ヤドリギ(宿り木)の寄生のさせ方・育て方?鉢植えは販売されていないです

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ヤドリギの基礎データ
ヤドリギ
科名ビャクダン科
属名ヤドリギ属
学名Viscum album subsp. coloratum
水やり水不要
場所外の半日蔭
難易度チャレンジャー
画像投稿
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花
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ヤドリギとは?

ヤドリギはビャクダン科の半寄生・常緑低木です。樹木の枝に根を張って寄生する。半寄生というのは、自分でも葉緑素を持って光合成するからです。寄生はするんですが、宿主を枯らすことはありません。

あと、園芸植物として、人間が育てようとして育てる植物ではないです。店舗やネットショップに鉢植えが流通もしていません。

ヤドリギになる実のようなベトベトしたものを液果(エキカ)と言います。ヨーロッパのセイヨウヤドリギは液果が白くなるが、日本ではちょっと透明の黄色か黄緑かオレンジになります。食べると甘い。甘くて非常にベトベトしている。グミよりもはるかにベトベトです。
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ヤドリギの戦略

冬になると、寄生されている落葉樹は葉っぱが落ちて、枝だけになります。すると常緑樹のヤドリギが目立ちます。そのヤドリギは冬に実をつけます。この実は、シベリアから飛来する「レンジャク(連雀)」という鳥が大好物です。西日本にはヒレンジャク、北日本にはキレンジャクが2月ごろにやってきて、木の実を食べます。ピラカンサなども食べますが、特にヤドリギの実を好むのですね。

わざわざ冬にやって来て…
まるでヤドリギに誘われるように…ですね。

レンジャクに食べられた後、種子は消化されずにお尻から出てきます。しかし、実には粘着性があるため、鳥のお尻にくっついたままになります。鳥は、種がくっついたお尻を枝に擦り付けることで、タネは地面に落ちるのではなく木にくっつくことができます。そこで、ヤドリギの種は発芽して、また新しい寄生植物として成長します。

寄生する樹木

ネットで見かけた「ヤドリギが寄生していた植物」を抜粋しました。
ポプラ(ヤナギ科ヤマナラシ属)・エノキ(ニレ科エノキ属)・桜(バラ科スモモ属)・ミズナラ(ブナ科コナラ属)・ブナ(ブナ科ブナ属)・ケヤキ(ニレ科ケヤキ属)・バラ科リンゴ属・シナノキ科シナノキ属・サンシュユミズキ科ミズキ属)・ハナズオウマメ科ジャケツイバラ亜科)・モミジムクロジ科カエデ属)・ヒサカキ・ミズメ・ツバキ科モチノキ科モクセイ科ナナカマド

幹の中から栄養を吸い出すことから、幹の皮が薄い方が寄生しやすいんじゃないかってコメントもありましたが、よく分かりませんね。落葉樹であれば寄生するのではないかなと思います。針葉樹でも寄生はするらしいのですが、ヤドリギは光発芽種子で、明るさがないと発芽しない。落葉しない植物ではヤドリギに陽が当たらないので、発芽しにくいのだと思います。

寄生させるには

ヤドリギの種子をもらってきて、それを寄生させる枝に擦り付けます。種子はベトベトの液果が付いているので、どこでも付きます。そのままにくっつけていると根を伸ばしていきます。根を伸ばすのは遅くないです。一ヶ月くらいで根は伸びます。

ただし、うまく寄生しにくいらしく、私が試したものは失敗しました。
種子は10個くらい試しましょう。

成長が遅い

ヤドリギは発芽してから、最初の枝分かれをするまで4年。その後、一年に一回枝分かれをする。例えば四人のトーナメント表のように枝分かれするまで5年。八人のトーナメント表になるまでに6年。それが球状に広がっていく。

すぐ上の画像のヤドリギは発芽から6年か7年だと思われます。よくネットで見かけるヤドリギの画像のようになるには20年以上かかっていると思われます。ちなみにドイツではヤドリギは保護植物で、勝手に採種してはいけない植物となっているんですが、これだけ生育が遅いと納得できますよね。

ヤドリギの伝説

ヤドリギが常緑で、寄生しつつ、独特の雰囲気の実をつけることから「神聖なもの」として神話がいくつもあります。とくに冬に落葉して、枯れ山となるアルプス以北のヨーロッパでは落葉樹の冬の間も葉っぱをつけているヤドリギは、「魔法のような」存在だったのでしょう。

ケルトの伝承

ヨーロッパにかつて住んでいたケルト人はヤドリギが生えた木には「神」が宿ると考えていました。日本人も木は神が宿ると考えているので、思想的には近いですよね。ケルトの司祭のドルイドはこのヤドリギの前で儀式を行なっていました。
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北欧神話

北欧神話の父オーディンと母フリッグの子の光の神バルドルは美しく愛された神でした。しかしある日、悪夢を見るようになります。悪夢は誰かの悪意によって見させられるものですから、母フリッグは世界中の生物・無生物の全てがバルドルを傷つけられないように「契約」をしました。ところが、ヤドリギは若すぎて、バルドルを死にいたらしめるとは思わず、契約ができていませんでした。バルドルはどんな武器にも傷つけられることがなくなったので、神々はバルドルにいろんなものをぶつけて遊んでいました。しかし、ヤドリギが契約していないことをフリッグから知ったロキは、バルドルの兄弟のヘズにヤドリギ(ミスティルテイン)の矢を投げさせ、死なせてしまいました。

伝承からミスティルテインは武器としていろんなゲームや創作物に登場します。多くは神殺しの武器としてです。
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フロームンドの剣

デンマークの英雄フロームンドは墓の亡霊の王と戦い「剣」のミスティルテインを手に入れます。このミスティルテインとはヤドリギのことです。ミスティルテインは敵の罠にかかり、海中に沈められますが、漁師が引き上げた魚の腹の中から取り出され、フロームンドの手に戻っています。

ヤドリギの下でキス

クリスマスに神聖なヤドリギを飾り、その下では女性はキスを拒んではいけないとされています。拒むと呪いで翌年は結婚できないのです。そこから転じて、キスをするとその愛は永遠に続くという伝承があります。

またヤドリギの前で出会った友とは永遠に続くとか、ヤドリギの前では争いは止まるなど、ヤドリギの魔力に関わる慣習は他にもあります。
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薬として

ヤドリギの葉は高血圧予防効果のある薬用植物として利用されています。葉には毒の成分も入っているので、冷水に一晩つけて、これを取り出し、新しい水に葉を入れて、お茶にして飲みます。ヤドリギのお茶は販売もされているので、自家製ではなく、これを利用するといいです。
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