マルベリー・西洋桑の木の育て方…摘果・収穫・剪定について

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マルベリーの基礎データ

マルベリー
科名
クワ科
属名
クワ属
学名
Morus
別名
西洋桑
耐寒
マイナス20度
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
マルベリーの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…剪定時期…月別スケジュールです。

西洋桑(セイヨウグワ・マルベリー)の特徴は?

西洋桑(セイヨウグワ・マルベリー)はクワ科クワ属の落葉樹。開花時期は4月〜5月で収穫時期は5月〜7月。剪定が大変ですが、栽培自体は簡単で大量に収穫できます。

蚕が食べる唯一の植物として知られる桑(クワ)…ヤマグワ(Morus australis)の仲間。蚕が食べる山桑(ヤマグワ)の葉っぱは大きく、マルベリー=西洋桑とは品種が違います。違うんですがヤマグワでも実の収穫はできます。

ここで言う西洋桑(セイヨウグワ・マルベリー)とはブラックマルベリー(Morus mesozygia Stapf)か、ホワイトマルベリー(Morus alba L.)のことで、日本ではブラックマルベリーがよく知られていますが、最近は健康食品としてドライフルーツのホワイトマルベリーも流通しています。

西洋桑(セイヨウグワ・マルベリー)の実はビタミン・ケルシウム・カリウムが含まれ、フラボノイドも含まれ、活性酸素を除去する効果もあります。
樹高10m…剪定で低木に抑えられますし、鉢植えであれば1.5m程度。
生育が早く、剪定は必須。剪定しないと大変。剪定できない人は植えないほうが良い。
実が大量にできて、収穫しきれず、落果する。そこにハエなどが集まる。それが嫌な人は植えないほうがいい。
種から育てると、結実するまで3年か4年かかります。

特徴・由来・伝承

桑は実が食用として世界中で栽培され、生活に関わっていたためか、たびたび物語の題材として取り上げられています。
ギリシャ神話の「ピュラモスとティスベ」:桑は白い実しか付けなかったが、ピュラモス(♂)とティスベ(♀)二人が駆け落ちしたのですが、二人とも死んだ様子を見て悲しみ、黒い実をつけるようになった……この物語は有名なシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の原作です。ピュラモスとティスベが待ち合わせをする場所が桑の木の下の泉でした。

山海経:扶桑(フソウ)という巨大な桑の木が東にあり、その枝に太陽が10個があった。その10個の太陽は代わる代わる空を鳥によって渡ったために、夜が無かった。このうち9個を弓の名手「羿(ゲイ)」が射落としたことから太陽は一つになり、「天が安らぎ、地が喜んだ」。扶桑が東方の島国に生えていたことから、日本のことを「扶桑国」と呼ぶことも。

クワバラクワバラ:菅原道真が大宰府に流され、憤死した後、雷神となって京都に復讐しました。しかし、道真の故郷にあった桑原には雷が落ちなかったことから、雷よけのおまじないとして「クワバラクワバラ」と唱えるようになりました。その後、しかられることを「雷が落ちる」と、表現することから、意味が広がり「自分に標的が向かないようにするお呪(まじな)い」として「クワバラクワバラ」と言うようになったという話があります。

クワバラクワバラについては、雷神が井戸に落ち、農夫によって井戸に蓋をされて逃げられなくなったとき、「自分は桑の木が嫌いなので『桑原(クワバラ)』と唱えたら落ちない」と誓ったという伝説からという話も。どちらにしても、雷が桑の木に落ちないということはない。

雌雄異株と風媒花

西洋桑(セイヨウグワ・マルベリー)には雄株と雌株がある品種と、雄花と雌花が咲く品種がありますが、どちらにしても自家受粉がされない(同じ木の花粉では受粉しない)ので、雌雄異株の場合はオス株も必要になりますし、雌雄同株であっても、別のマルベリーの株(品種は同じでも違っていても可)が必要です。ようは、マルベリーは一本だけでは実がならない、ということです。

風媒花で、虫がいなくても受粉できます。花粉がかなり遠くまで飛ぶので、近くに雄株があれば、雌株だけでも結実します。例外的に雄花と雌花が1株に開花する雌雄同株の株もありますが、この場合でも二種植えた方が実がなりやすいです。

品種

ポップベリー
オオカラグワの4倍体で実が大きくなり、自家結実性で一本で結実します。
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ララベリー
カタネオの4倍体で、ポップベリーほどじゃないですが大きな実ができます。
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ホワイトマルベリー
実は小さく、枝が弱い。実が真っ白なので特徴で、熟しても色がつかない。
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水やり

庭植え(地植え)の水やり

庭植え(地植え)にした場合は、植え付けしたときに根付くまでしっかりと水をやりますが、その後は日照りでもない限りは水やりは必要ありません。ただし、夏は庭植えでも水切れしやすいので、様子を見て水やりをしてください。

鉢植えの水やり

鉢植えにした場合は土が乾いたら水をやる。

夏は水切れを起こすので、環境にもよりますが、朝と夕方の2回水やりをします。日当たりの良い場所で管理している場合、昼に水をやると沸騰して、根を傷めるので、昼は避けて朝か夕方にしましょう。

冬は落葉し、水が残りやすいので、冬は水やりを控えます。

肥料

西洋桑(セイヨウグワ・マルベリー)は痩せ地でも育つ植物で、追肥がなくても生育します。ただ、肥料があった方がよく生育し、収穫も増えます。

3月と6月に即効性の化成肥料をやります。3月は花のために。6月は花が咲き終わってエネルギーを使い果たしたのでその補給のための肥料です。株元から少し離したところに化成肥料をまきます。鉢植えならば、鉢のフチに化成肥料を置きます。

12月に緩効性の有機肥料(油粕など)をやります。庭植えであれば、株の周囲に穴(深さ20cm〜30cm)を数カ所掘って、なかに有機肥料を埋めます。
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植え付け・植え替え

時期

落葉時期(12月〜2月)に庭への植え付け・鉢植えの植え替えをします。

30センチほどの苗からなら、春に植えて夏に収穫可能(ただし少量)。その翌年からは大量に収穫が可能。

多少の日当たりの悪いところでも収穫が可能ですので、鉢植えにしてベランダ栽培もできるのですが、大きく育つので2年に一回は必ず植え替えをしないと根詰まりをします。鉢底から根が出ているなら植え替えをしましょう。

用土

鉢植えならば、市販されている土で植え付けを行います。自作する場合は赤玉土腐葉土4を混ぜたものを使います。庭植えの場合は、腐葉土か堆肥を入れて用土とします。

鉢植え

植えるなら直径30センチの鉢に植えて、ガッツリ収穫できます。

鉢の底の穴を鉢底網(鉢底ネット)で塞いで、その上に軽石を2センチから3センチほど敷き、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れます。鉢を揺らすと隙間ができますので、用土を入れて埋めてください。最後に水をやって完成。

同じ大きさの鉢に植える場合は、土を三分の一ほど落として、根の負担を減らすために地上部を半分ほど刈るといいです。一回り大きな鉢に植える場合は土を落とさず、地上部を刈らずにそのまま植え替えをします。土を落とさない方がダメージがなく、春以降の生育が良いです。

鉢から引っこ抜く上に、マルベリーが巨大に育っているので、ベランダでの作業は大変、というか困難を極めます。いずれは庭植えにするものだと思いましょう。

庭植え

根鉢の2倍から3倍の直径・深さの穴を掘り、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割ほど追加して、化成肥料を入れて、よく混ぜて用土とします。

この用土を半分、穴に戻して株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をやって完成です。

管理場所・日当たり

日当たりで管理。多少の日当たりの悪いところでも生育します。ただし日当たりが悪いと収穫量は落ちる。暑さ・寒さには強いので日本全国で栽培が可能。

マイナス20度まで耐えます。寒冷地でも収穫ができるのがマルベリーのすごいところ。

摘果(4月〜5月)

実を間引くこと。放置しているとすごい量ができるし、小粒になる。一箇所に2粒か3粒にする。

この一カ所というのは、まぁ、漠然とした言い方ですが、なんとなく果実はまとまって出来ているのは分かると思います。それ、大きな株になると一カ所に凄まじい数の果実がなるようになります。子株のうちはそんなにたくさん付かないので、そのままでもいいです。

収穫(5月〜7月)

黒くなってから収穫します。赤いほうが美味しそうに見えるがまだ酸っぱい。大きな木になったら、地面にブルーシートを敷いて、木を揺らしてボトボト落とすと良いです。

たくさん実がなるが、それが落果して見た目に汚くて、ハエも集まる。できるだけ収穫しましょう。

ジャムを作ろう

生でも十分食べられるのですが、大量に収穫できたらジャムを作るといいです。マルベリーのジャムは特に風味があるわけじゃないので、余ったら作ってみる…くらいです。
材料
●マルベリーの実200g
●砂糖50g〜80g
レモン

実を洗い、ヘタを取り除きます。洗わないとムシがついていますよ。軸も取り除くと青臭さがなくなってよいですが、大量ならば、取っていたら時間がかかってしょうがないです。

実と砂糖を鍋に入れて、煮て、汁が出てきたらレモン汁を入れて、さらに弱火〜中火で煮込み、ジャムっぽいトロミになったら、粗熱を取り、容器に入れて保存します。容器はもちろん、熱湯煮沸消毒しておきます。

剪定

生育が早く、一年で2m以上伸びることはザラで、多少の収穫を犠牲にしても、剪定を優先しないと大きく育って大変なことになります。毎年必ず剪定し、小さくまとめるようにしましょう。特に庭植えは剪定が必須です。

収穫後の剪定(6月)

5月〜6月に収穫し、収穫直後に収穫した枝を下から二芽ほど残して切り戻します。するとその枝の芽から新しい枝が生え、その枝の先に来年、開花・結実します。

7月にはすでに花芽の分化が始まりますので、6月までに剪定が出来なかったら、剪定は次の冬までやめておきましょう。

冬の剪定(1月〜2月)

西洋桑(セイヨウグワ・マルベリー)は小さい品種でも2メートルか3メートルには育ちますので、剪定をして大きさを整えてやります。

花が付く…つまり実が付くのは昨年伸びた新しい枝の中間から先端に掛けての部分だけで古い枝には実が付かない。冬の剪定をする場合は古い枝を根元から切り落とすだけにする。

病害虫

実菌核病

菌核病は、カビというか「キノコ」の一種でキツネノワンタケ(実が白くブヨブヨになる)とキツネノヤリタケ(実が灰色で萎縮する)。実が白く…もしくは灰色…になって、皮が厚くなったり、実が肥大もしくは萎縮して落ちる。落ちると土中に潜んで翌年また感染する。土中に数年は存在するので、対策としては白く変色したら取り除いて捨てる(土の上に捨てないで、生ゴミとして出す)のが大事。

3月に西洋桑(セイヨウグワ・マルベリー)の木の近くに非常に小さなキノコが出て、胞子を飛ばし、その胞子が実について発症する。土壌を消毒するのが好ましい。3月に湿度が高いとキノコが出やすいので、3月に湿度が高くならないように水やりを調節したり、風通しを良くするだけでも違う。また3月4月に小型キノコを見つけ次第、取り除くようにもする。

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