「千両(センリョウ)の育て方」の目次
センリョウ(千両)

科名 | センリョウ科 |
属名 | センリョウ属 |
学名 | Sarcandra glabra |
別名 | 千両 |
水やり | 水を好む |
場所 | 外の半日蔭 |
難易度 | 中級者向け |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花 | ||||||||||||
植え | ||||||||||||
肥料 |
スポンサーリンク
千両(センリョウ)とは?


センリョウは根本からスッと枝が伸びて、ほとんど枝分かれをしません。よって、切り戻しをしても意味がありませんし、樹形も極端に乱れることはありません。ただ茂りすぎると蒸れて下草が枯れてきますので、一度でも実をつけた古い枝を切るようにします。
樹高1m
スポンサーリンク
水やり
鉢植えにしている場合は、土が乾いたら水をしっかりとやります。あまり根腐れはしませんが、水のやりすぎは成長不良を起こしますので、土が濡れている間は水をやらないようにします。庭植えにした場合は、植え付け直後に根付くまで水をやって以降は、雨だけで十分です。夏に日照りが続いたり、根本に日が当たって乾燥するようであれば水をやります。
花に水が掛らないように

肥料

肥料は二月に根本に寒肥として油粕と骨粉を混ぜたものか化成肥料を施します。量を少し控えたほうが株がしまって形がよくなり、実つきもよくなります。油粕が多いと葉はよく茂っても開花しにくくなりますし、肥料が多いと開花しにくくなるので、基本的に控えめにします。しかし、あんまりに肥料が少なくても開花しないので、様子を見て調節しましょう。
植え付け・植えかえ
植え付け・植え替えは4月〜5月にします。鉢植えは2年に一回植え替えをします。小さな苗から育てても4、5年で実をつけるくらいに育ちます。用土

鉢植えの場合は、培養土か、培養土に川砂やパーライトを1割追加して水はけをよくしてから利用するといいです。自作する場合は赤玉土7腐葉土3を混ぜたものを使います。
鉢植え

鉢植えの場合は、植え替えの場合は古い土を三分の一ほど落としておきます。根の負担を減らすため、地上部の枝も半分ほどに切り詰めます。鉢底の穴をアミで塞いで土が出ないようにしてから軽石を2センチから3センチほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
株分けをして、小さな鉢に小分けして植え替えをしてもいいし、一回り大きな鉢に植え替えてもいいし、土を落として同じ大きさの鉢に植え替えてもいい。
庭植え

増やし方
鳥が食べて、果肉が消化されて糞と共に出ると発芽するというシステムで、自然と生えてくるくらいですから、増やすことは普通はしないです。ちなみに切花の千両の実を撒いていても生えてきます。種まきする場合は果肉を取っておく。果肉には発芽抑制物質があり、ついていると発芽しにくい。霜に当たると種子がダメになるので、暖かくなってからまくとよい。センリョウは植え替えの際に株分けで増やします。庭植えの場合も掘り出して株分けして植え直せば増やせます。
挿し木でも増えます。適当に切った木を挿していると20%程度の割合で根付きます。切り口にネメデールなどを濡れば確率は上がります。
管理場所・日当たり
春と秋は半日陰の場所を好み、木漏れ日が当たるようなところが適しています。直射日光が当たる場所なら、寒冷紗で遮光します。あまりにずっと日陰で育てると実腐病で実が落ちます。センリョウに限りませんが、室外機の近くは乾燥した風にあたって大抵の植物は枯れてしまいます。場所を移動させましょう。
夏
夏の暑さには強いのですが、夏の直射日光と強い西日が当たると、葉やけして、葉っぱが黒く変色してしまいます。また、日光が当たりすぎて乾燥で実が落ちることもあります。日光が当たる場所で栽培しているなら寒冷紗やヨシズで遮光してください。もしくは日陰に移動させます。冬
センリョウは冬に切り花で流通するから寒さに強いと思われがちですが、センリョウは霜に当たると傷んでしまい、花芽まで枯れてしまいます。花芽が枯れると翌年の花も咲かず、当然、実も出来なくなります。何かの植物の下にセンリョウを植えておくと、夏はそれが日除けとなり、冬はそれが霜よけとなって、直接霜が当たらなくなり非常に都合がいいです。そんな木がない場合は、寒冷紗をはって霜除けにします。剪定
センリョウは枝先に花芽が出来ますので、他の植物のように切り戻すと花が咲かなくなります。また実は「新しい枝」になり、古い枝には花が咲きづらいので、一旦実がなった枝は、切って、「若い」「未結実」の枝を残します。切るときは、株の根元から切ります。残しても意味がないです。剪定時期は切り花として鑑賞するならば12月前後。剪定自体は3月までにします。切花として収穫してしまうと、お店で買う必要がなくなるのでお得かもしれません。収穫しないで放置しても、3年以上経過した枝には花が咲かないので、古い枝は根元から切ってしまいます。
あまり強く剪定すると株が弱くなりますので、剪定はほどほどにします。
病気・害虫
病気・害虫はほとんど見られないです。水やりが多かったり、枝が密生すると、雑菌が繁殖して立ち枯れ病などが発生します。あとは、実と食べにムクドリなどが飛んできますので、防鳥ネットを張って実を守りましょう。
特徴・由来・伝承
年末に赤い実をつけた切花がスーパーやホームセンター、花屋さんで出回ります。夏に花が咲き、それが翌年の2月まで実をつけます。赤い実は一般に「鳥」についばんでもらって、糞とともに、広範囲に種を撒くためです。鳥は赤しか認知できませんので、鳥向けの花や実は赤い色をしています。センリョウはセンリョウ科、マンリョウはヤブコウジ科と全く違う植物です。実の付き方も違います。他にヒャクリョウ(カラタチバナ)、ジュウリョウ(ヤブコウジ)、イチリョウ(アリドオシ)もあります。全ては赤い実がつきますが、違う植物です。実の付く量・付く位置によって名前がつけられたようです。