マーガレット(木春菊)

科名 | キク科 |
属名 | モクシュンギク属 |
学名 | Argyranthemum frutescens |
別名 | 木春菊 |
水やり | 水控え目 |
場所 | 外の日なた |
難易度 | 上級者向け |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花 | ||||||||||||
植え | ||||||||||||
肥料 |
目次
- 基礎データ(科属など)と目次
- マーガレットとは?
- マーガレットの水やり
- マーガレットの肥料
- 植え付け・植えかえ
- 管理場所・日当たり
- 花ガラを摘む
- マーガレットの剪定
- マーガレットの病気・害虫
- 特徴・由来・伝承
- SNSボタン・関連記事
スマホなら左上の「もくじ」をタッチすると、同じ目次があり、項目をタッチすると項目に直接ジャンプできて便利です。PCは右のサイドバーに目次が表示されます。
マーガレットとは?

愛らしい容姿、花色や花の形も多種あるマーガレットは人気のガーデニング材です。寄せ植え・寄せ鉢にもよく利用されます。しかし、育てるのは意外と難しいんです。鉢植えで季節ごとに置き場所を替えて気を使うよりは、春に花を楽しんだら、後は野となれ山となれの感覚で庭植えするか、空いたスペースで管理するか…という軽い気持ちで挑むのが吉。
マーガレットの水やり


水をやるときは鉢底から水がしみ出すくらいにしっかりとやってください。これは春でも夏でも秋でも冬でも同様です。よく「水やりを控える」と言いますが、それは「頻度」であって量ではありません。水やりをしたら、土が乾くまで水やりは一切せず、土が乾いてから水をやります。大事なのはメリハリです。毎日、ちょっとずつ水をやるのが一番、根腐れしやすいです。
夏の水やり

冬の水やり
冬は土が乾きにくく、水やりの頻度は少なくなりますので注意してください。土に触ってみて土が乾いてから、2日か3日経って水をやります。マーガレットの肥料

液肥をやる場合は2週間に1回。肥料が切れると花が少なくなり、花の色が薄くなり、花が小さくなります。逆に肥料を与えすぎると葉っぱが黄色くなります。肥料を与えなくても枯れることはありませんが、花が減るので様子を見て調節しましょう。
固形肥料は長期間効くが即効性に優れているのは液体肥料。液体肥料はすぐに効果が出ます。
植え付け・植えかえ
時期・頻度
1年に1回か、最低でも2年に1回、理想的には春に咲く前に植え替えを行います。植え替えをしないでいると根が詰まって枯れることがあります。をする理由
生育が良い株の場合は4月〜6月の間に2回植え替えをすることもあり得ます。そのくらいに春の生育が早い植物です。開花時期の植え替えは土を落とさずに、ひとまわり大きな鉢に植え替えるようにしてください。
店で販売しているマーガレットは根詰まり寸前かほぼ根詰まり状態。これは根詰まりさせることで開花しやすくなる(危機的状況になると子孫を残すために開花する)のと、鉢が小さい方が見栄えがいいから。また、用土は栽培時に水やりの手間を減らすために水もちのよいピートモスの多いものになっていて、根腐れをおこしがちです。なので、購入したマーガレットの鉢は速攻で植え替えた方がいい。
用土

余談ですが、店頭にならんでいるマーガレットの鉢の用土は水持ちがよい(=つまり水はけが悪い)ものになっていて、上記の土を植え替えると水やりの間隔が変わるので注意してください。
植え付け・植え替え手順

本来はマーガレットは「ひとまわり大きな鉢」への植え替えでも、根を崩さないで植え替えた方が良いです。特に開花している株は土を落とさないようにした方がいいです。土を落として根が傷つくとダメージからの復活に時間がかかるためです。
しかし、そうなると鉢が年々大きくなって管理しきれないので、土を落としてでも鉢を現状維持しないといけないので、土を落として同じ大きさの鉢に植えるようにするだけです。可能であれば土を落とさないで植え替えしましょう。
庭植えの手順

管理場所・日当たり
日当たりのいい場所を好みます。春と秋は戸外の日当たり。環境が合っていて冬越し夏越し出来れば木質化して低木になります。夏越し
マーガレットは夏の高温に弱いので、夏は戸外の風通しの良い日陰か半日陰、もしくは室内で管理します。前もって…梅雨か夏前に株全体を刈り込んでおくと、夏越ししやすくなります。寒冷地では夏が涼しいので花つきがよく、長く楽しめます。暖地では戸外での越冬も可能ですが、夏の暑さに弱いので夏は風通しのいい涼しい場所で管理してやらないといけません。
越冬
マーガレットは夏の暑さにも弱く、寒さにも強くない植物です。耐寒温度がマイナス5度とされますが霜に当たると枯れます。冬は軒下の霜の当たらない場所か、室内の日当たりで管理します。もしくは霜よけをして寒風の当たらない場所で管理します。霜に当たらない軒下でも寒風が当たると枯れてしまいますので寒風に注意。
購入直後のマーガレットは寒さに弱い

霜は気温が4度以下になると発生します。マイナス5度まで耐えるのに霜に当たると枯れるのは変な感じがしますが、霜にさえ当たらなければ大丈夫ですから、霜に当てないようにしてください。
花ガラを摘む

マーガレットの株は庭植えにしたり、大きな鉢に植えていると、直径1mと大きく育ち、こうなると花ガラを摘むだけで大変です。定期的に挿木して新株を作って小さく仕立て直すと考えた方がいいです。
マーガレットの剪定
3月〜6月に花が一段落したら全体を葉が残るように半分まで刈り込みます。すると摘芯になって枝分かれして盛り返すと花が増えます。6月の梅雨前に同様に刈り込んでやると、夏越ししやすくなります。このとき出た枝で挿し芽をして株を作っておきましょう。9月にも全体を半分、切り戻してやることで株の大きさを抑えられます。
詳細は
の剪定と挿し芽と株の更新を参考にしてください。
マーガレットの病気・害虫
アブラムシ葉・茎・新芽にくっついて汁を吸う虫で、春〜秋のうち特に高温時期に爆発的に増えます。少量のうちに取り除いておくか、薬剤で駆除します。
ハダニ
乾燥すると発生しやすいダニで、葉っぱの裏に潜んで汁を吸います。葉っぱに水をかけるように水やりをしていると予防できます。高温・乾燥する8月前後に発生するのですが、その頃は剪定して葉っぱが減っていて、健康的に管理していると目に見えた被害は少なめに見えるかもしれない。前もってオルトランを散布しておくと予防できるが耐性をつけやすいので、発生したら複数の薬剤をローテーションで使って駆除します。
エカキムシ
葉っぱの中に卵を生みつけ、かえった幼虫が葉っぱの中を食べ進み、食べた跡が絵を描いたように見える。線の端っこに虫がいるのでこれを指で潰す。もしくは前もってオルトランを散布して予防します。
ヒメマルカツオブシムシ
マダラ模様の甲虫で、マーガレットなどの花の花粉や蜜を食べる。ただ、食害はないので、放置でもいい。問題はこの虫が室内に入って、絨毯や衣服にくっついて羊毛や絹などを食害すること。洗濯物を取り込む際に注意し、クローゼットには防虫剤を設置しましょう。
ウドンコ病
白い粉を吹くようなカビの一種で、葉ぶくれと呼ばれる白い斑点が葉に見られる。乾燥すると発生しやすい。特に真夏の高温・乾燥時期に発生するが、この頃はマーガレットは剪定して葉が少ないので、あまり被害は見られない。春に発生した場合は、環境を見直し、病変箇所を取り除いて殺菌剤を散布します。
サビ病
キク科によく見られるカビの一種で、白い病変が見られる。病変箇所を取り除いて、殺菌剤を散布します。
ナメクジ
湿度の高い梅雨時期に葉っぱを食害する。春〜秋に発生しているので、春から誘引駆除剤を使っておくと一回も見ないで済むかもしれない。もしくはビールトラップで補殺します。薬剤はビールトラップについては以下のページを参考に。
バッタ
葉っぱを食べる虫で、近くの雑草からやってくるので、前もって雑草を除草しておくと予防できます。ある程度は大目に見ましょう。
ヨトウムシ
夜になると土中から出てきて食害する芋虫。浸透系のオルトランなどの薬剤をまいておくといいです。対応した薬剤を散布して駆除します。土中の浅いところにいるので、掘り返せば見つかります。
特徴・由来・伝承
和名は「木春菊(もくしゅんぎく)」。越冬して何年も育成すると茎が木の様になり低木化することから、木春菊と呼ばれるようになったと言われる。マーガレットはカナリア諸島が原生で、17世紀末にヨーロッパへ渡り、フランスで品種改良されたことから西欧では「パリデージー」と呼ばれています。ちなみにフランスで「マーガレット」と呼ばれるものは、「フランスギク」という日本で言う「マーガレット」とは違う植物を差します。
ギリシャで「真珠」を意味するマルガリーテスに由来しています。花占いで…「好き」「嫌い」「好き」…と花びらをむしられるのがマーガレットです。