スイカの育て方…家庭菜園での水やりから苗植えから受粉収穫まで

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スイカの基礎データ
スイカ
科名ウリ科
属名スイカ属
学名Citrullus lanatus
別名西瓜・水瓜
水やり水控え目
場所外の半日蔭
難易度中級者向け
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開花
植え
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スイカ栽培の特徴は?

スイカはウリ科スイカ属の一年草果物。園芸分野では野菜に分類されるが一般的な認識では果物。雨に当たると花粉が破裂するため、受粉後四時間以内に雨・水やりで水に当たると結実しない。自家受粉ではよい果実はならない。高温(25度以上)と強い日光を必要とし、水捌けのよい土を好む。元肥の窒素が多いとツルボケして果実が出来にくい。連作障害があり、ツル割れ病が発生しやすい。連作障害は接木苗である程度予防はできる。

5月に定職して収穫は7月〜9月あたり。家庭菜園なら植え付けから収穫までが短く、1家庭で食べ切れる小玉スイカがいいです。

水やり

スイカは高温・乾燥を好み、多少の乾燥には枯れない。畑に植えた場合は、乾燥気味に管理する。水やりは植え付け時と着果後の追肥の時以外に水やりしないでいい…くらいに乾燥に強い。

収穫前に雨がたくさん降ると裂果(果実が割れること)するので、マルチやトンネルで土に雨が入らないようにして水分量を調節できるといい。
●さすがに8月は水切れになることがあるので注意。また、立地によっても違う(地下水など)。
●スイカは50度近くになっても暑さで枯れることはないが、乾燥で枯れ込むことはある。

作業

種まき(3月から5月)

発芽温度は25度〜30度と高温。畑への種まきを5月以降に行うか、それ以前に行うでのあればビニールトンネルなどで保温する必要がある。

3月に3号〜4号のポットに種は「横」にして埋める。縦にすると殻が外れにくい。苗の時は病気に弱いので、苗は買った方が楽です。深さ1cmの深さに種を3〜4粒入れて、土をかぶせて(光があたると発芽しにくいため)、軽く土を抑えて(土を種子に密着させるため)、水をやる。乾燥しないように日陰で管理していると、4日ほどで発芽する。発芽したら2本に間引いて、日当たりに移動させる。さらに成長して本葉が2枚か3枚になったらさらに間引いて1本だけにする。本葉が4〜5枚になったら植え付ける。ここまでで種まきから1ヶ月以上(40日から50日)経っている。
●夜に水分が多いと徒長(=ひょろ長くなる)してしまうので、水やりは朝に。
用土は一般的な培養土でもいいし、パーライト単用でもいい。パーライトの場合は、無肥料なので液体肥料を加える。
●スーパーのスイカの種子を播いても発芽して収穫は可能。
●呼び接で接木苗を作る。結合部をつけるクリップもある。

土づくり(4月〜5月)

スイカは水はけの良い、弱酸性から中性の土(ph6.0〜6.5)を好む。

植え付ける2週間前に深さ30cm・直径40cmを掘り上げ、苦土石灰を1平方mあたり100gほどやり、よく混ぜておく。苦土石灰の苦土はマグネシウムのことで葉緑素の材料になり、葉っぱが増えると不足して葉っぱが黄色くなるため、中和の目的もあるが必ず入れる。

植え付ける1週間前に、堆肥腐葉土を2割ほどと、1平方mあたり50gの化成肥料を入れよく混ぜて用土とし、穴に戻し、幅90cm・高さ10〜15cmの畝を作る。
●苦土石灰にはツル割れ病予防の効果もある。
●元肥が多いとツルボケしやすい。以前の作物によっては肥料が残っているので、よく考慮して元肥量を調節する。土壌成分計で計測して、混ぜる肥料を検討するといいです。

苗について

4月〜5月に苗が出回るのでこれを買って植えるのが普通。一般家庭では何個も栽培することないので、店舗で苗を購入した方が結局安上がり。種子から作ることもできるが、初心者は苗からにしましょう。

接木苗を使えば、未来永劫連作障害が起きない!ってことではなく、カボチャユウガオ(カンピョウ)などが台木になっているが、カボチャ→カボチャ、ユウガオ→ユウガオで連作障害は起きやすいので、交互に使う。それでも連作障害は起きるので、スイカ栽培自体を休みましょう。

カボチャ接木よりユウガオ接木の方が美味しいが、カボチャ接木の方が病気に強い。カボチャ接木苗は糖度がちょい(1度〜2度)下がる。また、カボチャ接木はツルボケしやすいので、肥料を控えめにしなくちゃいけない。
●過去5年〜7年、ウリ科を育てていないなら接木苗でなくていい(自根でいい)。
●接木部分がグラグラしていないかチェックして買う。
●接木苗の場合、台木から芽が出ることがある。これはもちろんスイカではないので即効で摘む。

苗を植える(5月〜6月)

最低気温が10度以上…できるなら15度以上になってから植える。5月以降に植えるのが普通。寒いと病害虫が発生しやすく、根が活着せずに枯れやすい。

ポットの土は崩さず、浅く植えます(ポットの地面と畝の地面がほぼ同じ)。スイカは根が浅く、深く植えると呼吸できずに枯れ込みます。なので深植えになっていなければいいです。

黒マルチをするといいです。黒マルチは地温の保持と雑草除けの効果があります。株同士は100cm〜150cmほど空け、苗ごとにホットキャップ(=ようなミニ温室)をかぶせる。これは害虫除け・保温になる。

ツルが伸びてホットキャップに入り切らなくなったら外して株元にワラを敷く(マルチング)。
●植え付けの前日に水をやっておくと、土が崩れず植えやすい。
●ホットキャップ(苗帽子など)はホームセンターに売ってます。
●ホットキャップは天井に穴が空いてるのを使う(空気の穴)。内部で水が循環するので三日くらいは水やりしないでも大丈夫。
●地温が高い方が活着しやすい。マルチをしない場合は、気温が上がってから植え付けが方がいい。

支柱・ネット

2m間隔で支柱をたてて、ネットを張って誘引するのも可能。玉が宙に浮くので空中栽培と呼ぶ。ただし小玉品種のみ。結実したら、ネットで吊る。

親ツルのための追肥(5月〜6月)

根が活着した頃に株と株の間に追肥する。1株あたり化成肥料30gほど。元肥でよしとして省略されることもあるし、ツルボケの原因にもなるので、あくまで自己判断で行う。

摘芯(6月)

親ツルには雄花ばかりで雌花が咲きづらいので、親ツルは摘芯して子ツルで開花させる。親ツルを伸ばすと子ツルは出づらく、とにかく親ツルは摘芯した方が良い。

親ツルの葉っぱが5枚〜6枚(5節〜6節)で摘芯して、親ツルの根元の1節目から出ている新芽(脇芽)は取り除き(脇芽かき)、その他の子ツル(4本ほど)を残します。
●より美味しい実を収穫するのであれば、4本ではなく、さらに間引いて、二本仕立て・一本仕立てにする。放置していると何本でも子ツル・孫ツルは出てきて、場所を取り、実が大量にできて味が落ちて小玉になり、葉っぱが密生して病害虫も発生しやすなり、作業しにくくなり、果実を見つけにくいと、色々と不都合があるので、とにかく間引く。
●着果までは孫ツルは取り除く。植物は栄養繁殖(枝葉を伸ばすこと)が可能な限りは、そちらに注力しようとし、種子を残そうとしないため。危機を感じて着果しやすくなる。目標の数だけ着果したら、孫ツルは伸ばしてもいい。

敷きワラ

子ツルが出てきたら、敷きワラを広げていく。ワラで泥ハネを防ぎます。また7月以降は乾燥と地温の上昇しすぎを防ぎます。ポリマルチをしている場合も、ツルが絡みつくところがないので、ワラを敷いておくとワラに絡まって風に飛びにくくなりますのでワラを敷きましょう。
●ワラを敷くことで、ダンゴムシがワラを食べてスイカを食べにくくなる(ダンゴムシは生の草より、枯れ草を優先して食べ、枯れ草がなくなると生の草を食べるようになる。ワラがないとスイカの果実を食害するようになる)。
●ワラは新しいものを使う。古いものは虫・病気がついていることが多い。

子ツルのための追肥(6月)

子ツルが長くなってきたら追肥。株から40cmほど離れたところに畝に沿って筋を作って、1株あたり化成肥料30gほど入れてよく混ぜる。近くにやると肥料焼けする。

孫ツルかき(6月)

勢いが強く、葉っぱがよく茂っていると、果実に栄養が回らなくなる(ツルボケ)。子ツルの開花した節から、子ツルの先までは40cm〜50cmが適当でツルの先が上に向いているのが健康的。それ以上の長さで節間が20cmと長いならツルボケ気味です。そこで孫ツルも適当に切り戻す。風通しを良くする効果もある。

逆に雌花からツルの先までは40cm〜50cm以下で、ツルの先が上に向いていない場合は、勢いが弱く、受粉しても実が大きくならないので、受粉を避けて次の雌花に先送りします。
●孫ツルは放置で伸ばす場合もある。すべては草勢次第。
●肥料が不足しているとツル先が上を向かない。肥料を追加する。

受粉(6月〜8月)

子ツルの6節〜8節に最初の雌花(第一雌花)ができ、その後は7〜8節ごとに雌花(第二雌花・第三雌花)ができます。親株に近い第一雌花の結果は変形するので、取り除き、その後の果実を育てます。収穫する果実ができるのは14節あたりと、二番果として20節あたりにもう一つです(二番果は作らせないでもいい)。

第二雌花・第三雌花が開花したら、朝9時までに受粉させる。雄花(花の根元にふくらみがないもの)を切り取って、雌花(花の根本にふくらみがあるもの)に擦り付ける。直受粉ではなく他の個体の花粉を使う方が良いものができる。受粉したら「受粉日(開花日)」をラベルに書いてくくりつけておく。この日付を基本にして収穫タイミングを測る。受粉して四時間以内に雨が降ると受粉は失敗する。
●受粉させることで栄養が果実にまわり、ツルボケを防ぎます。人工授粉はしておきましょう。
●子ツルの14節以降(第二雌花・第三雌花)の着果が好ましいが、開花時に雨が降ると受粉できないため、節にこだわっていると収穫できなくなることがある。何節だろうと第二雌花・第三雌花を着果させて間引くのが無難。第一雌花は皮が厚くて美味しくない。
●スイカは受粉できる時間が限られているために、とりあえず受粉して着果させてから考えるのが吉。
●節の数で判断するのではなく、草勢が十分あるかどうかが大事。草勢は節間が短く、葉っぱが十分あって、茎がしっかりしている状態…つまり糖度を確保できるだけの光合成が可能かどうか?です。節の数は単に目安で、その辺りであれば問題ない。
●雄花のオシベが開いているものは受粉に使わない。オシベが閉じているものが新鮮なのでこれを使う。同じツルの雄花の花粉で受粉させると変形果になりやすいので、違うツルか、違う株の花粉を使うようにする。
●雄花のオシベに服を擦って、花粉がつくか試す。くっつかないなら雌花にこすってもくっつかない。
●蜂やアブにより自然受粉が可能なら、それでもいい。ただ、収穫までの期間の把握が難しいので人工授粉推奨。

果実の間引き(6月〜7月)

大玉は1ツルに1実に実を間引きます。残していると栄養が分散して大きさも味も分散します。小玉は間引いていいが間引かなくてもいい。小玉も形状の悪いものを取り除きましょう。
●4本の子ツルに4個か、4本の子ツルで2個に間引いてもいい。
●第二雌花の果実を残すという人もいれば、第三雌花の果実を残すって人もいる。株元に近い位置の果実(第一雌花の果実)は変形しやすいが、株から離れた果実は肥大化しすぎて裂果しやすいため、第二か第三のどちらを残すかは土・地域・品種の兼ね合いもあって、答えはない。ただ、ハッキリ言えるのはとにかく第一雌花の果実は間引くってこと。
●大玉なら、1株で二個つけるのがセオリー。この2つを収穫してまだ期間があり株が元気なら、もう二つの収穫に挑戦する。最初の二つほど大きくならないので、あくまで余力があれば、の話。メインは最初の2つ。
●小玉は果実を間引いても、目立って大きくなったり、そこまで特別に甘くなることはないので、放任して着果させてもいい。

実のための追肥(6月〜8月)

果実が卵大になってきたら追肥する。株から40cmほど離れたところに畝に沿って筋を作って、1株あたり化成肥料30gほど入れてよく混ぜる。この追肥は今後毎週行う。

着果してから肥大化するときに肥料が切れると肥大が止まる。この時期に肥料切れを起こさないように毎週、追肥を行う。この時期の肥料を「玉肥」「実肥」と呼ぶ。

玉直し(7月〜8月)

受粉して30日ほどで、そこそこ大きくなってきたら果実の「日が当たっていない方」を太陽に向けて、満遍なく色付くようにします。日が当たってない方は明らかに色が薄いです。果実の下にワラを敷いて、病害虫の発生を防ぎます。
●収穫までの期間は種類によって違う。大玉は開花後45日〜50日。小玉は35日から40日。
●実を覆うカゴやホットキャップをかぶせて害獣除けにするといい。

収穫(7月〜8月)

開花してから40日前後で収穫になります。収穫時期は品種によって違うので、購入した時のラベルは保存しておきましょう。果実ができている節の巻きひげが枯れている・葉舌(葉っぱの根元)が黄色くなっている・果実に花がついていたところが窪んで、柔らかくなった…など熟した兆候で判断してもいい。一番あてになるのは開花日(受粉日)・積算温度。
よく「試しに1個切って食べてから判断する」というのがあるが家庭菜園ではそもそも株数が少ないので、難しい。
●収穫が遅いと、果肉が崩れて粉っぽくなる。ラベルをつけて収穫忘れがないようにする。
●カラス対策には四方に支柱を立てて、株の上に糸(テグス )を張る。すると鳥は近づけない。
●いつの間にか受粉してたやつは、いつ収穫すればいいのか分からない。開花・受粉の日付はちゃんと残しておこう。
●収穫直前で大雨が降るなら、その前に収穫した方がいい。裂果するので。
●乾燥→雨降りなどで、内部の水分が一気に増えて「裂果」します。肥料を急にやった、気温が急に上がったなどでも発生する。ある程度はしょうがない。
●積算温度算出プログラム  http://komefuji.s101.xrea.com/sekisan.html
●結実(受粉)から収穫までの期間の基準として「積算温度」がある。

管理場所

生育温度は25度。
日当たりで管理する。

病害虫

ツル割れ病・ウリハムシ・炭そ病・ツル枯れ病・アブラムシウドンコ病・カラス・害獣(タヌキ、アナグマ、ハクビシン、カラス、アライグマ、ハクビシン)など。
病害虫・トラブルについては以下のリンクを参考にしてください。
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