グラジオラスの育て方…植え付けで大事な牽引根について

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グラジオラスの基礎データ
グラジオラス
科名アヤメ科
属名グラジオラス属
学名Gladiolus hybridus
別名トウショウブ・唐菖蒲・オランダショウブ・阿蘭陀菖蒲
水やり水を好む
場所外の日なた
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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グラジオラスとは?

グラジオラスは夏咲きと春咲きがあります。一般的にグラジオラスというと夏咲きのことを指します。春咲きの場合は「春咲きグラジオラス」とか「早咲きグラジオラス」と呼びます。春咲きはあまり植えません。ここでは夏咲きのグラジオラスについて書いています。
草丈60cmから1.5m

必読!グラジオラスの植え付けの基礎知識

グラジオラス:必読!グラジオラスの植え付けの基礎知識
グラジオラスの球根を植えると、その球根の底から根が出て、芽が出てきます。その芽の根元の茎から根が出てきます。これを牽引根(ケンインコン)といいます。牽引根がグラジオラスの生育の鍵を握っています。この牽引根を出すように球根は深めに植えます。

最初に植えた球根は徐々にしぼんでいき、牽引根が出ている茎が膨らみ「新しい球根」になっていきます。このままだと新しい球根が地上に出てしまうので、この球根を引っ張って地中に埋め、最初に植えた球根の位置まで引っ張るのが牽引根です。…という基礎知識を理解した上で下記の植え付けを参考にしてください。
●グラジオラスの球根は厳密に言うと茎が膨らんだもので「塊茎」という。

植え付け

植え付け時期

グラジオラスの植え付け時期は3月から7月あたり。遅くてもいい(開花が遅くなるだけ)。植え付けから開花までは3ヶ月。開花させたい時期を逆算して植えることも可能。
●球根を植える4月は地域によっては霜がまだ降ります。霜に当たるとグラジオラスが傷んでしまいますので、霜が降りなくなってから植えるか、霜よけをします。
●6月以降に植えると新しい球根が出づらい。なので3月から5月が最も適している時期。
連作障害が起きやすい。決定的に枯れるというよりは「なんか病気になりやすい」「なんか花が小さい」みたいな。

球根

丸く厚みのあるズシっと重い球根を選ぶと開花しやすい。平たい(扁平な)球根は栄養素が少なく、今年は開花しづらい。
●グラジオラスは球根の段階では花芽が出来ていない。チューリップなどは球根で流通している時点で花芽が出来ている。

グラジオラス 球根
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用土

一般的な培養土(花と野菜の培養土など)で植えるか、自作する場合は赤玉土7腐葉土3を混ぜたものを使います。庭植えにする場合は植え付けの1週間前か2週間前に苦土石灰を撒いて中和しておきます。庭土に腐葉土か堆肥を3割ほど追加して用土とします。
●庭土が粘土質で水はけが悪い場合は、軽石や川砂を追加して水はけをよくしてから植えるようにします。

培養土
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鉢の植え付け手順

グラジオラス:鉢の植え付け手順
鉢底の穴を鉢底網で塞いで、その上に3センチほど鉢底石(軽石)を敷き、その上に用土を入れて、球根を入れて、隙間に土を入れます。鉢を揺らすと隙間ができるのでさらに用土を入れて、最後に水をやって完成です。

球根は球根2個分か8cmくらいの深さに埋めるようにします。球根同士は10cm(もしくは球根の3倍から4倍)ほど空ける。
鉢底ネット
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鉢底石
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芽の根元から牽引根が出る。この根を成長させるのが、グラジオラスを育てるコツ。牽引根を伸ばすために深く植える。
●一般的な培養土には最初から肥料が入っているので、肥料は追加しないでいいが、自作した場合は肥料を入れる。
●球根はある程度密生させることで、お互いを支えあうようにしたい。なので球根同士の間隔は10cmが理想。

庭植えの手順

グラジオラス:庭植えの手順
庭土を深さ40cmほど掘り返して、苦土石灰を混ぜて中和させる。中和は1週間かかるので1週間ほど経ってから、庭土に腐葉土か堆肥を3割ほど追加して緩効性肥料を混ぜ、半分戻し、球根を植えて、用土を入れる。最後に水をやって完成。

球根は球根の2倍の深さ(=約10cm)に植える。株同士は10cm(もしくは球根の3倍から4倍)空ける。

植え付け後の作業

芽をかく

球根からは二本か三本の新芽が出てきます。このうち太い元気の良いものを残して残りの芽は落としてしまいます。残すと栄養が分散されて花が小さくなってしまいます。

支柱を立てる

グラジオラスは根・球根の大きさに対して地上部が大きいので横風に弱いです。そこで倒れないように支柱を立てておきます。支柱を立ててくくりつけ、株元に土をよせます。土をよせるのは横風対策と牽引根のためです。
ツボミが見えるまでにはやっておくといいです。
支柱が球根を傷つけないように気をつけてください。
●ツボミが見えてから開花までは10日ほど。
●支柱を立てなくても育つが、横風に倒れると元に戻りにくく、不恰好なので支柱はあったほうがいい。

花ガラ摘み

開花が終わると、花がしぼんで種子を作ろうとします。種子ができると株が弱りますし、種子を育てても親の性質を受け継ぐとは限らず、また種子から育てて開花までは三年以上かかるので一般的には種子を育てません。なので、花がしぼんだら花を摘んでしまいます。しぼんだ花は摘んでしまい、花がすべて咲き終わったら花茎を根元から切ってしまいます。
●株を増やすのは球根で。球根はクローン体なので親株と同じ花が咲く。

掘り上げ

開花が終わってから、球根が太り始めます。なので花が終わっても肥料は続けます。開花後の二ヶ月(60日)で球根が太りますので開花が終わってから二ヶ月後に掘り上げるのが目安。

掘り出して、日陰で陰干しして水分を飛ばします(水分が多いと腐る)。それから古い球根と小さな球根(木子)を分けて、紙袋(=密閉しない袋)に入れて室内(=戸外の寒いところじゃなくて室内)で保存します。腐っているもの・形がイビツなものは廃棄します。

霜の降りない暖地では戸外に植えっぱなしでも越冬する。中間地でも試しに放置してみてもいいと思う(自己責任でね)。

管理場所・日当たり

日当たりのいい場所を好みます。日当たりが悪いと花つきが悪くなります。本葉が2枚になって以降に花芽が形成されます。この時期に日光不足になると開花しなくなります。
●本葉が2枚から7枚になる時期に梅雨がきたり、天候不順で寒かったり、水切れ、極端な肥料不足で花芽が形成されないことがある。

横風に弱い
グラジオラスは球根に対して地上部が大きくて、強い風に吹かれると、倒れてしまいます。

そこで、強風が当たらない場所に植えるか、支柱で倒れないように支えます。支柱を立てるときは球根を突き刺さないようにします。失敗しないように球根を植えるときに横に支柱を立てておくといいです。
生育温度は15℃から30℃。

水やり

鉢植えの水やり

グラジオラス:鉢植えの水やり
土が乾いていたら水をしっかりとやります。グラジオラスは見た目より乾燥に強く、多湿を嫌い、水をやりすぎると腐って枯れてしまいます。それでも開花前は葉っぱと花の生育のために水を欲しがりますので、水切れしないように水をやってください。開花後はもうさほど水を必要としないので乾燥気味に管理してもいいです。
●本葉2枚になって以降に花芽ができるのでこの時期に乾燥させないようにする。乾燥すると開花しなくなる。
水やりは午前中にしたい。午後に水やりをすると、夜に水を吸い上げ、そのときに徒長しやすい。グラジオラスって徒長すると自立できないくらいにヒョロっとしてしまい、だらしなくなってしまいます。できるだけ午前に水やりをしましょう。

庭植えの水やり

庭植えにしていると自然に降る雨でかなりまかなえますが、開花前は水を欲しがるので水切れしないように水をやるか、株元に腐葉土やワラやバークチップなどでマルチングをして蒸発を防ぐといいです。
●本葉が2枚以上になって以降に花芽ができる。この時期に乾燥させると花芽の生育が止まる。水切れしないようにする。

肥料

肥料を多く与えると、葉っぱの先が傷んできたり、病気になりやすい。やせ地でも育つ植物なので、様子を見て肥料はやったらやらなかったり、量を減らしたりする。ただ、本葉が2枚になって以降に花芽ができる。この時期に肥料が不足すると花芽ができなかったり、小さくなってしまう。

植え付けて以降、開花が終わり、葉っぱが枯れるくらいまで緩効性化成肥料を一ヶ月に一回やるか、液体肥料を二週に一回やる。
化成肥料
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液体肥料
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病害虫

ウドンコ病ハダニスリップスアザミウマ)・ナメクジカタツムリ・フザリウム病・ウィルス病など
害虫はあまりかからないが、同じ場所で連作するとかかりやすくなる。

特徴・由来・伝承

葉っぱの形が剣に似ていることからギリシャ語で剣を意味する「Gladius(グラディウス)」が由来となっています。

切花としても人気のある植物です。下から順番に咲いていき、下の花が傷んでも上の花が咲いているので、楽しめる切花です。ただ、従来のグラジオラスは大きすぎて、マンションに住んでいる人はちょっと大きすぎ……でしたが、最近は小ぶりで繊細で可愛いグラジオラスも増えてきて、アレンジメントや花束にも使いやすくなってきています。

見かけたら買ってみてください。
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