ハイブリッドティー栽培の詳細解説版
TOP > バラ科 > 薔薇 > ハイブリッドティー最終更新【】ハイブリッドティー詳細版
科名 | バラ科 |
属名 | バラ属 |
学名 | Rosa |
耐寒 | マイナス20度 |
水やり | 水を好む |
場所 | 外の日なた |
難易度 | 上級者向け |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花 | ||||||||||||
植え | ||||||||||||
肥料 |
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ハイブリッドティー系とは?
ハイブリッドティー(HT)はバラ科バラの品種群の名前。落葉性低木。樹形は枝が上に伸びる直立性、斜め上に伸びる横張り性と、その中間の半横張り・半直立性があります。1867年にハイブリッド・パーペクチャアル系(19世紀に代表的な品種群で一季咲)とティーローズ(紅茶の香がする品種群で四季咲き)を配合させて生まれた品種「ラ・フランス」が作られ、この性質に近い品種がこれ以降、作られたため「ハイブリッド」「ティー」と呼ばれています。
ブッシュ樹形で剣弁、高芯咲きで大輪、1枝に一輪咲き、四季咲きが多いが、いろんな種類がある。切り花にされることが多く、花屋で見る「バラの切り花」をイメージしたのが大抵はハイブリッドティーです。
樹高40cmから2m
水やりの基礎
葉っぱに水をかけないようにし、土にそっと注ぐ。泥はねすると病気になるので、マルチングをして、その上でそっと土に注ぐようにする。●ハダニ予防のためには葉っぱに霧吹きで水を掛ける。そのときは葉っぱの裏にも水がかかるようにする。
●開花中は水やりが多いと花が大きく咲きやすい。ただし品種によっては乾かし気味にした方が色合いが綺麗に出るものもある。
●開花中は水やりが多いと花が大きく咲きやすい。ただし品種によっては乾かし気味にした方が色合いが綺麗に出るものもある。
12月から2月の水やり
庭植えにしたら冬の水やりはほぼ不要。休眠していて水をあまり必要としていません。ただし植え付け後であれば植え付け後一週間に雨が降らなければ水やりをします。鉢植えの場合は土が乾いていてから数日経って水をやります。週に一回か、10日に一回が目安です。水やりは鉢底から水が出てくるくらいまでしっかりとやります。土が凍るくらい寒い時期は水やりは午前中にやります。夕方にやると水が土中に残って明け方に凍って根を傷めます。
3月から11月の水やり
庭植えの場合も3月以降は水やりをする。水が不足すると表面状は…葉っぱがしおれたりしていなくても…花が開花しなかったり、花が落ちたりするので水切れにはしないようにする。また、元肥・お礼肥をやっても水をやらないと染み込まず、バラが吸収しないので、特にお礼肥を施肥した肥料の効きのためにも水やりは意図的にする。鉢植えの場合は土が乾いてから水やりをする。バラは午前10時から3時くらいまでが光合成が活発に行われるのでこの時期に水が切れないようにします。
鉢植えは乾燥しやすく、土が乾燥すると水が染み込みにくくなるので、時間をかけて水をやる。もしくは土を割り箸などで深さ2cmほどのザクザク穴を開けてから水をやる。
水やりはメリハリ
根は水を求めて広がるため、水やりが多いと浅い部分に根が広がり、深い部分(=地下)に根が広がらない。しっかりと根を張らすには、しっかりと乾燥させてから、しっかりと水をやる…メリハリのある水やりをすることで根を深くまで張らせるといいです。庭植えで水やりが多すぎて夏の日照りに弱くなる…ということがありますので注意。
夏は水切れ注意
夏場は蒸散が激しく、水切れを起こしてしおれやすい。土への水やりでも不足するようなら葉っぱに水を霧吹きでかけてやる。葉裏にもかけることでハダニ予防にもなる。ただし、庭植えの場合、根が弱っている可能性があると考えるべき。マルチングをしていて適切な用土配合なら普通は起きない(品種はその他の事情もあるかもしれないけど)。水やり過多で地中に根が広がっていないとか、ネキリムシがいるとか。単に「土の水はけが良すぎる」のかもしれない。
元肥(寒肥)
元肥(寒肥)は一年の基本となる肥料で、5月の開花のための肥料です。12月から2月に肥料をやります。化成肥料(バラ専用肥料など)なら効果が一ヶ月くらいで出るので2月(3月からバラの芽が動き始めるため)。有機肥料(油かすなど)なら効果が出るのが遅いので12月から1月にやります。バラ専用肥料を説明書きどうりにやるか、油かす200g(窒素)・骨粉200g(リン)・熔成リン肥200g(リン+MgやMnなどの微量要素)・草木灰(カリ)200gをやります。元肥の注意事項
元肥は窒素1:リン2:カリ1の割合がよいとされる。緩効性肥料もリンが多いものを使う。赤土・黒土はリン酸を吸着してしまう(吸い取ってバラに行かない)。なのでリン成分を多めにする。
庭植えで元肥をやる手順
株から40cm離れたところに肥料をやる深さ10cmの溝を株の周囲を取り囲むように掘ります。40cmは根に肥料をあてないため。根に当たると肥料焼けします。肥料を吸収する根は深さ25cmまでなので深く掘っても意味はないです。また溝には腐葉土か堆肥を1株あたり10リットルほど混ぜ込んで埋めておきます。庭植えで元肥の注意事項
周囲に溝を作るのではなくて、株から40cm離れた場所に二箇から四箇所の穴を掘って上記の肥料+堆肥(か腐葉土)を埋めるのでもいいです。溝・穴を掘ったときにコガネムシの幼虫(ネキリムシ)がいたら、補殺します。
マルチング
元肥をやり終えたら、ワラかピートモスかバークなどでマルチングします。腐葉土はコガネムシの幼虫が住みやすいのでマルチングしない方がいい。マルチングは水の蒸発を防ぎ、水切れ防止と、黒星病の予防です。黒星病は泥ハネの泥から感染する。マルチングすることでかなり予防できる。
鉢植えの元肥
鉢植えは肥料を地表におきます。鉢の縁の近くに専用肥料を置くか、油かす・骨粉・熔成リン肥を混ぜたものを軽く混ぜます。お礼肥(5月から9月)
一番花が終わったら、花で消費した栄養を補給し次の花を咲かせるための肥料をやります。これをお礼肥といいます。緩効性化成肥料を1株当たり100gから200gほどを、株の周囲40cmに深さ5cmの円形の溝を堀り、よく混ぜて埋めます。この肥料が切れないように4月から9月の間は肥料を継続してやります。粘土質の土だと肥料は長くとどまり、水捌けが良いと肥料は流れやすい。特に水やりが多くなる7月から8月は肥料が切れやすいので注意する。9月10月の開花が最後ですので、その頃には肥料が残らないようにする。
●肥料は有機肥料(油かす+骨粉)などを定期的にやりつつ、補助的に化成肥料・液体肥料を使うといい。このあたりはそれぞれによって違う。
●新苗は開花しない(開花させない)が、5月から9月まで肥料を継続してやる。
●一番花が開花している時は追肥はしない方がいい。二番花以降は影響はないので気にしない。
●窒素過多になると病害虫が増えやすい。追肥が要因だと思われたら追肥は控える。
●液体肥料なら、1000倍を1株あたり2リットルから3リットルやる。早くよく効くが、金がかかる。バラは肥料喰い(=肥料をたくさん必要とする)ので有機肥料・固形肥料の方が安上がりで一般的。
●新苗は開花しない(開花させない)が、5月から9月まで肥料を継続してやる。
●一番花が開花している時は追肥はしない方がいい。二番花以降は影響はないので気にしない。
●窒素過多になると病害虫が増えやすい。追肥が要因だと思われたら追肥は控える。
●液体肥料なら、1000倍を1株あたり2リットルから3リットルやる。早くよく効くが、金がかかる。バラは肥料喰い(=肥料をたくさん必要とする)ので有機肥料・固形肥料の方が安上がりで一般的。
植え付け・植えかえ
大苗の植え付けは12月から2月。すでに植えている鉢植えの植え替えも土を落としたり、根をいじるのであれば12月から2月。土を落とさないで根を崩さないでの植え付けや植え替え(=鉢増)であれば夏(7月8月)以外であれば可能です。植え付け・植え替えの詳細な手順は以下のリンクを参考にしてください。
管理場所
1日5時間以上、日が当たる場所で管理します。冬は?
寒さには強く、冬は落葉していて、日光が不要なので、鉢同士はぴったりくっつけて管理してもいいが3月以降は生育し、日光を欲しがるので株同士は離して日光があたるようにして管理する。気温と生育サイクル
最低気温が7度以上で生育しはじめ、16度で花芽分化。春(4月以降)から開花が始まります。夏の暑さ(27度以上)で生育が悪くなりますが、秋にはまた色の濃い花が復活し、冬になると生育が止まる。最高気温が4度以下になると落葉して完全に休眠する。剪定・切り戻し
冬剪定(2月)
冬剪定の時期12月から2月に冬剪定を行う。2月には芽が膨らんでいるため、剪定がしやすいので2月がよい。芽が成長しはじめる3月までに行う(地域によっては1月までに剪定を行う)。
冬剪定の目的
ハイブリッドティー系は1枝に花を一つ咲かせるのですが、切り戻しが甘いと枝が増えて花が増えるのですが花が小さくなって見栄えが悪くなってしまいます。しっかりと切り戻しましょう。
冬剪定の手順
冬剪定の手順は★冬剪定を参考にしてください。剪定した場所から50cmから70cmほど高い位置で花が咲きます。花が自分の身長と同じか下で開花するようにすると綺麗に見えます。
剪定をすると株全体が元の樹高の半分から三分の一の高さになります。
その他の作業
石灰硫黄合剤を散布する。マルチングする。
芽かき(3月4月)
3月4月に芽が動き始めるが、元気の良い枝からは一本で二つか三つの芽が動き始めることがある。このまま伸ばすと栄養が分散され、どの枝も細く貧弱になってしまう。そこで元気の良い芽を一つだけ残してあとは芽を手で取り除く。また株の下の方でどー考えても日光が当たらないような場所に出た枝や、葉っぱしか出ない新芽は4月に落としてしまう。放置していると風通しが悪くなるので取り除く。
剪定の時点では芽かきはしない
剪定の時点では芽かきはしない。3月4月になってから作業する。2月では健康だった新芽が寒さに当たったのか理由はハッキリしないが、枯れ込むこともあるし、日当たりが悪かったのか生育が鈍いこともある。3月4月の時点で調子の良い新芽だけに間引くようにする。ブラインド処理(4月)
4月にはツボミがつくが、枝の中には葉っぱが生えて伸びているのにツボミが出てこないものがある。この枝は放置していると細い枝が3本ほど出て伸びるだけで、花が咲かない。この枝を「ブラインド」と呼びます。この枝は5枚葉を3本か4本ほど切り戻すことで、その下から脇芽が出てツボミがつきます。ツボミの間引き(4月)
ハイブリッドティーは房咲きさせず、1枝で1輪咲かせるようにします。ツボミは何個かまとまって出てくる(大体3個)ので、中央の大きな元気のいいツボミだけを残してあとは取り除きます。枯れ枝の切り戻し(3月4月)
大苗や剪定した枝の切り口が変色して枯れ込むことがある。枯れ込んだ部分の新芽も当然枯れてしまっているので、変色した部分から下の健康的な新芽が残っているところまで切り戻す。変色していなくても、3月4月になっても動きのない枝は健康な新芽のところまで切り戻すようにする。花ガラ剪定(5月から10月)
開花が終わったら、花が咲いている枝の五枚葉を2枚か3枚を切り戻します(三枚葉は無視)。その下の五枚葉の根元から新芽(新枝)が出てきます。2枚か3枚を切り戻すと枝が短くなりすぎる場合は一番上の五枚葉を残すように剪定します。秋に開花させるために夏剪定を
8月〜9月に夏剪定をやると、9月〜10月に開花します。地域や年(暖冬)によっては11月にももう一回開花するので、花ガラ剪定をするといいです。この時の剪定は、枝の一番上の五枚葉のすぐ上で切ります。11月以降の花ガラ剪定
11月以降の花ガラ剪定は花ガラを摘むだけにし、一枚でも多くの葉っぱを残し、株の充実させます。シュートの剪定(5月〜11月)
シュートの剪定5月に株元から勢いのよい枝が伸びてきます。この枝が40cmくらいになって、先にツボミがついたら先端を数センチほど切り戻します。剪定しないとニョキニョキ伸びるばかりで太くならず、後々困ります。
10月11月に出るシュートはうまく生育しないので根本から切ってしまいます。
サイドシュート(サッカー)の剪定
株元から出てくるシュートとは別に、枝の途中から突然、ニョキニョキと勢いのいい新枝が伸びてくることがあります。サイドシュートとかサッカーと呼びます。サイドシュートもシュート同様に先端を切り戻して脇枝を出させて開花させます。
夏剪定(8月〜9月)
高温時期はハイブリッドティーは生育が悪くなり株が弱り、花も減りますし、開花しても花もちが悪くなります。夏剪定はこの時期に花をリセットして涼しくなる(18度から22度)になる9月10月に開花させ、色の良く、健康的で花持ちの良い花を咲かせることで、多くの花を秋に咲かせるための剪定です。冬剪定のようなリセットするためのものじゃないので、切り戻ししつつも葉っぱは出来るだけ減らさないようにします。●秋はバラの季節…じゃなくて「夏剪定して秋にバラを咲かせてるだけ」です。
夏剪定の時期は?
剪定時期は8月下旬から9月上旬。夏剪定が遅いと開花してもすぐに霜が降りる時期になってせっかく花もちがいい時期なのに意味がない。早めにしておきましょう。早咲…剪定から35日から42日で開花。
普通咲…剪定から43日から47日で開花。
遅咲き…剪定から48日から55日で開花。
普通咲…剪定から43日から47日で開花。
遅咲き…剪定から48日から55日で開花。
よくわからない場合はこれまで同様に花ガラ剪定を継続させてもいいです。
夏剪定の時期と花芽分化の関係
バラの花芽分化は16度から25度に起きる。枝が伸びて花芽分化するときにこの温度にしたい。遅いと枝が伸びて花芽分化するときに16度以下で開花がないこともある。また、開花しても気温が23度以上だと花の持ちがよくない。この条件を満たす期間が8月下旬から9月上旬とされる。地域によっては前後するが、大体このくらい。夏剪定の手順
二番花が咲いた枝か三番花が咲いた枝のどちらかの途中まで切り戻します。切ったすぐ下の葉っぱの根元から新芽が出て花が咲くので「元気の良い」葉っぱの上で切って残すようにします。1cm以上の太さの枝で切ると開花が遅くなり、開花しても長く鑑賞できなくなるので、二番花が咲いた枝の太さが1cm以上なら三番花の枝を切り戻します。枝は7mm以上じゃないと花が小さくて意味がないので、7mmから1cm以下の枝で切るようにします。上記の枝に当てはまらない…今年伸びたけど開花していない枝は五枚葉を四枚残して切り戻します。放置していると小さな花を咲かせるで切り戻しましょう。
シュートは5月6月あたりに先を切り戻しているので、脇枝が出ているはずです。その脇枝には花が咲いていない場合も、その枝の半分くらいの五枚葉の少し上で切って新芽を出させてやります。
●夏剪定は樹形を整えるものではないです。樹形は冬剪定でバッサリと綺麗にまとめて仕舞えば良いです。
●秋のツボミも間引きするといいが、秋はツボミが少なめなのでしなくてもいい。
●秋のツボミも間引きするといいが、秋はツボミが少なめなのでしなくてもいい。
その他の作業
台風対策
台風で枝が折れたり、葉っぱが飛んだり、トゲが葉っぱに突き刺さってボロボロになるなど大変なので、鉢植えであれば風の通らない場所に移動させます。庭植えの場合は、支柱を立てて動かないように紐で括っておきます。台風は雨が飛んで黒点病の菌を葉っぱに付着させるので、台風がくる前に黒点病の予防剤を散布しておくといいです。通過した後も予防剤を散布するといいです。
積雪対策
積雪が多い地域では、雪が降るまでに軽く剪定(細い枝・老化した枝・弱いシュートを切る)をします。根雪が降ったら、支柱を立ててくくりつけて折れないようにします。スポンサーリンク