種子の発芽率と有効期間・保存・品種などのまとめ

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ガーデニングに関する種子について

このページではガーデニングに関する種子の疑問などについてまとめています。
まとめ
●有効期限はメーカーが定めた「発芽が見込める期間」であって、管理次第ではもっと持つ。というか、普通はもっと持つ。
●ネギ・タマネギ・ニンジン・ミツバラッカセイなどは1年で発芽率が激烈に下がる。
●種子の保存環境は「保存環境は湿度20%から25%、温度5度以下」。
●5度以下の環境で保存することで休眠打破されてむしろ発芽率は上がる。
●固定種と交配種がある。
●固定種であっても登録されているものは、勝手に販売してはいけない。

種子と休眠・保存について

有効期限が過ぎてもまける
種子の有効期限はメーカーが発芽率を保証するものです。種子の保存状態によっては発芽率が下がるのでそういう書き方をしているだけです。例えば、種子は高温の場所で管理されると発芽率が落ちます。車の中に忘れて春を過ごした結果発芽率が2割程度になるなんてことも。店頭に長く売れ残っていても発芽率は落ちますしね。そんな都合まで考慮するとメーカーが保証できるのは一年程度ってことになります。
なので、適切に管理していれば2年か3年か、それ以上の期間、だいたい5年は発芽率は落ちません。
●ネギ・タマネギ・ニンジン・ミツバ・ラッカセイなどは種子の寿命が短い(1年)ので早めにまいてください。
ナストマトスイカなどは5年以上発芽率が落ちない。
●それ以外の市販の種子は大抵2年か3年は発芽率が落ちない。
●植物は災害・天候不順によって一切種子ができないことはある。なので種子の発芽が一年しか持たないというのは、自然では通常は生き残れない。数年持つのが当然のはず。よって有効期限は人間の都合。
●極端な例だと、2000年以上前のものと思われる蓮の実から発芽に成功した大賀ハスの話がある。
●市販されていない種子は、もしかしたら、少しでも乾燥させるとダメになるタイプの種子である可能性もある。

発芽は休眠打破が必要
種子は地上部の植物が生きていけない環境(高温低温)を乗り切るための形状です。活動を抑えて眠っているので、これを打破することで発芽しやすくなります。大抵は、低温を経験させることで発芽します。休眠打破しなくても発芽はするんですが、発芽率は低くなります。
●種子は低温(5度)で保存することになる。すると保存そのものに休眠打破の効果がある。よって、適切に保存することが発芽率を上げる効果があり、適切に保存することが長期保存しても発芽させるコツになる。

適切な保存環境
適切は保存環境は湿度20%から25%、温度5度以下。この条件を満たすのが「冷蔵庫」です。ジップロックか茶封筒に入れて冷蔵庫に入れるといいです。長期間、保存したい場合は瓶に乾燥剤と一緒に入れて冷凍庫で保存する。
●種子を採取したらよく洗う。種子の周囲についている果実は種子が発芽しないようにする成分が入っているため、これを洗い流すことが発芽率を上げる作業。
●種子は高温多湿に弱い。湿度が1%上がると発芽率が半分になる。気温が5度上がると発芽率がやはり半分に。よって店頭で長く販売していた古い種子は必然的に発芽率が落ちる。メーカーが有効期限をつける理由の大きな一つ。

種子の処理

プライミング種子
発芽しやすい処理をした種子のこと。まくと一斉に発芽する。大量に一斉に均一に生産するためのもの。発芽しやすい処理をしているために、まくのが遅いと発芽率が下がる。有効期限が短いので注意。

色付きの種子は消毒した種子
種子を消毒処理することで、病気の予防ができるので、種子を消毒していることがあります。そのとき、パッと見に分かりやすいように青や赤などの色つけがしてあることが多いです。これは「誤飲」を防ぐためです。ただ、消毒していても色付きじゃないものもあります。

種子と品種

交配種と固定種
種苗メーカーが色々と品種改良して出来たのが「交配種」です。例えば、開花しやすいA品種と、病気に強いB品種を掛け合わせてC品種を作ります。このC品種はAとBの性質を受け継いで開花して病気にも強いのですが、このC品種は種子を作りづらい性質だったり、種子が出来てもCの品種を受け継がないのですね。ただ、C品種はとても性質がいい。こういうのが交配種です。

一方でそういうのじゃない「固定種」というのもあります。固定種は昔からあったり、最近作られたものでも遺伝子が固定されていて、種子が出来ると親の性質をほぼ受け継ぎます。しかし、遺伝子ですから、親の性質そのものじゃなくて、結構バラつきがあるんですね。種子によって、ちょっとずつ違う。でも、上に書いたC品種の種子のように親の性質をほとんど受け継がないわけじゃない。誰が育てて種子をとって何代に渡って育てても、バラつきはあるものの基本的に同じものが出来る。それが固定種です。
●固定種と交配種はどちらが優れているということではないのですが、ガーデニングでも交配種がよく流通します。何より育てやすいので。
●A品種とB品種を確実に交配させるには、どちらかの親の花粉が機能しないような個体を選抜して利用します。自家受粉が簡単にできてしまうと、C品種が生まれないからです。なのでC品種にも花粉ができづらい性質を受け継いでいることが多く、種子ができづらい(できないわけじゃない)。
●植物は自家受粉を避けるようなシステム・性質を持っていることが多く、この雄性不稔性は元からある性質です。異常なことではありません。メーカーは植物の性質を利用しているだけです。
●ただ、毎年種子をとって育てたいならば「固定種」です。

在来種
昔からある固定種で、なかでもその地域に根ざしたものをそういう言い方をする。その地域で昔から栽培されている野菜とか。
品種登録してあるものは販売不可
あなたが庭で育てて種子を取っても、それは販売してはいけません。これは交配種だとうと固定種だろうと、同じことです。譲るのも法律上はダメ。

雑記

100円ショップの種子はなぜ安いか
考えられる理由の一つ目は、人気がない種類だからです。
種苗メーカーは毎年研究して新しい種子を作っていきます。その中で病気には強いけど、花が微妙とか、花いろはいいけど開花が鈍いとか、野菜ならバラツキがあって育てにくいけど、美味しいとか、逆に病気に強いけど、味がイマイチとか。いいところもあるけど、メーカー商品として出すのをやめてしまったものが多いようです。
また、上記の固定種もそうですね。
ただし、育ててみると案外調子よくて気に入る場合もあるので、個人の好みに合致するなら大いにアリかもしれません。
他に考えられる理由としては、「栽培が簡単な上に種が実りやすく種が大量生産しやすい植物」であるとか、「一袋あたりに入っている種の数が少ない」とか。
安いから発芽率が悪いというわけじゃないので、そこのところは安心してください。

●ただし、百円ショップで売られている種だから初心者向きとは限りません。マリーゴールド二十日大根のように簡単に発芽するものもあれば、パンジーのように発芽作業が超上級者向けのものまで混在しています。元々発芽の条件が難しい植物を選んでしまうと、初心者ではその条件を満たすのが技術的・知識的・設備的に難しく、結果的にほとんど発芽しないということも大いにあり得ます。発芽率はある程度生育条件が整った環境下での数字と思っておいたほうがよいです。発芽率の数値より、発芽(に適した環境を整えるの)が容易な植物かどうかを気にしたほうがよいです。
●種苗を取り扱っている園芸店やホームセンターなどに行くとわかりますが、大手種苗メーカーの種も実はそこまで高くはありません。お値段は植物次第ですが、百数十円~高くても五百円超さない程度(徳用の大量入り袋を除く)。百円ショップの種はあくまで複数あるメーカーの中の一つの選択肢としてとらえ、品種の特徴の他、内容量や袋の質なども考慮して選びましょう。
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