ギリシャ神話の「ピュラモスとティスベ」:桑は白い実しか付けなかったが、ピュラモス(♂)とティスベ(♀)二人が駆け落ちしたのですが、二人とも死んだ様子を見て悲しみ、黒い実をつけるようになった……この物語は有名なシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の原作です。ピュラモスとティスベが待ち合わせをする場所が桑の木の下の泉でした。
山海経:扶桑(フソウ)という巨大な桑の木が東にあり、その枝に太陽が10個があった。その10個の太陽は代わる代わる空を鳥によって渡ったために、夜が無かった。このうち9個を弓の名手「羿(ゲイ)」が射落としたことから太陽は一つになり、「天が安らぎ、地が喜んだ」。扶桑が東方の島国に生えていたことから、日本のことを「扶桑国」と呼ぶことも。
クワ
バラクワバラ:菅原道真が大宰府に流され、憤死した後、雷神となって京都に復讐しました。しかし、道真の故郷にあった桑原には雷が落ちなかったことから、雷よけのおまじないとして「クワバラクワバラ」と唱えるようになりました。その後、しかられることを「雷が落ちる」と、表現することから、意味が広がり「自分に標的が向かないようにするお呪(まじな)い」として「クワバラクワバラ」と言うようになったという話があります。
クワバラクワバラについては、雷神が井戸に落ち、農夫によって井戸に蓋をされて逃げられなくなったとき、「自分は桑の木が嫌いなので『桑原(クワバラ)』と唱えたら落ちない」と誓ったという伝説からという話も。どちらにしても、雷が桑の木に落ちないということはない。