ホトトギスの育て方

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ホトトギスの基礎データ

ホトトギス
科名
ユリ科
属名
ホトトギス属
学名
Tricyrtis hirta
別名
杜鵑草・不如帰・油点草
水やり
水控え目
場所
外の日蔭
難易度
中級者向け
ホトトギスの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ホトトギスとは?

ホトトギスはユリ科ホトトギス属の宿根草多年草。山野草で、日陰の湿った斜面などでよく見られます。秋の七草の一つで環境さえ合えば、毎年増えます。日本自生のヤマホトトギスは山の林の中で育つために、直射日光と高温に弱い。タイワンホトトギスと他のホトトギスを交配させたものがよく流通していて、タイワンホトトギスは非常に頑健で気がつくと庭に蔓延ることすらある。基本的に暑さと乾燥を嫌い、涼しい場所を好みます。

春に植え付けるか、昨年のものが芽吹き、初夏から秋にかけて花が咲き、晩秋に地上部が枯れます。このサイクルを毎年繰り返します。
草丈10cmから40cm

ホトトギスの仲間・品種

仲間・品種
ヤマホトトギス(Tricyrtis macropoda)…日本自生で、花が反り返る。
ヤマジノホトトギス(Tricyrtis affinis)…日本自生で花びらが反り返らない。
タイワンホトトギス(Tricyrtis formosana)…長い地下茎が特徴でよく広がる。非常に頑健で邪魔かもしれない。
シロホトトギス(Tricyrtis hirta f. albescens)
キバナホトトギス(Tricyrtis flava)…黄色い花が咲く。草丈は低く15cm前後。
ホトトギス・白楽天(Tricyrtis hirta‘Hakurakuten’)
ホトトギス・松風(Tricyrtis‘Matukaze’)…ホトトギスとタイワンホトトギスの交配種と見られる。花に斑点が多くある。
サツマホトトギス(Tricyrtis hirta var. masamunei)…九州自生の種。茎が無毛。
サツマホトトギス・水無月…紺覆輪の斑入り品種。
ツキヌキホトトギス
タカクマホトトギス(Tricyrtis flava subsp. ohsumiensis)…黄色い花が咲くがキバナホトトギスより草丈が高く30cm前後になる。
チャボホトトギス(Tricyrtis nana)…東海から四国に見られる日本自生のホトトギス。草丈が10cmとかなり低い。
チャボホトトギス・烏葉…葉っぱが黒い
チャボホトトギス・銀葉…葉っぱが銀がかっている。

ホトトギスの水やり

庭植えの水やり

日陰を好み、庭の日陰に植え付けているなら、自然に降る雨だけでほぼ大丈夫。ただし用土水捌けが良すぎたり、日差しが思ったより当たって乾燥していると水切れすることもありますので、様子を見つつ水をやってください。

鉢植えの水やり

乾燥に弱いので、水切れに気をつけてください。特に夏は乾燥しやすく水切れしないように毎日朝と夕方の二回、水をやってください。冬は地上部が枯れ、休眠状態ですので、水は控えます。土が乾いてから数日たって水をやる程度に抑えます。しかし冬も水はやらないといけません。水をやるときは午前中にしましょう。午後に水をやると朝まで水分が残り寒さで霜柱が立って根を傷めます。

ホトトギスの肥料

鉢植えの場合、生育時期の3月から10月の地上部がある間は肥料をやるとよく生育します。この生育期間の間に緩効性化成肥料を月に一回やればいいです。もしくは6月から8月だけはリンの多い肥料にして、他の季節は「油かす」などリンを含まない肥料をやってもいいです。
庭植えの場合は、鉢植え同様に肥料をやるといいですが、少なめにするかやらなくてもいいです。
●小型種(キバナホトトギス・チャボホトトギスなど)は株が小さいので肥料は控えめにする。

ホトトギスの植え付け・植えかえ・種蒔き

植え付け・植え替え時期

地上部のない2月3月が植え付け・植え替えの適した時期です。この時期ならば土を崩した植え替え、株分けも可能。ただし、苗は地上部がある状態で流通するので、根土をいじらないようにして植え付ければいいです。

植え替えは株にダメージがあるのですが、地上部がない時期だとダメージが少なく済みます。なので地上部がある時期に植え替えるときは根土をいじらないようにすればダメージが少なく済みます。できれば地上部を半分ほど切り詰めておくと、より安全に植え替えは可能。

タイワンホトトギスは頑健で2年に1回は植え替えをするが、他のホトトギスは根詰まりするようなら植え替えをする程度。

ホトトギスの用土

タイワンホトトギスとその交配種は頑健で普通の「花と野菜の培養土」でいいです。自作する場合は赤玉土7腐葉土3を混ぜたものを使います。というか、タイワンホトトギスはよほどじゃなければ用土は問題ではないです。
タイワンホトトギス以外のホトトギスは、水はけのよい土で植え付けをしなくてはいけません。市販されている山野草の土で植え付けをします。無い場合は、山砂4桐生砂3赤玉土3を混ぜた土で植え付けします。
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鉢植えの手順

新しい鉢の底の穴を網で塞いで鉢底の穴をアミで塞いで土が出ないようにしてから軽石を2cmから3cmほど入れて、軽石の上に用土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。

地上部がないときなら、土を落として同じ大きさの鉢に植え替えることも可能。この時期であれば株分けも可能。

庭植えの手順

庭土を深さ20cmほど掘り返して、掘り出した土に腐葉土を3割ほど足して、さらに緩効性肥料を元肥として入れてよく混ぜて用土とする。この用土を半分ほど戻して、株を入れ、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやって完成。

庭植えも株が大きくなってきたら3年に一回は掘り出して、株分けして植え替えをするといいです(株の更新)。

挿木

5月から6月に茎を3節から5節取って、切り口側の葉っぱを取り除いて水揚げしてから苗床に挿します。苗床の用土は赤玉土か川砂か鹿沼土バーミキュライトの単用です。あとは乾燥しないように日陰で管理していると三週間前後で発根します。発根したら植え付けてください。

園芸品種は親の性質を確実には受け継がないため、挿木で同じ性質のものを増やした方がいい。一般的には株分けで増やします。

種まき

夏に開花して冬(11月〜12月)に種子ができるのでこれを、取って乾燥させてから封筒などに入れて冷暗所で保存しておきます。

2月〜3月に用土(上記の用土の項目にあるもの)を入れた苗床を用意して、そこに種を5cmおきに2粒程度の間隔でまきます(適当でもいいです)。ホトトギスの適正発芽温度は15度前後と高めなんですが、5度あたりから発芽自体は始まります。土はほとんどかぶせないか、薄くかぶせる程度にします(好光性なので日当たりがないと発芽しない)。発芽して葉っぱが数枚になったら植え替えをします。

園芸品種は親の性質を受け継ぐとは限らないので、挿木か株分けで増やすといいです。

ホトトギスの管理場所・日当たり

春から初夏までの生育期間は日に当てた方がいいので、鉢植えで管理している場合は、日当たりに置いておきます。もしも葉っぱが焼けて変色するようであれば、日の弱い場所へと移動させます。暑さに弱いので、夏になったら風通しの良い日陰に移動させてください。

庭植えする場合は、半日陰か日陰に植え付けします。ホトトギスの自生場所は木の根元や崖や傾斜地などの日当たりの悪いところで生育します。あまりに日陰だと徒長してしまいますが、夏に日がガンガン当たるところに植えるとすぐに葉っぱが焼けてしまいます。

夏の葉焼け対策

乾燥すると葉焼けはしやすくなる。直射日光を避けて半日陰に移動させるか、移動できないなら寒冷紗・ヨシズなどで遮光します。それでも乾燥するようならば葉水・打ち水をして湿度を保つといいです。面倒だけどね。多少葉焼けするくらいなら気にしない!って人は葉水しなくていいです。

越冬

冬は地上部が枯れます。このとき土が凍るようであれば、腐葉土を厚さ10cmほど敷いてマルチングして防寒してやります。そこまで寒くならないのであれば、何もする必要はありません。

ホトトギスの病害虫

白絹病
5月から9月に発生する。特に高温多湿の梅雨から8月に発生する。菌は土壌に数年生存するので一度発生すると来年も発生しやすい。予防法としては乾燥気味に管理する・株元に腐葉土や落ち葉を堆積させないなどある。発生したら病変部分をできるなら取り除き、薬剤を散布する。

ナメクジカタツムリ
日陰の湿気た場所に植えられるので発生しやすい。ナメクジの誘引剤などを使って駆除する。

ホトトギスの由来・伝承

日本でも主に太平洋側に自生する。若葉や花にある斑点が、鳥のホトトギスの胸の模様と似ていることから、ホトトギスと呼ばれるようになりました。ちなみに若葉にある斑点は花が咲くころには無くなります。

ホトトギスは秋の七草の一つ。若芽、若い茎をてんぷらなどにして食べます。

最後に…

ホトトギスは本来は日本自生で、派手すぎない姿は野趣があって雰囲気があります。また半日陰でも育つことからシェードガーデンにぴったりです。その他の半日陰でも育つ植物や、ナチュラルガーデンに適した植物をまとめているので参考にしてください。
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