ゲッケイジュ(月桂樹)の育て方

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ゲッケイジュの基礎データ

ゲッケイジュ
科名
クスノキ科
属名
ゲッケイジュ属
学名
Laurus nobilis
別名
月桂樹・ローリエ・ローレル・ベイリーフ
耐寒
マイナス8度
水やり
水控え目
場所
外の半日蔭
難易度
初心者向け
ゲッケイジュの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ゲッケイジュ(月桂樹)とは?

月桂樹(ゲッケイジュ)はクスノキ科の常緑高木。根本から枝が出て伸びる。4月5月に開花し、メス木には結実するが花と果実には鑑賞価値はあまりない。雌雄異株だが、日本には挿木で増えたオスの木ばかりで、メスの木が少ない。果実はメスの木にしかできない。他の樹とは違い、横に伸びずに上へ上へと成長しますので、狭い場所に植えても邪魔になることもありません。また耐陰性があり、少々日当たりが悪いところでも、枯れずに生育しますので、建物の間のデッドスペースなどに植えることが出来る便利な園芸植物です。

暑さにも強いですし、寒さにも強く、関東以北の宮城でも戸外で越冬可能です。

料理に使うことが出来るので、定期的に収穫を兼ねて剪定します。春(4月)と秋(10月)に適当に剪定します。月桂樹は花を楽しむものではありませんので、これといったコツはありませんが、葉や枝が込み合っていたら風通しが良くなるように枝をさばいてください。
樹高最大15m…剪定で小さくはまとめられる。剪定で3m以下にとどめるようにする。
横幅最大6m…剪定で1mから2mにまとめる。
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由来・伝承

古代ギリシアでは月桂樹の葉っぱを編んだ冠、「月桂冠」を勝利の象徴として、勝利者に捧げられる。また月桂冠は大詩人も被る。月桂冠を得た詩人を「桂冠詩人(ケイカンシジン)」と呼びます。その性質から昭和では校庭に記念樹として植えられることも多かったが現在は少ない。代わりにオリーブを植えられることが多くなっている。

日本には明治9年ごろに入ってきた。日露戦争の戦勝記念で東郷平八郎により日比谷公園に植樹された。

ゲッケイジュの葉っぱはローリエ(仏語)とかローレル(英語)と呼ばれる香辛料として知られています。

最初のまとめ

●月桂樹(ゲッケイジュ)はクスノキ科の高木。料理に使われるハーブ。庭木としては育てやすい方。剪定にも強い。
●スパイスとして使う場合は葉を乾燥させてから使う。
●日光を好むが半日陰くらいなら問題ない。
●鉢植えなら土が乾いたら水をやる。
●庭植えの場合は植え付けて2年は根が張っていないので水切れしやすいので注意する。2年経てば自然に降る雨だけで十分。
●庭植えは2月に有機肥料を、鉢植えは3月に緩効性化成肥料をやる。

品種

ラウルス・ノビリス・オーレア(Laurus nobilis 'Aurea')…葉っぱが黄色い。日当たりがよいほど葉っぱが黄色い。
ラウルス・ノビリス・バリエガータ(Laurus nobilis 'Variegata'=フイリゲッケイジュ)…斑入りタイプ。
ラウルス・ノビリス・アングスティフォリア(Laurus nobilis 'Angustifolia'=柳葉ゲッケイジュ)…細葉のゲッケイジュ。

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水やり

鉢植えで管理している場合は土が乾いていたら水をたっぷりとあげます。

庭植えした場合は、根付くまでの2週間ほどは水をやります。また植え付けて2年は根が広がり切っておらず、水切れが起きやすいので様子を見つつ水やりをします。一旦根が広がったら真夏によほど乾燥しない限りは、降雨だけで十分です。
●乾燥に強いが、カラカラにすると生育不良を起こす。多少、湿り気がある方が生育が良い。

肥料

庭植えは2月に、肥料に当たると根が肥料焼けを起こすので、当たらないくらい株から離して、周囲に深さ20cmほどの溝を掘って有機質肥料(油かす・骨粉)を入れて混ぜ込んでやる。鉢植えの場合は3月に株元に緩効性化成肥料をやります。
●有機質肥料は効くまで二ヶ月ほどかかり、緩効性化成肥料は効くまで一ヶ月かかる。庭植えが2月で鉢植えが3月に施肥するのはこのため。
●肥料がなかったからといって枯れるわけでは無いので、肥料をやらないでもいいです。痩せ地でも育ちます。

植え付け・植えかえ

時期

鉢植えも地植えも春(4月)か秋(9月)に植え付けもしくは、植え替えをします。

個体によっては香が弱いことがあるので、料理用に栽培するのであれば、手にとって葉っぱを揉んで香りを確認する必要がある。

用土

水はけがよい土に植えてください。赤玉土6腐葉土3川砂1を混ぜた土か、室内で管理するなら観葉植物用の土で植え付けます。
●配合例:赤玉土7腐葉土3

鉢の植え替え

古い鉢から株を取り出し、一回り大きな鉢を用意します。新しい鉢の底の穴を網で塞いで、その上に軽石を2センチほど入れ、用土を入れて、株を入れます。株は土を崩さず、根をいじらないようにします。ゲッケイジュは直根性で根をいじると生育不良を起こします。高さを調節しつつ、株と鉢の隙間に用土をつめていきます。最後に、水をたっぷりとやって完成です。
●一回り大きい鉢とは古い鉢より1号か2号大きい鉢のことです。

庭への植え付け

深さ50cm直径50cmほど掘り返し、用土に腐葉土を2割ほど追加して用土とする。粘土質で水捌けが悪いのであればバーミキュライトや川砂を追加して水捌けをよくする。半分の用土を戻し、高さを調節しながら、ゲッケイジュの株を入れる。株の土は崩さず、根をいじらないようにする。ゲッケイジュは直根性で根が傷つくと生育不良を起こします。隙間に用土を入れていき、最後に水をたっぷりとやります。

増やし方

挿木

7月〜8月に今年伸びた新しい枝を10cmほど取り、赤玉土単用の苗床に挿して、乾燥しないように日陰で管理していると一ヶ月ほどで発根します。発根したら植え付けます。

種蒔

メスの木の場合、種子が取れる。種子は発芽するまで半年かかる。一般的には挿木で株を増やす(オスでもメスでも)。

管理場所・日当たり

暑さには強いが寒さに若干弱く、関東以西が適した土地とされる。生育が早く5年で樹高が3mに達するため、広い場所が必要となる。ただし、剪定で小さくすることも可能。

春から秋の管理場所

本来は日当たりが好ましいですが、耐陰性があり日陰気味の場所でも育ちますので、都合の良い場所に植えてください。夏の暑さには強い。

冬の管理場所

地中海に自生している植物なので寒さには弱い…とされるが、耐寒温度はマイナス8度と寒さには強い方。寒風には弱いので寒冷地では寒風が通らない場所で管理する。

収穫

ゲッケイジュの葉っぱを乾燥させたものがローリエ。葉っぱを収穫して軽く洗って、風通しの良い日陰で乾燥させます。乾燥させることで甘みが増し、香りが強くなります。梅雨や秋の長雨の時期だと乾燥しきれずカビるのでそういう時期は避けます。
乾燥したら瓶に乾燥剤と一緒に入れて保存します。
カイガラムシが発生すると、カイガラムシの糞に黒いカビが生えます(=スス病)。スス病自体は毒ではないのですが、見た目が悪い。もちろん葉っぱにもスス病は発生するので、食用として栽培しているのであればカイガラムシの駆除はしっかりとしておきましょう。
●ローリエは乾燥させないと苦い。乾燥させないで使うこともあるが一般的には乾燥ローリエを使うのが普通。

病害虫

枝がよく伸びるため、放置していると風通しが悪くなり病害虫が発生しやすい。剪定して枝をさばいて風通しをよくすることで病害虫を予防できる。
スス病
スス病はカイガラムシやアブラムシといった植物の汁を吸った虫が出す糞に発生する黒いカビのこと。スス病でゲッケイジュが枯れることはないが、黒い部分は取り除けず、見た目が非常に悪い。スス病はカイガラムシなどをちゃんと駆除していれば発生しない。

カイガラムシ
動かない虫で、枝から汁を吸っている。見つけ次第、ブラシなどで擦り落としてください。大量に発生しているときは薬剤を散布して駆除します。成虫のカイガラムシには薬剤が効かないのですが幼虫には効くので、定期的に何度も散布していなくなるまで繰り返します。
放置しているとスス病が発生するので早めに対処します。
●食用にするなら、薬剤の散布は避けてブラシで取り除くようにするか、用法を守って薬剤を利用する。

病害虫と対応の農薬
カイガラムシ→ カダンK
ロウムシ→ カダンK

剪定

剪定に強く、刈り込んでも復活する。剪定に適した時期は真冬以外。幾何学なキッチリとした樹形に剪定することもできるが、強く剪定すると花・実が見られなくなる。花・実には鑑賞価値はあまりないので一般的には気にせず剪定する。一般的には風通しをよくする程度の剪定にとどめる。
●刈り込んで枝を密生させて、生垣にすることも。生垣にする場合は、定期的に刈り込んで整形する。
スタンダード仕立にすることも。
花芽は秋にできる。秋以降はツボミが目視できるので、花が見たいならば残すように剪定する。
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