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ココピートとは?

ヤシの実の殻からマット・敷物などを作る。その残った繊維を堆積して、発酵させたものを粉砕・乾燥したものがココピート。ココはココヤシのココ。ピートは泥炭のこと。ネーミングからピートモスを意識していると思われる。
ココピートの効果・特徴
中性
ココピートのpHはおおよそ中性(6.3)。ピートモスと違って中和する必要がない。ただし、ピートモスと同じで、ヤシ繊維を堆積して長期間発酵させたものはpHが酸性になるため、中性というのも商品による。裏書きの数字を元にするか、計測器で調べて利用しましょう。土壌改良剤として優秀
保水性・保肥性保水性とは水を吸収すること。保肥性は肥料を土中にとどめる性質のこと。水捌けの良すぎる土に混ぜることで、水もちをよくする土壌改良剤として優秀です。
また、ココピートは乾燥しても吸水する。ミズゴケやミズゴケを主成分としたピートモスでは、極端に乾燥すると逆に撥水して吸水しなくなる(つまり保水しなくなる)。ところがココピートは乾燥しても吸水できる。
フカフカになる
フカフカになる。土がフカフカになるのは間違いない。
使い方
土壌改良を目的として土に20%ほど混ぜる。これはピートモスと同じ使い方。
安い!
安い。そもそもが廃棄物なので、これを加工しているだけで、非常に安く上がっている。ただ、これは「現在のところは」であって、需要が高まりすぎるとどうなるかは分からないです。環境に良い…とされる
ピートモスは自然に堆積した植物を剥がして、粉砕・乾燥して生成しているため、環境破壊ではないかと問題になっているのに対して、ココピートは本来廃棄されるヤシ殻の再利用で、環境に良いとされます。また、ココピートを種子栽培に使ったあとにも廃棄しやすく、土に混ぜれば分解されていずれは「土」になります。軽い
軽い。用土が軽いと作業効率がよくなる。ただ、これは生産者の話で、一般的なガーデナーにはあまり関係ない。ピートモスより優れている点
現在(2022年)、ココピートはピートモスの代替材として注目されてる。ピートモスには二つの問題がある。一つは「酸性」であること。ブルーベリーなどの用土には適しているが、その他の中性の土を好む植物に使う際は中和する必要がある。もう一つはピートモスの材料となる泥炭を採集する際に「環境破壊」があること。この二つの問題点をピートモスはクリアしている。まずココピートは中性である。そしてココピートはヤシの実の繊維であり、廃材の再利用であるので環境破壊にはならない。その上、軽い、保水・保肥に優れ…何より「安価」であるとなると、ピートモスにとって変わるのは時間の問題に思う。といっても、それは生産者や園芸用品を作る企業の話であって、一般的なガーデナーにはあまり関係なく思います。
問題点
ココピートは商品名
ココピートはエムアンドケイという企業の「商標」であって、類似商品は別の名前で流通している。ところが世間はこの「ヤシ繊維を原材料とした土壌改良材」=「ココピート」という認識で、別名の別企業の別商品も全て「ココピート」という認識にあります。その類似品の中に、品質の低いものもあり、混乱があります。買う前に「安すぎないか?」と自問自答するといいです。そしてそれなりに有名なブランドから買うようにしましょう。
●安いココピート類似商品によっては適切に加工できていないことがあります。中にビニールが入っているとか、よくわからないがうまく育たないなんてこともある。
タンニンと塩分と品質
ヤシの繊維にはタンニンが含まれていて、タンニンは根の発育を阻害します。そこで、ピートモスを生成する過程で、このタンニンを抜く作業が必要となります。本来は堆積・発酵で分解されます。安価なココピート類似品では堆積→発酵が甘いのではないかと思われる。もしも今後、ココピートの需要が高まると、このあたりがさらに雑になって品質の悪い商品が出回り、需要も萎んでしまう可能性は結構ある。
この堆積→発酵を経ていないものは品質にばらつきがあって…つまり塩分やタンニンが残っていることがあり使いづらい。塩分やタンニンは水を何度もやっていると流れていきます。しかし、そんな作業が必要となると、コストがかかって高騰したり、購入者がタンニン・塩分を抜く作業をしなくちゃいけないとなると、ココピートは資材として魅力がなくなります。
この辺りの問題は今後の状況を注視していくしかないですね。