CAM型光合成をするCAM植物はなぜ夏に休眠するか?

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CAM型光合成とは?

CAM型光合成は、夜に二酸化炭素を吸収して植物内に保存し、昼にその二酸化炭素を使って光合成をするシステムのこと。主に砂漠などの乾燥地域の植物の性質で、昼に二酸化炭素を吸収するために葉っぱの気孔を開いてしまうと、そこから水分が出ていってしまい、枯れる可能性が高いため、涼しい夜中にするってこと。

の植物にCAM型光合成を行っているものが多いです。ちなみにCAMはCrassulacean Acid Metabolismの略でCは「クラッスラセアン」…つまりベンケイソウ科「クラッスラの」という意味です。
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夜中の温度が大事になる

乾燥地帯は昼は40度になっても、夜中になると10度前後とかなり涼しくなります。そこで植物はCAM型光合成という「涼しい夜中に二酸化炭素を吸収する」というテクニックというか工夫で、水の少ない乾燥地帯で生きていっているのです。賢いですよね。

ところが日本の夏は昼は35度以上、夜中になっても25度〜30度ですから、CAM型光合成をする植物からすると

「あー!ずっと昼間だ!」

と勘違いして、夜中になっても二酸化炭素を吸収しないのです。二酸化炭素を吸収しない以上、昼間に光合成ができず、徐々に弱ってしまいます。乾燥地域の多肉植物なのに、日本の夏のあまりの暑さで休眠するのはこれが原因です。大事なのは昼間の温度ではなく、夜中の温度なんです。

余談…夏生育型と冬生育型

よくサボテン・多肉植物で春〜夏に生育して冬に休眠する「夏生育型」と、冬に成育して夏に休眠する「冬生育型」という言い方をするんですが、上記の理由で夏生育型も調子を崩して、夏に休眠するか半休眠状態になるんですよね。それで結果的に「春秋生育型」と呼ばれるのです。

CAM植物の夏対策

夏は木陰に移動するか、遮光を

というわけで、夏にCAM型光合成をする植物は夏は涼しい場所で管理し、半日陰に移動するか遮光しないと、葉焼けを起こしてしまいます。

でも、納得しない人もいるんじゃないでしょうか?

夜中に二酸化炭素を吸収していなくても、昼間の直射日光に葉焼けするのはおかしいと思いませんか?だって自生地では40度の気温でガンガンの直射日光に耐えているのですからね。

問題は光合成ができないことで、調子を崩すということにあります。光合成ができず、活動が止まる。水を吸い上げられなくなり、植物内部の水分が減る。水分が減ると、葉焼けを起こしやすくなります。

水やりは夕方以降に…

夏は断水する方が良い場合もありますが、少量の水やりをした方がいいこともあります。シワが寄ってるなら水を少量あげましょう。吸い上げる力が落ちているので、水をやるときは土を少し濡らす程度にし、夕方以降の涼しい時間に水やりをしましょう。

昼間に水をやっても活動が止まっていますし、昼間は高温で水がすぐに蒸発するので、少量の水やりではほとんど意味がない。活動する可能性があるのは、涼しくなって以降、つまり水やりは夕方以降が適しています。
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