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炭そ病とは?症状と性質

植物に付着して増殖した結果、葉の場合は斑点が出て、その斑点内部に黒い部分がでる症状の病気。果実に付着した場合は、黒く変色して窪み、グチュグチュになる。果実は落果することが多い。一旦発症すると治療はできず、広がるのが早いので、対処は早めに行いたい。
炭そ病が発生しやすい条件

人間には感染しない
炭疽病というと細菌兵器に使ったり、家畜類に発生する同じ名前の炭疽病(字も同じ)を連想しますが、これとは全く違うものです。植物の炭疽病を発症した葉っぱに触れたり、果実を食べても人間には影響がありません。ただ、毒素は作っているので、お腹を壊すなどするかもしれません。炭そ病の予防法
風通しをよくする

窒素肥料を控える
肥料に窒素成分が多いと発生しやすいです。これは窒素が葉っぱの栄養素であり、茂ることで風通しが悪くなるということもありますし、肥料の偏りによって植物が調子を崩すことがあるためです。一般家庭が庭で普通に育てている分には窒素過多になることはあんまりないんですが、マメ科植物など空気中の窒素を取り込む植物を植えた上に、肥料をドシドシやっていると起こりえますので、注意します。土中の成分がどうなっているか、推測もできない場合…前の家主が何を栽培し、何を施肥していたかは分かりませんから、そんな場合は土壌成分計で計測して推測します。泥はねを防ぐ

●炭疽菌はどこからか飛んでくるので、泥はねを防いでもゼロにはできないが、確率がグッと下がります。
水はけをよくする
土の水捌けをよくする。鉢植えならば、鹿沼土や軽石や川砂や日向土を混ぜるなどして水捌けをよくする。畑・庭植えの場合も同様に水はけのよい用土作りを心がける。鉢植えの場合、培養土に入っている「赤玉土」が2年〜3年で劣化し、泥になり、水はけを悪くさせます。根腐れの原因にもなりますし、炭疽病発症の遠因になるので、新しい土に植え替えましょう。
土を殺菌する
畑の土づくりの際に土壌消毒剤で殺菌することで予防できる。炭疽菌は台風・強風などで、どこからか飛んでくるので、完全には防除できないが、それでもやった方が発生率は抑えられます。土にはたくさんの細菌が住んでいて、悪さをするものもあります。殺菌するのも一つの手です。ただ、殺菌するということは「良い菌」も殺してしまい、土壌の性質を悪化させることもあるので、あくまで一つの手として考えておきましょう。
殺菌剤を散布する
主に発症する時期(6月〜7月・9月〜10月)はわかっているので、この時期に前もって殺菌剤を散布しておきます。予防薬剤
ダコニール炭疽病以外にも多くの病気に効果のある殺菌剤。菌に耐性がつきづらい。
http://www.greenjapan.co.jp/dakonil1000_f.htm
ジマンダイセン
植物を保護して、菌が植物に侵入するのを防ぐ。薬剤耐性がつきづらいとされる。一部の害虫にも効果がある。
http://www.greenjapan.co.jp/jimandaisen.html
オーソサイド
長く使用されてきている殺菌剤。種子の殺菌や苗の土に灌注することで土壌の殺菌にも使われる。耐性がつきにくいとされます。
http://www.greenjapan.co.jp/ososaido_s80.htm
トップジンMスプレー
殺菌剤かつ、殺虫剤でもある。炭疽菌以外にもウドンコ病などのよくある病気に効果があり、一本持ってても損はないです。
https://www.sc-engei.co.jp/guide/detail/1388.html
ベンレート水和剤
よく見る殺菌剤。
http://www.greenjapan.co.jp/benreto_s.htm
カーニバル水和剤
植物の表面を覆い、病気を予防し、菌が侵入しても菌糸の伸長を阻害する成分が入っている。
https://www.kyoyu-agri.co.jp/prod/category/24227.html
炭疽病が発生したら?対処法
炭そ病は発症したら治療は不可。治療薬はないです。症状が出ている部分は回復しません。まだ症状の箇所が少ないなら、切除するなどして、取り除きます。その場に落とさずにビニール袋などに入れてどこかに持ち出します。その場に落とすと、炭疽菌が土に残ることになり、二次感染・三次感染を引き起こします。他の植物にも感染は広がります。
炭疽菌は他の株・他の植物への感染力が強いので、発症した株は可能であれば即刻、掘り出して廃棄します。掘り出した際に出た葉っぱの切れ端なんかも集めて取り除きます。
発生後に、できれば土を消毒するといいです。もちろん、栽培が終わって畑・庭をならした後です。炭そ病は広がりやすいので、土壌を殺菌しないと次もまた発生しやすいです。