オミナエシ(女郎花)の育て方

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オミナエシの基礎データ

オミナエシ
科名
オミナエシ科
属名
オミナエシ属
学名
Patrinia scabiosaefolia
別名
女郎花・血目草・敗醤・黄花竜牙
耐寒
マイナス20度〜マイナス10度
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
オミナエシの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

オミナエシとは?

オミナエシはオミナエシ科スイカズラ科)の多年草秋の七草だが夏からすでに咲いていて、秋まで開花する。花の終わり頃は非常に臭い。

地下茎を伸ばし横に広がっていく性質があります。地植えにした場合は問題はないのですが、鉢植えにした場合、横に広がれずに地下茎が地上部に出てくることがあります。この出てきた地下茎を放置しておくと乾燥して株そのものが枯れてしまうことがありますので、地下茎に土を被せて乾燥させないようにしてください。
草丈1m前後…摘芯して小さくまとめることもできる。
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最初にまとめ

●オミナエシはオミナエシ科の宿根多年草。
●日本に自生しているので育てるのは簡単。増えすぎても困るかもしれないので、増えすぎたら引っこ抜く覚悟を持つこと。
●株が横へと広がり、こぼれダネでも増える。
●日当たりで栽培する。
水やりは普通にやる。水を欲しがる方。
●花は臭い。
●寒さには強いし、暑さにも強い。

仲間

オトコエシ(Patrinia villosa)…同属で白花。
オトコオミナエシ…オトコエシとオミナエシの雑種。
ハクサンオミナエシ(Patrinia triloba)
ハマオミナエシ(Patrinia scabiosifolia f. crassa)
キンレイカ(Patrinia triloba var. palmata)…高山性
コキンレイカ(Patrinia triloba var. triloba)…高山性
チシマキンレイカ(Patrinia sibirica)…高山性
カノコソウ(Valeriana fauriei)…赤い花をつける。
セイヨウカノコソウ(Valeriana officinalis)
ノジシャ(Valerianella olitoria)

水やり

鉢植えの水やり

鉢の土の表面が乾いたら、水をしっかりとやります。しっかりというのは鉢底から水が出てくるくらいにやることです。夏は蒸発が激しく朝夕の二回、水やりをする必要があります。

庭植えの水やり

庭植え(地植え)する場合は、水を毎日やる必要は無く、降雨だけで基本は大丈夫ですが、オミナエシは乾燥に弱いので、真夏に乾燥するようであれば、庭植えでも水をやってください。また、株元に腐葉土やワラなどを敷いてマルチングをして蒸発を防ぐといいです。
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肥料

鉢植えならば、春から夏の成長時期に緩効性化成肥料を少量やるか、薄い液体肥料を二週に一回やる。肥料が少ないと株が大きくならないが、多いと枝葉ばかりが繁って邪魔。

庭植えの場合は土に有機物(=腐葉土・堆肥など)が十分にあれば肥料は不要。どうにも生育が悪いと思ったら肥料をやるようにします。
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植え付け・植えかえ・種蒔き

時期・頻度

2月から3月の休眠時期に植え替え・植え付けをします。オミナエシはよく根が広がりますので鉢植えの場合は毎年植え替えをしないと根詰まりします。植え替えのときに株分けもできます。

用土

肥えた土を好みます。痩せた土地だと株が大きくなりません。市販の培養土で植え付けをします。もしくは赤玉土6腐葉土4を混ぜたものを使います。庭に植える場合は庭土に3割ほど腐葉土を足してから植えるけるようにする。
●高山性の品種は上記の用土では水持ちが良すぎる。山野草の土か、鹿沼土・赤玉土・軽石を同じ量づつ混ぜたものなどを使う。

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鉢の植え替え手順

古い鉢から取り出した株の古い土を落とし、根を半分ほど切って整理します。鉢底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(軽石)を2センチから3センチほど入れて、鉢底石(軽石)の上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
●植え替えの時に株分けも可能。適当に切って別々に植え替える。多少、雑に扱っても枯れることはないです。ただし、あまり細かく株分けせず、二つか三つに分ける程度にする。

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庭植えの手順

庭土を深さ20cmほど掘り返して、掘り出した土に腐葉土を3割ほど足して、さらに緩効性肥料を元肥として入れてよく混ぜて用土とする。この用土を半分ほど戻して、株を入れ、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやって完成。
●庭植えはこのまま植えっぱなしでもいいが、3年に一回掘り出して株分けをして植え直すと株の更新になって生育がよくなる。

種まき

開花後に種子ができるので、これを集めて、封筒などに入れて冷蔵庫に入れておく。種まき自体は2月3月に行う。発芽率は良い。種まきした年に開花する。
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用土を入れた育苗箱やビニールポットに種まきをして土を軽く被せます(土をたくさんかぶせると発芽しない)。発芽までは1週間から二週間。乾燥しないように水をやってください。霧吹きで遠くから吹きかけてやるといいです。日陰で管理します。たくさん発芽したら間引いて減らしてください。本葉が4枚以上になったら庭や鉢に植えつけます。
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●株分けで増やすのが普通。
●適した発芽温度は15度から20度だが、発芽自体はもっと低温でもできるので2月から3月でも十分可能です。
●こぼれダネでも増えるので、苗床をつくらなくても適当に庭に播いていれば生えてくる。むしろ増えすぎても困るかもしれない。

オミナエシの管理場所・日当たり

日当りのいい場所を好み、水はけのいい土を好みます。ですが、夏に直射日光を浴びていると土が乾き、生育に支障をきたします。オミナエシが自生する場所は、池の近くで、大きな木の下です。現在自生している場所は少なくなっています。

直射日光がバリバリと当たるのではなく、年中を通して「木陰」「陽だまり」「半日陰」という場所で、土の水はけがいいが、乾燥しすぎない場所がいい。

環境さえ合えば、何もしなくても毎年咲いてくれます。

寒さには強い。北海道でも自生しているくらいです。耐寒温度はマイナス20度〜マイナス10度。

剪定

一定の大きさになったら(30cm以上になったら)、切り戻しをしてしまいます。摘芯です。先を切り戻すことで脇芽を増やし結果、大きな株になります。またオミナエシは茎が弱いために強い風に当たると折れてしまいます。そこであまり大きくしないためにも摘芯をしてください。
●草丈が高くなってしまったら、支柱を立てて、くくりつけます。支柱がないと倒れてしまいます。

オミナエシの病害虫

ウドンコ病
白い粉が吹く病気。原因はカビでこのカビ菌はどこにでもいるので完全な予防は不可能。ただ、株が健康だと発症しにくく、発症しても広がりにくいので結局のところ日光・水・肥料など良い条件で育てることが一番の予防法になる。オミナエシがそもそも頑健なのであんまり重症化しない。
病気が広がったら、病気のひどい部分は取り除き、薬剤を散布する(薬剤は予防と治療の効果がある)。

立ち枯れ病
腐って枯れる病気。水やりが多いか、用土の水捌けが悪い。水やりが多いのであれば乾燥気味に管理し、水捌けが悪いのであれば、高植えレイズドベッドにすると水捌けがよくなって予防できる。

特徴・由来・伝承

日本に自生している植物で北海道から九州で見られる。蛍光塗料のような、鮮やかな黄色の花を咲かせる独特の雰囲気の花。なんともいえない臭い匂いがするので、敬遠することも多いですが、万葉の時代から愛された歴史のある花です。秋の七草の1つです。昔から漢方薬にも使われています。
花言葉:約束を守る
名前
オミナエシとは別に粟花(アワバナ)、思い草(オモイグサ)、血目草(チメグサ)、敗醤(ハイショウ)、黄花竜牙といろんな名前がある。オミナエシという名前は女性を圧するほどキレイ、という意味とする説と、花が粟飯のようであることから「女性の飯(米飯を男飯とし、粟飯を女飯としていたため)」→「オミナ(女性)へし(飯の変形)」とする説があります。同属によく似た白い花が咲くオトコエシ(男郎花)があり、オミナエシと対になっています。中国名は黄花竜牙。
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