オリーブ

科名 | モクセイ科 |
属名 | オリーブ属 |
学名 | Olea europaea |
水やり | 水控え目 |
場所 | 外の日なた |
難易度 | 中級者向け |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花 | ||||||||||||
植え | ||||||||||||
肥料 |
目次
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オリーブとは?

耐寒性がありますが、東北・北海道などの極寒地では難しいです(耐寒温度は-3度)。寒さに晒さないと花がつかない(10度以下に10日以上)ので、冬も戸外で管理しないといけません。また、開花しても自家不和合で1本では収穫しにくい(全く結実しないのではない)。風媒花で風で受粉します。
生育の条件は肥料・水・苦土石灰・水はけくらいのもので、基本的に放置で生育します。この条件も他の植物の育て方から比べるとかなり緩いです。十分な収穫というと、時間が掛かりますが、スペースがあるなら十分可能です。
水やり

乾燥に強いといっても極端な乾燥は苦手で、特に日本は冬に乾燥しやすいので、冬に水をやり忘れると、枯れないまでも花がうまく咲かず実が少なくなることがあります。
肥料
2月に寒肥として緩効性固形肥料(化成肥料)。花が咲く時期(6月あたり)に1000倍に薄めた液肥(開花促進のため)を1回か2回ほどやります。花が散ったら、開花で消費したエネルギーを補填するための緩効性固形肥料(化成肥料)を一回。夏を越したら、秋(9月〜10月)にまた緩効性固形肥料(化成肥料)。2月の緩効性肥料は春に効くようにするためのもので、この時期に効く必要はありません。
植え付け・植えかえ
時期・頻度
植え付け・植え替えは春か秋に行います。鉢植えは2年に一回植え替えをします。庭植えでも鉢でも、ちゃんと育ちますので、どちらでもいいです。●枝を土に挿していると芽が出る。割と簡単。
品種
オリーブは(一部を除いて)自分の花粉では実をつけないために自家不和合(同腹交配しにくい)のため、実を収穫するためにはオリーブの木を二本以上隣接して植えた方がいいです。用土

また植えた後も、そのままにしていると弱酸性になってしまうので、2年か3年に1回程度は苦土石灰を根本に撒きます。石灰の量は直径30センチの鉢で一握り。極端に入れなければ大丈夫。
市販している花と野菜の土か、ホームセンターやネットで販売している「オリーブ専用土」を利用します。自作する場合は赤玉土6腐葉土4を混ぜたものを利用します。
庭植え



庭植えの詳細な手順は以下のページを参考にしてください。
オリーブの根元に別の植物を植える人がいますが、オリーブは乾燥を好み、過湿を嫌うので、別の植物を植えると蒸れて根が腐って枯れます。
鉢植え

鉢の植え付けの詳細は以下のページを参考にしてください。
2年に一回、植え替えをします。同じ大きさの鉢でもいいですし、1号か2号大きなものでもいいです。古い鉢から株を取り出し、土を3分の1ほど落とし、根をほぐしておきます。あとは植え付けと同じように植え付け、支柱を立てて、水をやってください。
植え替えの詳細は以下のページを参考にしてください。
支柱を
オリーブは根が浅く、強風で根ごと倒れることもありますので、支柱を必ず立てて、くくってください。庭植えで大きく育っても支柱は必要ですので、支柱を立てたままにしてください。管理場所・日当たり

越冬
オリーブは寒さに一定の耐性があり、マイナス3度まで耐えられます。ですが霜や凍結に弱いので、寒冷地では根本にワラを敷いて凍結防止をしたり、霜が当たらない場所に植え付けます。北海道・甲信越では鉢植えにして冬は室内に取り込み、日当たりで管理します。温暖化の影響でオリーブが今までは越冬出来なかった地域でも徐々に越冬出来るようになっています。広島では越冬可能です。まぁ、近所にオリーブが植えられているなら、その家主に聞いてみたらいいんですよ。それから植えるかどうかは判断したらいいです。
東北でも栽培しているらしいですが、北関東が一般的には最北と考えたほうが良い。
東北でも栽培しているらしいですが、北関東が一般的には最北と考えたほうが良い。

収穫
10月〜11月が収穫時期。日本ではあまりオリーブを食べませんが、実は塩漬けにしてピザなどで食べたり、ピクルスに入れるなど利用方法は色々とあります。ただ、塩漬けなどの作業が面倒ですし、口にするほどの量は収穫できないので、栽培していても収穫・利用している人はほとんどいないです。剪定
本来は5mくらいになるが、剪定で2m前後にすることは十分可能。その際はマメに剪定を。大きくなってから剪定は無理。剪定・移植時期は新芽が出る前の3月と9月~10月にします。剪定は邪魔じゃない限りはしないでいいです。密生すると風通しが悪くなり、病害虫の原因となりますし、内部に日光が入らず、効率が悪いので枝を間引きます。ただし、オリーブの実は去年にのびた枝につくので、そういう枝は残し、古い枝から間引くようにします。
太い枝を切ったら、雑菌が入らないようにするため癒合剤を塗りましょう。木工用ボンドで代用可能。
残った枝の先を1節だけ切って、摘芯しておくと脇枝が出やすくなり、葉っぱが増えて株が大きくなります。
剪定した枝で挿木して株を増やすこともできます。
病気・害虫
オリーブアナアキゾウムシ成虫が卵を木に産みつけ、幼虫が木に穴を穴を開けつつ、テッポウムシのように穴からオガクズのような糞を出し、食べすすんでいく。生育すると成虫になり、また卵を産みつけます。卵は一度に何個も産むのではなく、毎日何個か産みつけます。
3月〜11月に活動し2か月に成虫になり、成虫になって以降は3年ほど生きます。成虫は夜に活動し、昼間はオリーブの株の根元に潜んでいるので、ここをチェックして探し、いたらスミチオン乳剤を50倍に薄めて散布します。
放置しているとオリーブが枯れることは十分あります。早めに駆除しましょう。
テッポウムシ
カミキリムシの幼虫で、樹木の内部を幼虫が食べ進み、枯れてしまうことがあります。オガクズのような糞が出るので、これが見られたら、入り込んだ穴を探して、その穴に薬剤を注入して、穴は癒合剤で塞ぎます。
コガネムシ
成虫が飛んできて、土中に卵を産みつけて、幼虫が根を食べるため、株が枯れることがある。庭植えの場合は、被害はそこまでじゃないですが、鉢植えだと鉢の中に2匹発生するだけで枯れてしまう。根詰まりしていないのに、水をやっても水切れするなら、コガネムシの幼虫の発生を疑います。鉢を抜いて、植え替えついでに幼虫を取り除くか、薬剤を使います。完全に食べられてからの回復は難しいので早めに対処しましょう。
スズメガ
春は雑草の葉を食べ、5月〜6月あたりにオリーブの枝の中に入り込んで、食害します。オガクズのような糞を出すので、食害の穴に針金を突っ込んで、刺し殺します。被害が甚大になることはあまりないです。
ハマキムシ
蛾の幼虫で、葉っぱを巻いて、内部に住んでいます。実を食べることもあるので駆除したい。対応の薬剤を散布するか、天敵となるアリ、カマキリ、アシナガバチ、ハナグモなどが来るように、逆に農薬を散布せずに自然に任せてもいいです。
カイガラムシ
白い蝋に覆われた虫で、内部でオリーブの汁を吸っています。少量であれば歯ブラシで削ぎ落とします。
炭そ病
カビの一種で、斑点が見られます。カビなので他の部位まで広がり、実までかかります。剪定して枝をさばいて風通しをよくすることで予防できます。発症したら、病変部分を取り除きます。
梢枯病
切り傷などから菌が入って、枝先から変色して枯れていきます。剪定するときは、切り口に癒合剤を塗って予防しましょう。発症した部分を取り除いて廃棄します。
トラブル
オリーブにおきがちなトラブルをまとめているので、以下のページを参考にしてください。特徴・由来・伝承
オリーブはその実から抽出したオイルがオリーブオイルとして食用だけでなく様々な用途で使われます。オリーブの枝は鳩と並んで、平和の象徴とされています。これは「旧約聖書」の有名なノアの箱舟の物語の中で、大洪水の後で、陸地を探そうとノアが放ったハトがオリーブの枝を咥えて帰ってきたというくだりに基づいています。
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