ホップの育て方

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ホップの基礎データ
ホップ
科名アサ科
属名カラハナソウ属
学名Humulus lupulus
別名セイヨウカラハナソウ・西洋唐花草
水やり水を好む
場所外の日なた
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
剪定
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ホップとは?

ホップはアサ科カラハナソウ属(フルムス属)の雌雄異株のつる植物の宿根草多年草)のハーブ。ビールに使用されるのは受粉する前のメスの花(厳密に言うと花ではなく鞠花)だけ。花の中のルプリンという成分がビールの泡立ち・苦味・香りを作っています。つまり、ビールの核心部分とも言うべき植物。ハーブティーにしたり、花を切花で飾るのもいい感じですよ。

北海道でも冬を越しますが、逆に暑さに弱い。東北より北が生産の適地。ちなみに、法律の上でも、収量の点でも、自宅栽培で収穫して、ビールを作ることはできません。ただし、鞠花を市販のビールに加えて、風味をアップさせて楽しむことができます。

オスはビールの材料として使えず、栽培価値が無い。流通しているのはメスのみ。オスとメスを同じ場所で植えるとメスの香りが悪くなります。またメスだけでも結実します。

生育サイクル
寒さに当たったあと、春を迎えると秋に根元に出ていた「芽」が成育し、グングンと伸びます。春から夏に掛けての生育スピードはすごいです。夏に開花し、結実します。

春の注意事項
秋に地上部が枯れて、春に芽が出てきます。この芽は秋にはもう出来ていますから、これを冬に引っこ抜くと春に芽が出ません。春になったら、これを抜かないように地上部を綺麗にして、ホップの芽が埋まっている「土」を丁寧に取り除き、沢山芽があるようならば、間引いておきます。一箇所から大量に芽が出ると分散して結局株が疲れるからです。
ツルの長さ6m〜9m
花言葉希望・信じる心・天真爛漫・不公平
ホップ苗
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仲間

カナムグラ

カナムグラ(Humulus japonicus)はカラハナソウ属のツル性の一年草。日本では北海道から九州までに自生する、つまり、雑草。一年草なので、種子を残してまた生えてきます。

カラハナソウ

カハラナソウ(Humulus lupulus var. cordifolius)はカラハナソウ属のツル性の多年草。ホップの変種とされる。日本では北海道から中部まで自生する雑草。山ホップとも呼ばれます。見た目はほぼホップで、ホップと同じ香り・苦味もあるが、薄いため香り付けには使えない。

暖地でホップを日除け(=グリーンカーテン)にしているという話もあるが、ホップの栽培条件は厳しいはず。「カラハナソウ」はホップよりも暑さに強く、北海道にしか自生しないホップに対して、本州でも見られる。ホップとカラハナソウは見た目に区別がほとんど出来ないため、これを間違って流通させているのかもしれない。

庭植え(地植え)の水やり

庭植え(地植え)にした場合は、自然に降る雨だけでほぼ大丈夫です。夏はあまりに乾燥しますし、生育の勢いがすごく、庭植えでも水が切れるので、夏は朝か夕方に水をやってください。昼に水をやると、水が沸騰して根を傷めてしまいます。

冬の水やりは不要です。ホップは宿根草で地上部が枯れてしまいますが、地下では根と芽が生きています。といっても生育していませんから、あまり水は必要ではありません。庭植えしたなら自然雨だけで十分です。

鉢植えの水やり

鉢植えやプランター植えの場合は、春と秋は土が乾いていたら水をしっかりとやります。ホップの水やりは普通の植物と同じです。水をやりすぎれば根腐れを起こします。土が乾くまでは水をやらないようにします。

水をやるときは、底から水が出てくるくらいにしっかりと水をやってください。これは冬でも同じです。

夏の水やり

夏は蒸発が激しく、またホップが水を吸い上げる力が強いです。ホップの夏場の生育スピードは尋常ではなく、その生育を支えるための「水」は大量に必須です。水が切れないようにしてください。
朝と夕方の二回、しっかりと水をやります。昼に水をやると水が沸騰して根をいためますから、昼は避けます。

冬の水やり

鉢植えの場合は、冬も完全にカラカラにならないように、定期的に水をやってください。さすがに完全にカラカラになると枯れます。一ヶ月に一回くらいです。

肥料

2月に新芽のための寒肥として、緩効性化成肥料を1回やります。
6月に成長を促進するための、緩効性化成肥料を1回やります。もしくは2週間に一回液体肥料をやります。

化成肥料は株の周囲にパラパラとまいて、水をやりましょう(肥料は水に溶けて吸収されるので)。

液体肥料
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化成肥料
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植え付け・植えかえ

時期・頻度

植え付けは3月〜6月に行います。宿根草で一度植えると、毎年芽吹くので庭植えが楽です。数十年も収穫ができます。

鉢植えの場合は根詰まりする前に植え替えをします。大体2年に一回、3月〜4月の活動する直前に、植え替えをすることになります。植え替えの際に株分けもできます。

用土

ホップは水はけの良い、アルカリ性の土を好むのですが、中性であれば問題ありません。一般的な培養土でOK。自作する場合は赤玉土小粒6腐葉土4に化成肥料を入れたものを利用します。

庭植えの場合は必ず、苦土石灰で中和して、腐葉土か堆肥を入れて用土としてください。
酸性の土だと徐々に弱っていきます。雨は弱酸性で、何年か育ててると生育不良を起こすので、土に苦土石灰をまいて中和させましょう。
苦土石灰
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鉢植え

夏場の水切れが置きやすいので、鉢で育てる場合は直径30cmの尺鉢(=10号鉢のこと)か、プランターに、苗を1個です。プランターって横長だから、三つくらい植えたくなりますが1個。はっきり言うと、プランターは向いてないです。プランターの腹にガンガン日が当たって暑さに弱いホップには辛い。尺鉢にしましょう。

素焼きでもプラスチックでもどっちでもいいです。
10号鉢
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鉢底の水が抜ける穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(軽石)を2cmから3cmほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。

植え替えの際に株分けも可能で、適当に株を割いて別々に植え付けます。

庭植え

ホップは非常に根茎が強く(硬い)、繁殖力が強い(根がよく広がる)。庭植えすると大変なことになる。植えるときはトタンなどで広がらないように区切りを作ってから植えること。

庭土を深さ30cmを掘り、苦土石灰(1平方mあたり150g)を混ぜて中和させます。中和は1週間〜10日ほどかかるので、中和し終わったら、掘り出した土に腐葉土を3割ほど混ぜて、化成肥料を少量入れて、よく混ぜて用土とします。できれば1週間寝かせて、土に馴染ませるといいです。
穴に用土を戻して、水はけをよくするために、高さ10cm〜15cm幅60cmの畝を作ります。株は100cm〜120cmの間隔を空けて植え、最後に水をやって完成です。

1株だけなら、高植えにします。

ネット・フェンスなどに絡ませる

ホップはつる性で何かに絡み付いて伸びていきます。フェンスか、ネットか。ツルは6m〜9mも伸びます。ネットで画像を見れば分かりますが、土の量があれば半端ない大きさになります。

フェンスやネットを張って、そこに誘引します。麻紐でくくると、ゴミのときに捨てやすいです。
園芸ネット
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トレリス
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春以降は一日で30cmくらい伸びるので絡み付かせるものは早めに用意すること。

管理場所・日当たり

日当たりを好み、冷涼な環境を好みます。暖地では夏を越せません。中間地でも平地の暑い場所では厳しいです。夏に開花して収穫するものなので、寒冷地でないと栽培は難しいです。

ホップは暑さに弱い。そこで中間地でホップを栽培するには夏の暑さ対策が必要です。「夏は半日陰に移動させる」なんてことが書いてありますが、ネットやフェンスに絡ませるのに移動なんて出来るわけ無い。方法としては遮光ネット(寒冷紗やヨシズなど)を張ったり、二重鉢をするという程度。
夏の暑さで枯れるような地域では育てない、というのが無難。寒冷地で育てられるものって暖地や中間地に比べると少ないので、許してあげてください。

剪定

たくさんツルが出てくるのですが、1株あたり5本〜6本だけにして、あとは根本から摘んでしまいます。放置していると、ツルが細くなって、収穫が減ります。間引くことで、ツルが太くなり、花も大きくなります。

収穫

8月〜11月に鞠花が見られたら、収穫が可能です。ホップの花は花ではなく「毬花(マリバナ)」と呼ばれています。鞠花の中に黄色い粒が見えたら、それがルプロンで、目当てのものです。収穫しましょう。

熟したり、受粉したら味が落ちるので、鞠花が緑色のうちに収穫します。陰干しして乾燥させます。毬花は天ぷらにして、若布はおひたしにしたりソテーにしたりして食べます。

市販のビールに加えて、風味をさらに強くして楽しむことも可能です。

病害虫

害虫が発生しやすいです。ホップを収穫するのであれば、農薬は使えません。早めの対処で被害を減らすようにしないと厳しいです。

特徴・由来・伝承

別名「西洋唐花草」。ビールの苦味成分。西アジアからヨーロッパに自生していた。日本の北海道にも自生する。日本には「カラハナソウ」というホップの変種が自生している。カラハナソウは似ているが、別種。

ビールはもともとハーブや薬草を使っていて、ホップはその香り付けの一種だった。ビールの香り付けとして現在のような独占状態となった理由は、「ホップで作ったビールが長持ちする」ため。

ホップで作ったものをビールと呼ぶようになったのは16世紀。これ以降、ホップ以外で作ったものは「エール」と呼ぶようになりました。
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