匂檜葉(ニオイヒバ)の育て方

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ニオイヒバの基礎データ

ニオイヒバ
科名
ヒノキ科
属名
クロベ属
学名
Thuja occidentalis
耐寒
マイナス15度
水やり
水を好む
場所
外の半日蔭
難易度
初心者向け
ニオイヒバの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

匂檜葉(ニオイヒバ)の特徴は?

匂檜葉(ニオイヒバ)はヒノキ科に属する常緑高木で、針葉樹に分類されます(コニファー)。この樹木は明治時代に日本に導入されました。苗も流通していますし、花屋でも切り花として販売されています。

いくつかの品種では低木も存在し、北米とカナダが自生地です。寒冷地に強く、容易に挿し木で増やせるため、苗木が手頃な価格で入手できます。名前通り、葉には独特の香りがあり、触れるとスッとした香りが広がります。成長が速く、剪定にも強いため、生け垣としても利用されています。

花は4月から5月に咲き、10月には実(種子)が形成されます。
ニオイヒバ:補足情報
実は最初はオレンジ色で10月〜11月に朱色になります。種子を蒔いても株を増やすことができます。

株の根はよく広がり水を欲しり、肥料を欲しがるくらいで、あとは手間のかからない庭木です。

樹高日本で流通しているニオイヒバの品種は大きなもので4mから6mくらい。品種によって多少違うが小さめ。丸型に育ち、小さくまとまる品種もあって、これらは1mから1.5m程度にしかならない。原種のニオイヒバは20mくらいに育ちます。
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品種

グロボーサ

グロボーサ矮性種で球形にまとまり、樹高は1.5mになる品種。冬は若干茶色くなりますが、春に戻ります。少し黄色の葉が出るグロボーサ・オーレアもあります。
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エメラルドグリーン

エメラルドグリーンは樹高3m〜4mになる品種。通称「スマラグ」。樹形が細長く縦長に伸び、生育が少し遅いのですが、樹高もそこそこで香りもあり、葉色も綺麗でなかなか便利な庭木です。

葉っぱがよく茂り、葉っぱが茂りすぎて梅雨や夏に蒸れて内部から枯れ込む。前もって風通し良く剪定しておくといいです。
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ラインゴールド

ラインゴールドは幼木のうちは球形、成長すると円錐形になります。大きくなっても樹高2mほどでほどほどです。強い日光が当たるとオレンジ色になり、冬になるとほぼ茶色になります。茶色いですが、春になると緑に戻ります。葉っぱが柔らか。
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ヨーロッパゴールド

ヨーロッパゴールドは樹高3m〜4mになる黄色葉の代表的品種。新枝の葉は黄色、夏は黄緑色になり、冬になると茶色(オレンジ?)になります。育てやすい。
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その他の品種

ホルムストラップ
矮性で生育が遅い。あまり流通していない。

グリーンコーン
細長い円錐形。

イエローリボン
細長い円錐形で、黄色葉。ヨーロッパゴールドの細い樹形版。

デグルートスパイアー
グリーンコーンの更に細いタイプ。生育が遅く、管理がしやすいが、ちょっと苗が高い。

マリセンズ・サルファー
灰色がかった緑褐色。気難しいらしい。

グロボーサ系
グロボーサオーレア、グロボーサバリエガータ、グロボーサボール、ニオイヒバ・ダニカなどがある。グロボーサは「球形」という意味。

その他
ウッドワーデイ・ミラー

水やり

庭植えの水やり

庭植えの場合は一旦根付いてしまえば自然に降る雨だけでほぼ十分。日照りの時に水をやる程度です。水を欲しがる樹木で、夏の乾燥時期に水切れが起きやすい。水切れすると葉っぱが枯れ込んでくる。水切れすると生育不良を起こします。夏は庭植えでもしっかりと水やりをしましょう。

庭植えしても植え付けして2年は根が広がりきっておらず、水切れしやすいので、庭植えでも水をやりましょう。特に1年目の夏は水切れします。

鉢植えの水やり

鉢植えの場合は土が乾いたら水をやります。水をやるときは鉢底から水がしみ出すくらいにしっかりとやります。夏は非常に水切れしやすいので注意しましょう。

冬は生育が鈍くなっているので土が乾いてから数日経って水をやります。

肥料

庭植えの場合は2月に寒肥として緩効性化成肥料か油かすをやります。ニオイヒバは肥料を好み、肥料が少ないと生育不良を起こします。化成肥料は株の周囲に置きます。油粕は株の周囲に数箇所、深さ20cm〜30cmの穴を掘って埋めてください。

生育不良だなと思ったら2月以外に、10月に同様に肥料をやるといいです。

鉢植えの場合は、3月に緩効性化成肥料をやります。10月にもう一回肥料をやるといいです。肥料は鉢のフチに置きます。

植え付け・植えかえ

時期

冬〜新芽が出る前が基本的な適した時期で、ポットに植わった幼い苗はいつでも植え付けが可能です。ある程度大きくなったもの…株の根が麻布で巻かれてるアレを植えるのに適した時期は梅雨(6月7月)です。

匂檜葉(ニオイヒバ)は移植に強く、多少根をいじってもかれません。

用土

鉢植えであれば、一般的な花と野菜の培養土で植えるか自作する場合は赤玉土小粒7腐葉土3を混ぜたものを使う。庭植えの場合は庭の土に腐葉土か堆肥を3割ほど足してください。

鉢の植え替え

鉢植えの場合は、根鉢(ポット)より一回り大きな鉢を用意します。鉢底の穴を鉢底ネットで塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(軽石)を2cmから3cmほど入れて、鉢底石(軽石)の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。

庭植えの手順

庭植えの場合は、根鉢の二倍か三倍の深さと大きさの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割か4割入れて、緩効性化成肥料を入れて混ぜて用土とします。

半分ほど土を戻して土を入れて、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。出来れば水ぎめをするといいです。

麻布で巻かれているものはそのまま植えていいです。麻布は一ヶ月ほどで腐って消えてしまうので気にしないでいいです。
グラグラするなら支柱をします。根が広がり、グラグラしなくなったら支柱は取り外してください。

株の増やし方

挿木

挿し木で増えます。
適当に枝を切って土に挿していると発根します。

切り口を30分から1時間ほど水につけておくと、葉っぱがパリっとします。コレを水揚げといいます。切り口は斜めにして断面積を多くすることで水があがりやすいです。水揚げしてから土に挿します。土は赤玉土小粒単用がよりよいです(赤玉土単用だと肥料がなく無菌だから水が腐りにくく発根しやすい)。あとは日影で乾燥しないようにします。鉢全体をビニール袋袋に入れることで乾燥を防ぐといいです。

切り口に発根剤を塗ると成功率がアップする。
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管理場所・日当たり

寒さに強く、北海道南部・東北でも育つ。日当たりか半日陰で育てる。耐陰性があって、多少は日当たりが悪くても育つが、日当たりが悪いと葉っぱが枯れ込みやすいので日当たりで育てましょう。

剪定

剪定しなくても、円錐の形に育つのでそのままでもいいが、刈り込んでもすぐに萌芽してモコモコになるので生け垣にできる。剪定自体はいつやっても大差ない。理想的には冬(11月から3月)ですが、よく生育するので、毎年2回(冬と他の季節の2回)は剪定して樹形を整えるとキレイ。

枯れた枝を落とし、樹形を見出す徒長枝や変な方向に伸びた枝や、やたらと枝分かれした枝や、密生した枝を落とします。

新芽をハサミで切ると、切り口が茶色くなって汚い。冬の新芽が出ていない時期に剪定すると影響が少なくて理想的。切り口が汚いだけで、それで枯れるわけじゃないので気にならないならそれでもいいです。
参考:コニファーを金属のハサミで切ると切り口が茶色になる?
大抵は生け垣にするものなので、樹形が乱れたら、冬以外にも剪定する。

芯止め

品種によっては大きくなり、3mを超えると剪定などの管理が大変になりますし、圧迫感を感じることもあります。そこで高さを抑える芯止めをします。

具体的な手順は、円錐の一番てっぺんの幹(=芯)を切るだけ。これでそれ以上大きくなりにくくなります。実際には芯を切っても、その下の枝が上に伸びて、新しい「芯」になるため、いずれは高くなりますが、ある程度は抑制できます。

詳細は芯止めのページを参考にしてください。

枯葉取り

秋から冬に葉っぱの一部が茶色くなってしまいます。これは「生え変わり(生理現象)」であって病気じゃないです。放置していても問題はないんですが、古い葉っぱを放置していると次の葉っぱが生えづらくなるので、取り除いたほうがいいです。軍手をして撫でると落ちるので、取り除くといいです。

病害虫

コガネムシ
コガネムシの幼虫が根を食べて枯らす。オルトランかダイアジノン粒剤で駆除します。
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ミノムシ
ミノムシが発生する。ミノがぶら下がっていたらすべて取り除く。最近はミノムシは寄生虫にやられて見かけない。

ハダニ
赤い小さなクモの仲間で、小さな白い糸を吐く。植物の汁を吸い、弱らせる。薬剤を散布して駆除するが、耐性がつきやすいので複数の薬剤を散布して駆除するようにする。乾燥すると発生しやすい。夏場に水を欲しがるニオイヒバに水やりを忘れて弱っているときにハダニが発生してしまう。水やりをしっかりすると予防になる。
糞にスス病が発生する。
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アブラムシ
植物の汁を吸う虫で、一匹から爆発的に増えるため早めの駆除が必要。大量に発生したら薬剤を散布して駆除する。前もってオルトランを使っておくとよりよいです。アブラムシの糞からスス病が発生するので対処は早めに。
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カイガラムシ
白い綿状のものに覆われて動かない虫。削ぎ落とせば動けないのでそのまま餓死する。量が少ないなら歯ブラシなどで削ぎ落として駆除する。量が多いなら薬剤を撒くが成虫には効かないので、二週間おきに薬剤を数度ほど散布して駆除する。
カイガラムシの糞からもスス病が発生する。
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スス病
スス病は黒いカビ。害虫(ハダニ・アブラムシ・カイガラムシ)の排泄物(糞)が植物にくっついて発生する。株がところどころ黒いならこれ。こすっても落ちない。これ自体で植物が枯れることはほとんどないが、見た目が悪いし、光合成が阻害されて株が弱るので、害虫を駆除して予防しましょう。
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