ワイルドストロベリーの育て方

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ワイルドストロベリーの基礎データ

ワイルドストロベリー
科名
バラ科
属名
オランダイチゴ属
学名
Fragaria vesca
別名
ヨーロッパクサイチゴ・ノイチゴ・エゾヘビイチゴ・ワイルドベリー
水やり
水を好む
場所
外の半日蔭
難易度
中級者向け
ワイルドストロベリーの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ワイルドストロベリーとは?

ワイルドストロベリーはバラ科の常緑宿根草。略してワイスト。ランナーで横へと広がる力が強く、グランドカバーとして優秀。その一方で、他の植物を駆逐するほどの勢いがあるので、庭植えは、大事な植物が無い場合に限る。

冬は小さな葉っぱで越し、春になると新芽を出し、真夏以外の春から秋に掛けて開花結実するというサイクルを繰り返します。白い花が咲きます。開花から実がなるまで一ヶ月近くかかることも。庭植えの場合は基本的に放置です。できれば枯れた葉っぱはマメに摘んでください。葉っぱはある程度は徐々に黄色くなって落ちていきます。新陳代謝だと思ってください。
草丈10cmから20cm
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庭植えの水やり

庭植えの場合は、自然に降る雨だけで十分。根が浅いので乾燥に弱い傾向があり、夏など乾燥する時期は庭植えでも水やりをしてください。水をやりすぎて土が長時間湿っていると根が腐ってしまいますが、多少湿っている状態が理想です。

実が土に触れていると、腐ってしまうし、乾燥に弱めなので株元をワラでマルチングするといいけど、面倒。普通しない。

鉢植えの水やり

鉢植えの場合は土が乾いたら水をやります。水をやるときは鉢の底から水が出てくるくらいにしっかりとやり、土の表面が乾くまでは水やりはしない。水やりの頻度は徐々にコツを掴んでいくしかありません。

受け皿に水が溜まっていたら、水を捨ててください。

花や実に水がかかると傷んだり、腐ったりすることがありますので、バサーっと水を上からかけるのではなくて、できれば土に水を注いでください。
室内で管理していると、乾燥からハダニが発生します。葉に霧吹きで水を掛けてやると予防になります。

夏は土が乾きやすいので、朝夕二回しっかりと水やりをすることになる。

昼間に水をやると水が沸騰して根を傷めるので、真夏は夕方か早朝に水をやるようにしてください。マンションのベランダで育てていても真夏の日当たりは暑いので、同様に2回してください。

あんまり夏に暑くて水やりが追いつかないなら半日陰に移動させたり、室内に入れます。

冬も同様に、土が乾いていたら水をやります。ほとんど活動が止まって変化がないですが、断水はせず、継続して水やりをしてください。

肥料

鉢植えの場合は真夏と真冬以外の生育期には薄い液体肥料を二週に一回ほどやります。多肥を嫌いますが、リン不足になると開花結実しなくなり、葉が黄色くなります。

庭植えの場合は追肥は基本的には不要。どうにも肥料が足りなくて生育が悪い場合は液体肥料をやって様子を見ます。
●開花・結実が多いと肥料切れも置きやすい。このあたりは葉っぱや状況を見て判断しましょう。
●肥料が結晶して、土に白いものが見られることが。ただカビの可能性もある。

植え付け・植えかえ

時期

春(3月〜5月)か、涼しくなった9月に植え付け・植え替えをします。鉢植えは2年〜3年に一回は植え替えをし、株分けをしましょう。

用土

一般的な培養土で植え付けるか、イチゴ専用土で植えます。自作するのであれば赤玉土6腐葉土4を混ぜたものに少量の化成肥料を混ぜて使用します。

鉢植え

鉢植えの場合は、植木鉢は5号〜6号に1苗。プランターなら3苗を目安に植え付けます。

鉢底の穴を鉢底ネットで塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(軽石)を2センチから3センチほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。

植え替えの場合は古い土を三分の一ほど落として植え替えるか、株分けをします。詳細は以下のページを参考にしてください。

庭植え

庭植えの場合は、深さ15cm〜20cmを掘り返し、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割か4割入れて、少量の化成肥料を混ぜて用土とします。穴に半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。

株間は20cm〜30cmほど空けますが、いずれは埋まっていくのでもっと離して植えても構いません。

詳細は以下のリンクを参考に。

ランナーで増える

ワイルドストロベリー:ランナーで増える
ワイルドストロベリーはランナーと呼ばれる茎を出して、その先に葉っぱを付けます。放置していると発根して、新しい株になります。新しい株は親株のクローン体で全く同じ性質を持ったものが生まれます。これを切り取って土に植えるといくらでも株が増やせます。
難しいことはありません。発根している株を上記の植え付けの方法で植えればいいです。
●ランナーが伸びた反対側に花が咲いて実がなる。
●ランナーの子株をワイヤーなどでポット苗に固定して、発根させる方法もありますが、そもそもそんなことしなくても幾らでも増える。
●ワイルドストロベリーは株に寿命があり、3年か4年経つと花が咲きづらくなり、5年位で突然枯れます。よって、継続して栽培したいのであればランナーから次の株を育てる必要があります。
●ランナーをそのまま伸ばしてやると、栄養が子株形成に使われて、花付きが悪くなり、ひいては実が出来づらくなります。そこで、このランナーを適当にさばいてやることで長く実を収穫することが出来るようになります。

鉢の外までランナーで増える

ワイルドストロベリー:鉢の外までランナーで増える
鉢の外までランナーを伸ばして、繁殖しようとします。庭土に移動すると、そこから爆発的に広がっていくので、その前に切り取って引っこ抜いてしまいます。情けをかけると庭がワイルドストロベリーだらけになる。そもそも鉢植えにした意味がないですからね。

ワイルドストロベリーは数年で株の寿命が来るので、鉢の株が寿命で枯れたら、その脱走した株の中の一つを次の株として育てていくってのもありです。

管理場所・日当たり

鉢植えならば、日当りのいい場所で管理してください。日当たりがいいと、ワサワサになる。日当たりが悪いとヒョロヒョロになり、勢いの強い水道で水をやると折れるくらい。

庭植えの場合は少しジメジメした場所が好ましいです。「日当たりが良くてジメジメ」なんて無茶苦茶な要求ですから、それなら年間を通して、木漏れ日の当たる場所で十分です。半日陰でも花も咲いて実もつきますよ。

夏の暑さに少し弱くて、25度を越えると元気がなくなります。夏は開花がストップして収穫も出来なくなります。

あまりに暑いようであれば、半日陰へと移動させた方がよりよいです。また、根が浅いため乾燥に弱いですので、夏は水切れに注意します。

ワイルドストロベリーは北海道で自生していることから分かるように、涼しい気候を好み、寒さには非常に強い植物です。冬は特に防寒は必要ありません。

雪に覆われても、霜に当たっても枯れない。北海道で枯れないのだから、日本中どこでも寒さで枯れることは無いです。

イチゴ同様に寒さに当たると春から秋の葉っぱを枯らして、冬越し用の色の濃いロゼット状の葉っぱになります。枯れていないので水をやって管理して、春を待ちましょう。
日当たりがよければ冬でも開花・結実します。

病害虫

ナメクジアブラムシ灰色カビ病ウドンコ病が発生しやすいです。

ナメクジやアブラムシは新芽を食べたり、汁を吸って弱らせてしまいますので、見つけ次第、捕殺しましょう。食用として育てている場合は、木酢液を薄めてまいて予防するといいかも。食用じゃないなら、薬剤を撒きます。
ウドンコ病は風通しをよくすると予防できます。
●ヒヨドリなど鳥害があります。特に赤いワイルドストロベリーの方が食べられる。
コガネムシの幼虫が根を食べる。
●肥料をやりすぎたり、風通しが悪いと、土に白いカビがわきます。季節や状況では、もうある程度は仕方が無いとあきらめて、風通しのよい日当たりに出して、日光殺菌します。早めの対処で回復します。カビが株を弱らせて全滅するのは珍しくないです。実はカビてない限りは食べられます。

受粉・結実

室内で管理している場合、虫が飛んでこないので、実をつけるためには人工授粉させる必要があります。花は受粉が終わるとすぐに散る。

実の形が不恰好なのは、受粉に失敗したから。つまり受粉がまばらになっている。綺麗な形の実をつけるには、筆や耳かきのポンポンで受粉してあげると良い。

特徴・由来・伝承

ワイルドストロベリーは、ヨーロッパでは「Lucky&Love(幸運と愛)」、アメリカでは「Miracle(奇跡)」を呼ぶハーブと呼ばれている、とても縁起のいい植物です。ですがどういう由来で縁起が良いのかまでは不明です。キリスト教で「正義の象徴」とされていることが何か関係しているかもしれません。

テレビでワイルドストロベリーを育てた人が子株を友人に譲ると次々と結婚したことから「結実すると結婚できる」というジンクスというか都市伝説が発生しプチブームに。でも実をつけるのって難しくないんですよね。

エゾヘビイチゴという名前はヘビイチゴに似ていて、蝦夷…北海道付近で自生しているという意味です。ヘビイチゴとは属が違います。ちなみにヘビイチゴは蛇が通るような場所に生えるために「蛇にしか食べられないイチゴ」という意味から来ています。
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