダイアジノンは土中のネキリムシやコガネムシの幼虫などに効き、根を守るためのものです。土寄せ(4月)

新しく出来るイモは種芋の上へ出来ます。すると新イモが地表に現れてしまいます。ジャガイモは日光を浴びると緑に変色し、この緑の部分にはソラニンという毒があって、何も知らずに食べると中毒を起こします。そこで、定期的に根本に土をかぶせることで、ジャガイモが緑になるのを防ぎ、しかも雑草が生えるのも防ぎます。ちなみに日光に当たって緑になった芋は土に埋めると元に戻ります。
成長に合わせて、土寄せして、高さは25cmくらいまで盛ることになります。
●土寄せのときに追肥しましょう。周囲に化成肥料を説明の規定量をまきます。ただしインカの目覚めなどの極早生の品種は肥料が効く前に収穫することになるので追肥は不要ですし、種芋を植えたときにもう土寄せした状態にしてもいいです。
●土よせは意外と大変。新たに土を買ってこないといけなくなるかもしれないです。
●土寄せは芋が隠れるまでかける。隠れればいいが、水をやったら出てくるようでは駄目ですよ。それでは足りないです。さらに追加しましょう。
●土よせは意外と大変。新たに土を買ってこないといけなくなるかもしれないです。
●土寄せは芋が隠れるまでかける。隠れればいいが、水をやったら出てくるようでは駄目ですよ。それでは足りないです。さらに追加しましょう。
摘芯・摘花は不要です
よく株を大きくし、収穫を増やすテクニックで、摘芯・摘花がありますが、ジャガイモの場合はあまり関係ないので作業は不要です。収穫(5月〜7月)
3月~4月に植えたら5~7月に収穫時期を迎えます。 秋植えであれば、8月~9月に植えて11~12月に収穫時期になります。数日晴れがつづいて、土が乾いてから掘り上げます。芋がまだ十分に育っていないなら、もう一度土を被せて様子を見ましょう。
畑であれば、スコップで芋に当たらないようにして掘り出し、鉢やプランターなら、茎を握って引っこ抜きます。土が濡れていると腐りやすいので、避けましょう。朝に掘り上げて天日干しして、乾かしてから保存します。この時に水で洗うと乾燥しきれず腐ってしまうことが多い。新聞紙にくるんで常温で保存します。
管理場所・日当たり
日当たりで管理しますジャガイモは大きな葉っぱで光合成して、出来たでんぷんをイモに溜め込むので、とにかく日光をあててやります。日光を当てることで大きな芋がたくさん出来ます。
気温が30度になると枯れる
春に植えるか、秋に植えるか、そのどちらにしても30度になると暑さで枯れることと5度前後になると寒さで枯れるということを計算に入れて栽培します。
春に植えて、花が咲き、花が落ち着いてくる頃にはジャガイモの限界温度が違いので、収穫します。逆に秋に植えるときは最高気温が25度前後で植え付けをし、寒さで枯れる頃に収穫します。
病害虫
ニジュウヤホシテントウ(ナス科専門の草食テントウムシ)ナス科植物を食べるてんとう虫。周囲の雑草を刈ることである程度は抑えられます。放置していると丸坊主になることもあります。殺虫剤を散布して駆除しましょう。
そうか病
土が中性〜アルカリ性になると発生しやすい病気で、ジャガイモの表面には、赤褐色の膨らみができ、徐々に広がって周りが盛り上がってきます。その色は、薄茶色から濃い茶色に変わっていきます。中央部は凹んで、丸いコルク質のあばたができます。この病気は、高温で乾燥した環境や乾燥しやすい土壌、土壌のpHが5.6以上の場合に発生しやすくなります。
モグラ
モグラに食害されることがあります。穴にフルーツガムを入れると駆除できます。
その他

芽には毒があり、芽吹いたジャガイモを食べると中毒になります。また茎や葉にも毒があり、口にしないようにしましょう。ジャガイモが日光に当たると緑に変色してきます。この緑色になった皮にもソラニンという毒が含まれて居ます。
毎年中毒になる人がいます
新聞に載らないのですが、中毒を起こして担ぎ込まれる人が毎年居ます。気をつけましょう。
品種
とうや(人気)、メークイン、キタアカリ、男爵、トヨシロ、すのーでん、サタヒメ、ホッカイコガネ、サヤカ、コナフブキ、アーリースクール
特徴・由来・伝承
ジャガイモは南米原産のナス科の植物。16世紀にスペイン人によってヨーロッパに渡来しましたが、聖書に載っていない植物であることから、「悪魔の作物」とされました(そもそも芋という概念が無かった)。しかし、寒冷地でも育つこと、収穫量が多いことなどから、ドイツやアイルランドで食生活が変わるほどに普及しました。ジャガイモを食べなかったイギリスやフランスで飢餓による死者が出たときでもジャガイモが普及した地域では死者が少なかったとか。しかしジャガイモの疫病が広まったときはジャガイモが主食となっていたアイルランドでは大飢饉が発生。そのときアメリカに移民したアイルランド人の中にケネディ大統領の曽祖父が居たというのですから、ジャガイモは歴史を動かす大物なのですね。ジャワのジャカルタから来たことから「ジャワ芋」「ジャカルタ芋」から転訛したとか、飢餓から救う作物であることから「御助芋」が転訛したなど諸説あります。
ナス科なのでミニトマトのような実がなります。実は食べないこと。