芍薬(シャクヤク)の育て方

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シャクヤクの基礎データ

シャクヤク
科名
ボタン科
属名
ボタン属
学名
Paeonia lactiflora
別名
芍薬
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
シャクヤクの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

芍薬(シャクヤク)の特徴は?

芍薬(シャクヤク)はボタン科ボタン属の多年草。秋に植え付け、春(5月前後)に非常に大きな花が開花します。同じボタン属のボタンは「木」で、シャクヤクは「草」。ちなみにボタンは芍薬(シャクヤク)の根に接木しているものがほとんどです。

日本で改良された一重咲きなどシンプルな和芍薬と、ヨーロッパで改良されたバラ咲などの洋芍薬があり、洋芍薬の方が派手で香りも強いですが、和芍薬の方が楚々として日本人の感性には合っていると思います。

水やり

鉢植えの水やり

芍薬(シャクヤク)は乾燥を嫌います。土が乾いたら水をタップリとあげてください。水切れを何度も起こすと生育不良を起こします。葉っぱがしおれる前に水をやるようにします。もちろん水をやりすぎると根腐れを起こします。受け皿に溜まった水は捨ててください。

庭植えの水やり

庭植えの場合は、日照り続きで乾燥しない限りは自然に降る雨だけで十分です。

肥料

芍薬(シャクヤク)は肥料食いです。肥料が不足するとセンチュウが発生しやすくなりまし、花が小さくなったり、生育不良を起こします。3月(開花前)、5月〜6月(開花後)、9月(根を伸ばすため)、10月(根を伸ばすため)に緩効性の化成肥料を与えます。量は肥料によるので説明書きに準じてください。

肥料が根に当たると根が傷むので、根から離してやります。株の周囲に円状に肥料をやります。

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植え付け・植えかえ

時期・頻度

芍薬(シャクヤク)は根が細く、生育するのに時間がかかります。芍薬(シャクヤク)の植え替えのポイントは、根がちゃんと生育するようにしすること(植え替えてから1年以内は乾燥させない)。

鉢植えにした場合、3年か4年に1回、一回り大きな鉢に植え替えます。植え替える時期は9月~10月。根が伸びるのが10月~11月ですので、これ以降に植え替えなどを行うと、根が上手く張れずに翌年の5月に花が少なくなったり、花が小さくなることがあります。芍薬の春植えは、やむをえない場合を除き極力避けるべきです。

庭植えも生育が悪くなってきたら、掘り上げて株分けすると更新されて生育が回復しますので、何年かに一回植え直しをします。ただ、掘り上げ→植え付けはシャクヤクにとってストレスなので頻繁にはしないようにします。

用土

鉢植えの場合は一般的な培養土で植え付けます。自作する場合は、赤玉土腐葉土3川砂2の水はけのよい土を用意します。もしくは赤玉土(中粒)4鹿沼土4腐葉土1〜2もみ殻燻炭1を混ぜたものを使います。

庭植えの場合は、堆肥や腐葉土を追加して、水はけが悪いなら、川砂・軽石などを入れて水はけをよくして植えましょう。

鉢植え

7号〜8号に1苗を目安に植え付けます。

鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやります。

植え替えの場合は、土を3分の1ほど落として、同じ大きさの鉢かひと回り大きな鉢に植え替えます。

庭植え

深さ30cmを掘り返し、穴を掘って底に鶏糞を混ぜ込んでおきます。鶏糞は芍薬(シャクヤク)の根に当たらないようにします。根に当たると根が傷んでしまいます。掘り出した土に堆肥か腐葉土を2割ほど混ぜて用土とします。完熟堆肥ならそのまま、植えてもいいですが、未成熟な場合は1週間寝かせてから植えます。

水はけの悪い土ならば、川砂・軽石を足して水はけをよくしてください。 もしくは高植えにしましょう。

最後にしっかりと水をやって完成です。

管理場所・日当たり

日当りが良く、水はけの良い場所に植えます。芍薬は和モノ…元々は日本で自生しているもの…なので、暑さや寒さにも耐性があります。一年中、戸外の日当たりでもいいです。

夏の暑さ対策

鉢植えの場合、真夏は地中の温度が高温になって根を傷めます。特に西日が当たっていると高温になりやすいので、予防策として、二重鉢をします。一回り大きな鉢に入れることで、高温を防ぎます。それでも暑い場合は寒冷紗やヨシズで遮光したり、半日陰に移動させてください。

庭植えの場合も真夏に地下部が高温になりますので、腐葉土やワラなどで根元を覆って高温・乾燥を防ぎ、寒冷紗やヨシズで遮光しましょう。

越冬

耐寒温度はマイナス10度で寒さにはかなり強い植物です。ただ土が凍結すると根を痛めるので、凍結する地域はワラや腐葉土でマルチングして凍結を防ぎましょう。鉢植えの場合は凍結しない場所で管理します。

作業

新芽を間引く(3月)

シャクヤク:新芽を間引く(3月)
春が近づき、シャクヤクは活動を開始し、茎葉を伸ばしてきます。しかし、枝が増えすぎると風通しが悪くなります。風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。また、枝が増えたことで栄養が花に回らなくなって花が小さくなってしまいます。

そこで、新芽を間引いて、一本立ちに仕立てます。

この作業は花を大きくするのが主な目的なので、花が小さくてもいいなら…趣味的にシャクヤクの花を楽しむ程度なら、新芽を伸ばして、花をたくさん咲かせてもいいです。

ツボミを間引く(4月)

シャクヤク:ツボミを間引く(4月)
ツボミが見られるようになったら、全て咲かせると、花が小さくなるので間引くことで、花一個づつを大きくします。これを摘蕾(テキライ)といいます。

一本立ちにしている場合は、一番大きなツボミだけを残し他は取ってしまいます。

一本立ちにしていない場合は、庭植えの場合は1つの枝に1つの花だけになるよう間引きます。鉢植えの場合は1株2つ〜3つ程度に間引きます。

この作業も花を「大きく」するための作業なので、しなくてもいいです。

花ガラを摘む(5月〜6月)

芍薬(シャクヤク)の花を放置していると、しぼんだ後に種子ができます。芍薬(シャクヤク)に限らずですが、種子を作ることを優先して株が弱ります。なので、花がしぼんだら早めに摘んでしまいます。

特に6月以降は梅雨があり、雨に晒されて灰色かび病が発生することもあるので、早めに摘んでしまいましょう。

刈り取る(10月〜11月)

シャクヤクは宿根草で、冬は寒さにあたって地上部が枯れてしまいます。邪魔ですし、刈り取ることで根の負担が減って春以降の生育がよくなるので、ぜひ刈りましょう。
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病気・害虫

炭疽病 灰色カビ病 褐斑病 立ち枯れ病 うどんこ病 ネコブセンチュウが発生することがあります。

ネコブセンチュウは根元に住む小さな虫です。これが発生すると生育が衰えます。また多湿の状況が続くと灰色カビ病が発生します。こうなると、葉や蕾にカビが発生して腐ります。どちらも、植えつけるときに「清潔」な土を用意することである程度の予防が出来ます。

灰色カビ病は薬剤の散布と終わった花を摘むなどして予防・治療も可能ですが、センチュウが根に付くと株ごと処分が必要になります。

特徴・由来・伝承

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はユリの花」と言われるように芍薬は非常に一般的な園芸植物でした。江戸時代では熊本藩が園芸を奨励したために、熊本で品種改良が盛んに行われました。

ボタンが花の王…「花王」と呼ばれるのに対して、シャクヤクは花の宰相「花相」と呼ばれます。ボタンは木ですが、シャクヤクは草。シャクヤクの根は消炎、鎮痛、抗菌、止血、抗痙攣作用のある生薬です。風邪を引くと飲む葛根湯(カッコントウ)にも配合されています。
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