カラミンサの育て方

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カラミンサの基礎データ

カラミンサ
科名
シソ科
属名
トウバナ属
学名
Calamintha nepeta
別名
カラミンサネペタ・カラミント
耐寒
マイナス10度〜マイナス20度
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
初心者向け
カラミンサの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…剪定時期…月別スケジュールです。

カラミンサとは?

カラミンサはシソ科トウバナ属(カラミンサ属)の南ヨーロッパ・地中海沿岸の宿根草の植物。カラミンサ属には種類がいくらかありますが、日本でよく流通しているのは「カラミンサ・ペネタ」ですので、単にカラミンサと記述してあると「ネペタ」であることが多いです。花が大きめのグランディフローラもありますが栽培は同じなのでこのページを参考にしてください。

カラミンサ・ネペタは花の時期も長く、何かと使いやすいことから、流通も多く、花の色も増えています。一般的には白が流通しています。

カラミンサは葉っぱに触れるとミントの香りが多少はしますが、ミントの仲間ではなく、ミントのように地下茎で広範囲に広がって、隣の庭を侵食するということはありません。飽きたら引っこ抜いて駆除できます。増えすぎないのもカラミンサのいいところです。真夏は暑さで開花が止まりますが、春から秋の長期間、開花してくれる頑健なハーブです。

こぼれ種でも増えますし、株もそのままで越冬します。今後手間のかからないガーデニング材として人気が出るかもしれません。寄せ植えにも適しています。
草丈30cm〜50cm
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ミツバチとチョウが寄ってくる

カラミンサはミツバチ・チョウを寄せる蜜源植物として有名で、庭によく集まってくれます。しかし、ミツバチが来るということは、それを食べるスズメバチが来訪することがあるってことです。

カラミンサの種類

葉っぱが小さく花も小さいネペタと、葉も花も大きいグランディフロラ系があります。ネペタにはマーベレッテ、クラウド、モントローズと品種があります。

水やり

鉢植えの場合は、土が乾いていたら水をしっかりとやります。庭植えにした場合は植え付け直後に二週間ほどはしっかりと水をやりますが、その後はほとんど降雨だけでも生育します(天気や地域、場所にもよりますが)

カラミンサは水はけのよい土を好みますが、極端な乾燥に逢うと枯れてしまいますので、日照りが続いているようであれば、しっかりと水をやってください。

肥料

生育時期の…特に花が咲いている期間は液肥を月に2回か3回あげるか、春と初夏、秋に一回づつ緩効性肥料を撒いてやります。

カラミンサ(ネペタ)はやせ地でも育つ植物で逆に肥料が多いと徒長して、か弱くなります。肥料はあくまで少なめ。液肥も薄めで。様子を見て肥料は与えなくても枯れることはありません。

真夏は暑さで開花・生育が止まりますので、夏は肥料を絶対にやらないでください。冬もやらないでください。

カラミンサの植え付け・植えかえ

時期・頻度

植え付け・植え替えは4月〜6月に行います。鉢植えの場合、植え替えは1年か2年に一回行います。

用土

庭植え・鉢植え、共に可能です。

市販されている花と野菜の土でも構いません。もしくはハーブ用の土。自作するのであれば赤玉土4鹿沼土3腐葉土3、もしくは赤玉土6腐葉土3川砂(か軽石)1を混ぜた土で植え付けをします。

鉢の植え付け手順

新しい鉢の底の穴を鉢底網で塞いで、その植えに鉢底石(軽石)を2cm〜3cmほど入れ、用土を入れて、株を入れて、隙間に土を入れ、最後にしっかりと水をやって完成です。植えるときに根をほぐしてから植えると根が広がりやすいです。
参考:一般的な苗の鉢植えの方法

植え替えの手順

植え替える時に古い土を半分ほど落として、根をさばいてから植えます。少し根を切ってさばくことで新しい根が生えやすくなります。同じ大きさの鉢に植え替えてもいいですし、ひとまわり大きな鉢に植え替えてもいいです。植え替えの時に株分けも可能です。適当に切り分けて別々に植えればいいです。

庭植えの手順

植え付けの2週間前に深さ20cmほど土を掘り返し、苦土石灰を混ぜて中和させておきます。1週間で中和が終わるので、1週間後にまた掘り返して今度は腐葉土か堆肥を元の土に対して1割か2割ほど足して用土とします。水はけが悪いなら川砂や軽石を混ぜて水はけをよくしておきます。できればここから1週間ほど土を寝かせてから株を植えます。

株同士は30cm〜40cm空けるように植えます。最後にしっかりと水をやって完成です。

挿木で増やす

挿し木でも、こぼれダネでも増えます。植え替えの時に株分けしても増やすことが出来ます。頑健ですから、無理に挿し木して増やす必要はないでしょう。

挿木をするのであれば6月ごろに行います。茎を2節切って、切り口を30分〜1時間ほど水につけて水揚げします。葉っぱの先まで水が行き渡ったら、切り口に発根剤を塗って、赤玉土小粒単用か挿木用土などに挿し、乾燥しないように水やりしつつ、日陰で管理していると1ヶ月ほどで発根します。発根したら、上記の栽培用土を入れたポットに植えて育てて、1ヶ月後には植え付けます。

管理場所・日当たり

日当たりが好ましいですが、日陰・半日陰でも生育は可能です。ただし日当たりが悪いと花つきが悪くなり、葉っぱがひょろ長く伸びるなどして樹形が乱れ、香りが鈍くなりますし、不健康になり夏の蒸れにも弱くなります。とにかく、できるだけ日当たりで育てましょう。

水はけのよい場所であれば、何もしなくても育ちます。

夏越し

環境が合えば、夏もよく開花してくれます。花が白くて涼しげなので夏に開花すると香りもあっていい感じです。この場合の環境は日当たりと水はけです。暑さには強く、蒸れには少し弱いですが、他の植物に比べると強い方じゃないかと思うほど。

もしも夏の暑さで開花が止まったら肥料はストップしましょう。蒸れると枯れ込む環境であれば、前もって風通しよくするために、剪定して葉っぱをさばいておくといいです。

越冬

寒さに強くよほどの寒冷地でない限りは戸外で越冬。耐寒温度はマイナス10度。ただし霜柱で根が持ち上がって傷んでしまうので、霜柱が立つような地域は根元を腐葉土などでマルチングする。マルチングすれば問題ない。鉢植えならば、凍らない場所に移動させてください。

カラミンサの剪定

梅雨前の剪定

カラミンサは過湿にちょっと弱く、刈り込んで風通しをよくしておきたいので、梅雨の前(6月上旬)に地表10センチか20センチまで刈り込みます。風通しが悪いと、完全に枯死しないまでも、葉っぱが傷んで見た目が悪くなります。それに冷涼地以外では真夏は暑すぎて開花しませんから、梅雨前に刈り込んで、過湿・暑さ対策をしておきます。
でも、春から秋まで花が咲いているから剪定しにくいんですよね。花ももったいないけど、花に集まるハチやチョウに申し訳なくて…

晩秋の剪定

晩秋にも地表ギリギリまで刈り込みます。暖かい地域では地上部が枯れずに越冬することもありますが、大抵は冬の寒さで地上部は枯れるものです。そのままにしていると春に新芽と枯れ枝が混在して汚く、そうなってからだと剪定が難しいので、晩秋に刈り込んでおくといいです。

また晩秋に刈り込むと、日光が根本まで入って、冬芽が増えますので、刈っておきましょう。春以降の生育に影響します。

病気・害虫

アブラムシ
アブラムシは新芽などの柔らかい部分にたかって汁を吸い、弱らせる害虫。単為生殖で少量から爆発的に増えるので、特に高温時期(8月前後)は早めに駆除したい。アブラムシに限らずですが、株が弱ると発生しやすいので、健康的に管理するのが一番の予防になります。

ハダニ
ハダニは小さなダニで少量から爆発的に増えるので、発生したら早めに薬剤で駆除するなどしたい。乾燥すると発生しやすく、葉っぱに水をかけることで予防できます。

ヨトウムシ
ヨトウムシは夜になると土中から出てきて葉っぱを食べる芋虫。大きな糞を残して食害しているのに虫が見当たらないならヨトウムシ。大きくなってから被害が露骨になるだけで、その前から被害は十分あって、オルトランなどの浸透性薬剤を散布しておくことで予防できます。

ウドンコ病
ウドンコ病は白い粉を吹くカビで、乾燥する高温時期に発生しやすい。発生しても放置で治癒することもあるが、薬剤を散布して治療しつつ、予防もしましょう。

灰色かび病
灰色カビ病は20度前後の低温かつ過湿の状態で発生しやすいカビ。梅雨前に剪定して刈り込んでおき、風通しをよくしておくとほぼ見られないです。

特徴・由来・伝承

葉っぱに香りのあるハーブ。耐寒性がある常緑多年草。花の時期が長く、日当たりで育てていると小さな花がたくさん咲く。初心者向き。日陰でも生育しますが、花つき・樹形も悪くなるので、植えるのであれば、日当たりへ。

カラは「美しい」。ミンサは「ミント」。カラミンサは「美しいミント」という意味。

ここで取り上げているのはカラミンサのネペタ。ネペタは古代の都市国家エトルリアの南部の町ネペタに由来した名前です。カラミンサにはもう一つ花の大きなカラミンサ・グランディフローラという品種があります。グランディフローラは花の時期が短いこと、花も葉っぱも樹形も大きいことから、あまり一般的には好まれず流通量も少ないです。よって流通しているのは「ネペタ」です。
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