アヤメ・カキツバタ・ハナショウブ・アイリスの違いと見分け方
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アヤメ・カキツバタ・ハナショウブの違いと見分け方
アヤメ・カキツバタ・ハナショウブはどれもアヤメ科の植物で花の咲き方はよく似ていますが、性質や咲き方はすこし違っています。このページでは違いをまとめています。アイリス
アイリスとはアヤメ科アヤメ属(アイリス属)の植物全般を指しています。もしくはジャーマンアイリスを指しています。アイリスはギリシャ神話の虹の女神のイリス(イーリス)が由来。イリスはゼウスの妻のヘラの伝令役でしたが、ゼウスに見初められ、ゼウスから逃げるために花になりました。それがアイリスです。虹の女神とされるのはアイリスの花いろの多さからか、花びらの付け根の色合いの複雑さからきていると思われます。
アヤメ
アヤメは5月ごろに開花し、花びらの付け根に模様があるものです。この網目模様が「文目(アヤメ)」という名前の由来となっています。アヤメは乾燥した一般的な土に育ちます。なんとなく水辺に育つような気がして、水やりを多くすると根腐れして枯れてしまうので注意してください。カキツバタ(杜若)
カキツバタは5月ごろに開花し、花びらは細く、付け根が白い筋が張っています。カキツバタは水生植物で、湿地帯・水の中で育ちます。ハナショウブ
ハナショウブは6月〜7月に開花し、花が大きく、花びらの付け根に黄色い筋が入っています。花いろは多く、品種も非常に多く、一般的な紫の他のピンク・白などもあります。一般にショウブというとアヤメ科のハナショウブのことを指します。ハナショウブは水の近くに自生する植物ですが、池の中ではなく、その近くに生育する植物です。ハナショウブは開花時期には乾燥を避けるために水を張ることが多いため、似た形状のアヤメやその他の陸で育つアイリスまで水生だというイメージがあります。
キショウブ
キショウブは明治に日本に渡来した観賞用のアイリスの仲間で、ハナショウブと近縁で交配もできるほど。日本やその他の地域で、野生化し、在来の水生植物を駆逐しかねない勢いで広がり、現在、「要注意外来生物」の一種とされる。とにかく黄色くて綺麗で、目立ったために、ビオトープなどに植えられた。湿地の公園などで毎年駆除作業をやっているほどなので、植えないようにしましょう。
ショウブ
ショウブは5月〜7月に開花する水辺で育つ、ショウブ科の植物で、菖蒲湯に入れることで有名。一般にショウブというとアヤメ科の花菖蒲のことを指しますが、あくまでショウブに対しての花菖蒲で、こちらが本来の「菖蒲」です。香りがあり、その香りと薬効、から邪気を払う植物とされています。アヤメ・カキツバタ・ハナショウブのような花は咲かず、地味な穂が付きます。ショウブは飛鳥・奈良時代に「アヤメグサ」と呼ばれていたこともあります。これはショウブを使った儀式をする巫女を「アヤメ」と呼んでいたためとも言われますが、ハッキリしません。
ダッチアイリス
ダッチアイリスはアヤメ科アヤメ属で4月〜5月に開花します。乾燥した土に育つ植物。ダッチアイリスは花の中心に黄色い斑が入る。オランダで品種改良されたのでダッチアイリスと呼ばれます。ジャーマンアイリス
ジャーマンアイリスは同じくアヤメ科の植物で、上の花びらが反り返って立ちます。花いろが非常に多く派手です。乾いた一般的な土に育つ植物。球根ではなく根茎で、地下でどんどん広がっていき、よく増える。最後にまとめ
●アイリスはアヤメ科全般のこと。●アヤメは花びらの根本に網目の模様がある。陸に育つ(池の中で育たない)。
●カキツバタは花びらの根元に白い筋が入る。水生の植物。
●ハナショウブは根元に黄色の筋が入る。品種が多い。陸生ですが、開花時期は乾燥を防ぐために水をはっていることが多い。
●キショウブは黄色い花菖蒲。繁殖力が強い。
●ショウブはアヤメ科ではなくショウブ科。派手な花は咲かない。香りがあり、菖蒲湯に利用される。
●ダッチアイリス、ジャーマンアイリスはアイリスの改良品種グループ。
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