シカクマメ(四角豆)の栽培

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シカクマメの基礎データ

シカクマメ
科名
マメ科
属名
シカクマメ属
学名
Psophocarpus tetragonolobus
別名
四角豆・ウリズン豆・羽豆
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
上級者向け
シカクマメの開花時期…種まき時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

シカクマメとは?

シカクマメはマメ科シカクマメ属の多年草。日本では冬に枯れるので一年草扱いの野菜。実の断面が四角くなるため、四角豆と呼ばれる。味はよく、何より夏の暑さに強い。

4月5月に種まきし、7月から9月に収穫する。5月に植えれば7月に2mに達し、収穫できる。沖縄や南西諸島で栽培される野菜で、本州では寒さで生育不良を起こしたり、結実が鈍い地域も多い。現在は寒さに強い品種が作られて本州でも栽培されていますが、それでも地域によって開花・結実が鈍いことが多い。

育て方はツルありのインゲンマメササゲに近い(栽培時期も近い)。栽培はインゲンの方が簡単だし、調理の幅・レシピも多いので植えるならまずはインゲンがいい。

インゲンマメ・エンドウマメ・ササゲと同じで若いサヤを食べる。普通は食べないが葉・花・種子・根も食べられる。
大きさ・草丈2mから3m
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育て方のまとめ

●シカクマメ(四角豆)はマメ科の多年草(一年草扱い)のツル性の野菜。
●一般的には未成熟なサヤを食べるが、他の部分も食べられる。
●夏の暑さに強いが寒さに弱い。
●植え付けは霜が降りなくなってから。できるだけ早く植える。早く植えないと花が咲きづらい。
●暑さには強いが夏に水切れが起きやすい。マルチングして乾燥を防ぐ。
●種まきから40日から50日で収穫。
グリーンカーテンとしても利用可能。

栽培可能地域

九州南部・九州北部・中国・四国・関西・中部・関東南部・関東北部

本来は亜熱帯の植物で本州でも育つように改良された品種が流通しているが、それでも生育が悪いことがある。関東でも千葉なら育つが、茨城までいくと微妙。うまく育ったり、育たなかったり。育っても収穫が遅かったり。東北南部でも育つが地域による。

管理場所

日当たりで育つ。暑さに強く、夏の直射日光にも負けない。とにかく日当たりで管理する。15度以上でよく育つ。高温でよく生育し、開花する。本来は短日性で昼間の時間が短くなってから開花する。

雨に当たると花粉が流れて、結実しにくくなるので、雨が当たらない場所が好ましい。この点ではベランダガーデニングに適している、かも。ただ、普通はあんまり気にしない。

肥料

生育がよく、マメ科植物で空気中の窒素を土の中に取り込むので、肥料は窒素の少ないものをやる。窒素が多いとツルボケ(=葉ばかりが茂って花が咲かない)を起こす。開花後に肥料を少量づつ、追肥していきます。肥沃な土であれば追肥はなくても問題ないです。
●生育が早く、マメ科の中では肥料を好むが、これは土の状態・気温などによるので、様子を見て判断する。

種まきまで…

種まきの基礎知識

発芽に適した温度は25度から30度。これより低い温度でも発芽するが、発芽までの時間が長くなります。苗は流通していない。中間地・寒冷地では室内や軒下でポット苗を作って育てておいて早く植えるといい。暖地では鉢や畑に直播で十分。

種まきの時期

霜に当たったら枯れるので、霜が降りなくなったら種まきをする。暖地なら4月〜5月。中間地なら5月。寒冷地であれば5月中旬以降。植え付けが遅いと花つきが悪くなるので早めに植える。
●シカクマメは短日性で日が短くなると開花しやすくなる。夏至(6月22日前後)以降になると日が短くなるが、それまでにそこそこの大きさになっていないと「最近、以前と比べて日が短くなったなぁ」とは植物が判断しないので夏至までには成長するように植えないと開花が鈍くなる(鈍くなるだけで開花しないのではないが収穫は激減する)。
●霜は最低気温4度以下になると降り始める。関東でも5月の第一週は霜が降りることが稀にだけどある。霜に当たると一発で枯れるので、霜が降りなくなってから植えるようにする。この辺りは、気候というか「運」になるので、気にしすぎてもいけない(というか気にしてもしょうがない)。

連作障害

他のマメ科植物(インゲンマメエンドウマメエダマメソラマメなど)と連作障害を起こしやすい。過去三年か四年、マメ科植物を植えていない土地に植えてください。植え付ける場所の土を入れ替えたり、少し移動させるだけで、連作障害を避けられます。
●そんなに毎年植えたい野菜じゃない。

用土…土づくり

酸性の土を嫌い、カルシウム不足になるので、植え付ける2週間前に深さ30cmから40cmの穴を掘り、1平方mあたり100gから150gの苦土石灰をやり中和させておきます。植え付ける1週間前に土に2割から3割ほどの堆肥を追加し、化成肥料を1平方mあたり40gから50g(控えめ)をやり、よく混ぜておきます。
鉢植え・プランターの場合、ポット苗作りの場合は一般的な培養土を利用します。自作する場合は赤玉土6腐葉土3バーミキュライト1を混ぜたものを使います。
●よく耕し、土を柔らかくすることで根の張りがよくなり、葉が繁り、収穫が増える。土を柔らかくするのがコツ。

ポット苗作り・植え付け・直播の作業

ポット苗作り(3月から5月)

2号か3号のポットに土を入れ、豆を3粒か4粒を重ならないように入れて、その上に土を2cmほど被せ、水をやります。あとは日陰で乾燥しないように水をやって管理します。温度があれば1週間から10日で発芽します。

発芽して本葉が出てきたら、間引いて、二本仕立てにします。抜いてもいいし、ハサミで切ってもいいです。

二本仕立てにして、さらに成長して本葉4枚になったら、鉢やプランターや庭(畑)に植え付けてください。
用土は一般的な培養土で。

苗を鉢・プランター・庭(畑)に植える(4月から5月)

シカクマメ:苗を鉢・プランター・庭(畑)に植える(4月から5月)
鉢・プランターに植える
鉢なら8号鉢から10号鉢に苗1つ、プランター(横65cm)なら苗1つ(か2つ)を植える。
鉢の底の穴を網で塞いで、その上に軽石を2cmから3cmほど入れ、その上に用土を入れて、株を入れて隙間に用土を入れていく。苗の土は落とさず、根は崩さないようにする。根をいじると生育不良を起こしてしまう。最後に水をやって完成。
●生育がよく、を吸い上げるのでプランターや鉢では水切れが起きやすい。かならずワラで株を覆いマルチングをして乾燥を防ぐ。プランターに苗2つではかなり厳しい。

庭(畑)に植える
庭(畑)植えにする場合は、植え付けの2週間前に苦土石灰を1平方mあたり100gほど混ぜて中和させ、植え付けの1週間前に堆肥を2割ほど追加し、化成肥料を1平方mあたり40gから50gほど混ぜて用土とする。
その用土で幅70cmから80cm、高さ10cmから15cmの畝を作り、株を植える。株間を50cm空ける。
苗を植えるときは根をいじらず、土を落とさないで植える。植え付け後には水をしっかりとやる。

庭(畑)の直播(4月5月)

用土を作って、畝を作る。幅70cmから80cm、高さ10cmから15cmの畝を作る。そこに50cmおきに直径6cmから8cm、深さ2cmの穴を作り、そこに種子を3粒か4粒入れ、土をかぶせて水をたっぷりとやる。乾燥させないように管理していると1週間ほどで発芽する。

発芽して本葉が2枚になったら、間引きして「二本仕立て」にする。
●庭(畑)でも株元にワラを敷いてマルチングして乾燥を予防するといいです。

植え付け後の作業

支柱・ネットを立てる(5月6月)

シカクマメ:支柱・ネットを立てる(5月6月)
本葉が5枚になったら、早めに支柱・ネットを立てる。高さ2mの支柱を二本立てて、その間にネットを張る。シカクマメはグリーンカーテンに利用できるので、屋根からネットを垂らして誘引する。ネットは10cm目くらいのインゲンマメなどに使うものでいいです。
●シカクマメは放置していると地面を這って広がっていくんで、ツルを紐でくくりつけて誘引する。枝分かれしたら、その都度、紐で結んで誘引する。

水やり(4月から10月)

庭植えの場合は様子を見て水をやる。
鉢・プランターの場合は土が乾いていたら水をやる。夏は乾燥しやすく、朝と夕方の二回、鉢底から水が染み出すくらいにしっかりとやる。

シカクマメは暑さに強いが、乾燥に弱い。庭(畑)植えも鉢・プランター植えも株元にワラを敷いてマルチングをして蒸発を防ぐ。水やりが不足するとサヤが硬くなるので、水切れしないように気をつけます。
●水やりが不十分だと花が落ち、収穫が減る。特に夏は庭植えで合っても水切れを起こす(気温もあるが、生育が良すぎて水を吸い上げてしまうため)。
水やりが不足したからといって、即しなびるわけでもなく、枯れるわけでもない。パッと見には異常はないが、食べるとサヤが硬い…みたいな感じ。食べて「硬いなー」と思ったら水不足を疑う。
●花には水をかけないようにする。花粉が流れて受粉しなくなるため。水やりは株元に水をやる。

追肥

草丈が30cmを超えたあたりで化成肥料10gを株の周囲に撒いて、土寄せをします。次は開花しはじめた頃に肥料を同様に追加します。基本的に肥料はなくても育つが、肥料があったほうが生育し、収穫が増える。肥料が多いと葉っぱばかりが茂るツルボケを起こすので様子を見て追肥は判断します。
●肥料が多く、ツルボケを起こしたら摘芯して、分枝させることで肥料を分散させ、ツルボケを解消させることができる。

摘芯

シカクマメ:摘芯
摘芯とはツルの先を切て、脇芽を出させること。切ったすぐ下の葉っぱの付け根から、脇芽が二つ出てくる。一本切って二本出てくるので繰り返すとどんどん枝が増える。

摘芯することで脇芽(側枝)が出てよく茂って開花が増え、収穫も増える。2mの支柱・ネットを立てて、てっぺんまで到達したら摘芯するといいです。摘芯することで肥料を分散させツルボケを解消させることも。

収穫(7月8月9月)

種まきから40日から50日以降、開花後20日ほどで収穫。サヤが10cmから15cmの未成熟なときに収穫する。種の膨らみが見えるようだと遅い。遅れるとサヤが硬くなり、美味しくないし、早めに収穫することで株の疲弊を防ぎ、次の花(とサヤ)ができやすくなる。
●葉っぱがよく繁り、サヤが見えない。葉をかきわけて探す。
●収穫は手で摘むより、ハサミで切る方がよりよい。
●収穫したサヤは冷蔵庫ではなく、冷暗所で紙に包んで保存する。早めに食べましょう。

芋の収穫
芋も食べられます。秋(10月)になる株全体の葉っぱが茶色くなってきたら、芋を掘り出して収穫します。サヤを収穫すると芋は小さくなるので、芋を収穫するのであればツボミで摘んで花を咲かせないようにしてサヤの収穫を減らします。
●一般的にはサヤを収穫するもの。芋のレシピはあんまり見かけない。

病害虫

カイガラムシハダニアブラムシアザミウマエカキムシカメムシコガネムシネキリムシ・メイガ・ヨトウムシウドンコ病灰色カビ病・立枯病・炭そ病・菌核病など

病気予防
株間をしっかりと空けて、ツタをほどいて広げ、風通しよくして管理すると、炭そ病・菌核病・ウドンコ病・灰色カビ病などはある程度は防げます。特に梅雨は病気が発生しやすいので、梅雨前に誘引して風通しをよくする。

害虫予防
カイガラムシ・ハダニ・アブラムシなどが発生したら、薬剤を散布して駆除する。
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