ズッキーニの育て方

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ズッキーニの基礎データ
ズッキーニ
科名ウリ科
属名カボチャ属
学名Cucurbita pepo
別名ペポカボチャ
水やり水控え目
場所外の日なた
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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ズッキーニとは?

ズッキーニはウリ科の野菜。最近はスーパーなどで流通しているが、まだまだ認知度が低い。サラダにしてシャキシャキ、熱を通すとホクホクして美味しい。ビタミン・ミネラルは少ないがカリウムがたくさん含まれている。低カロリー。カロチン・亜鉛が含まれている。栽培は簡単な方でスーパーで結構高価なことがあるので、好きなレシピがある人には家庭菜園にぴったり。
まとめ
●3月〜5月に植え付けて7月あたりまで収穫する。夏は暑さでへばって消える。
●水切れに注意。
肥料切れに注意。
●収穫は1~2ヶ月続く。
●実は未熟なものを。熟すと硬くなる。
●長さは品種もよるが20cmくらいで収穫。開花して数日で20cmになる。すごい。
●実が熟すと株が弱ってくるので、早めの収穫が長く収穫するコツ。
●開花したからといって実が成るとは限らない。あせらない。
●果実は根元からハサミで切って収穫する。ハサミは綺麗なハサミを使う。切る前に熱(コンロなど)で消毒する。

ズッキーニの栽培計画

3月から5月に植え付けをし、5月から7月あたりまで収穫が可能です。ズッキーニは本来、秋に結実するものですが、日本の夏の暑さに弱くて夏までには弱って枯れなくとも収穫はできなくなります(急激に収穫が減ったり、病害虫に弱くなる)。寒冷地・高冷地では継続して収穫できますが、一般的には7月までに収穫はおしまいです。

本来、秋に結実する植物を5月から7月の時期に雌花を開花させるためにズッキーニの苗には「短日処理」というのが施されています。この短日処理の具合や環境や品種によって雌花と雄花の咲く割合が前後するよう。

ところで、秋取りズッキーニという7月8月あたりに種まきをして秋に収穫する品種もありますが、あまり一般的ではないです。性質から言えば、この栽培プランが王道に思うんですが、おそらく日本の夏が合ってないんでしょうね。

肥料

肥料は切れないよう
開花して一週間ほどで収穫できます。次々に咲き、随時収穫しようと思ったら、追肥をしっかりとしないといけません。植え付け後は一ヶ月に一回緩効性肥料を1つかみほどあげます。肥料(特にチッソ)が多いと葉っぱばかりが茂って、花が咲かないツルボケを起こしますので、気をつけましょう。
●追肥の目安は――植え付け後しばらくは元肥があるので、そのまま。次が開花後、あとは一ヶ月に一回程度を続ける。
●肥料が多いとツルボケして雌花がつかなくなる。どうにも肥料が多いようなら、根切りをしてリフレッシュする。根切りは株の周辺をスコップでザクザクと刺して根を切ること。
●肥料は株の根元近くに撒くのではなく20cmほど離して撒く。
鶏糞バットグアノや牛糞といったリンが多いものが好ましい。

2月〜4月の作業

種子から育てる

発芽温度は20度から30度。20度でも発芽はするが25度以上にしたい。かなりの高温なので設備がないと一般家庭ではなかなか現実的ではないし、苗も大量は必要ではないため種子から育てることはあまりない。ただ、昨年のズッキーニから種子を取っている人もいるんですよね。

ポットや種苗箱に土をはって、そこに種子をまいて土を1cmほど被せ、水をやり、25度前後で管理すると1週間ほどで発芽し、1ヶ月半から2ヶ月で植え付け可能な大きさに育ちます。

短日処理

短日処理ってなに?
本来、ズッキーニは秋に実をつける。そこで春から夏に収穫するために、苗には短日処理行って、「秋だよ」と認識させる。短日処理は日照時間を限定して昼間の時間が短いから秋だと誤認させること。種子から育てると短日処理をしていないため、秋まで雄花ばかりが咲くことになる。
短日処理の手順
短日処理は、本葉が1枚でたら、段ボールなどで覆って、日照時間を1日8時間〜10時間にする作業を10日ほど行うこと。店頭の苗にはうまく短日処理ができていないことがある?らしい。
●種子から育てて、短日処理を行わずに育てると雄花ばかりが咲く。短日処理をした苗は雌花が多く咲くので、この受粉をさせるために「短日未処理苗」を育てるのはあり。

3月〜5月の作業

苗を買う

春3月から5月に苗がホームセンターなどに出回るのでこれを購入して植え付けます。種子から育てることもできますが、たくさんの苗が必要でもありませんので、種子からの栽培は趣味的にやるものです。苗の植え付けは暖地では3月、中間地では4月、寒冷地では5月に植える。
いろんな品種があるので早めにホームセンターに行って検討すると楽しいです。ネットで苗を取り寄せてもいいでしょうね。
●霜に当たると一発で枯れます。上記にあげた植え付けの時期はあくまで例です。霜が降りなくなってから植えるのが無難。関東の5月の第1週はごく稀ではあるんですが霜が降りることがある。霜に当たれば一発で枯れる。鉢植えであれば軒下に移動させ、地植えであれば霜除けをする。もしくは諦めて新しい苗を植える。
●関東以西では大体7月が収穫のおしまい。寒い地域はもう少し粘れる。なので早く植えた方が収穫は多くなる。関東では植え付けは4月20日までに行うといい。4月20日に植えるということは遅霜のリスクは毎年あるということ。しかし、早めに植えるのが収穫を増やすコツです。
●7月にタネをまくと秋に収穫できる秋取り品種もある。
●北海道だと6月に植えて7月に収穫も可能。涼しいから。
●色の違いのズッキーニがあるんですが、味は同じ。

植え付け

プランターはやめ、10号鉢に
尺鉢とか10号鉢と呼ばれるものに苗を一つ植えて育てます。鉢底の穴を網で塞いで、その上に軽石などを3cmほど入れ、その上に用土を入れ、苗を入れ、隙間に用土を詰めて、最後に水をやって完成です。用土は「花と野菜の培養土」など一般的な培養土を使います。これらの培養土は殺菌されていて、中性に調整、肥料もバランスよく入っています。
キュウリゴーヤみたいにツル性ではないから支柱は無くてもいいが、葉っぱと実の重さで茎が折れることがあり、それを支えるために、支柱を立てておくと後々便利。
●根が浅いので畑でも鉢でも大差ない。

必ず新しい土で
ウリ科植物は連作障害を起こします。畑に植える場合は過去3年にウリ科植物を植えていないか調べましょう。鉢に植える場合は必ず新しい土で植えてください。古い土の処分は面倒ですが、古い土で植えると確実に失敗します。ふかふかになるリサイクル材を使ってもOK。
種から育てるのは勧めない
10号鉢に1苗、1家庭で消費するズッキーニなんて2苗あれば十分です。手間も経済的にも種子から育てるのは効率が悪い。ガーデナーにとって効率は大した問題ではないことが多いですが(発芽する喜びが強い)。
畑で植える場合
株間は70~100cm。苗は本葉が4枚以上になったら。植え付け前に苦土石灰を入れて中和させておき、堆肥を混ぜ込んでおく。

5月〜7月の作業

水やり

乾燥に注意
ズッキーニは根が浅く、乾燥しやすいです。水が切れないように土が乾いたら早めに水をやるようにします。
●植え付け直後二週間ほどはまめに水をやってください。根が土に馴染んでいないため、水切れが起きやすいです。
●夏の乾燥時期は朝夕二回しっかりと水をやりましょう。
●常時土が濡れていると根腐れを起こす。水のやりすぎにも注意。

受粉・トマトトーン

ズッキーニは雄花と雌花が咲き、雌花が受粉することで結実します。ところが、雄花と雌花が同じ時期に開花するとは限らず、時期がずれると結実せずに多少膨らんでも腐ってしまうことがあります。そこで人工授粉をさせます。
雌花は根元がすでに太い。雄花は根元が細いのですぐ分かります。

すでに雄花が咲いていた場合は、雄花を冷凍保存しておいて、雌花に擦り付けて受粉させます。雄花がない場合はズッキーニに近い種の…ペポカボチャ系のソーメンボチャやキンシウリの花粉で受粉させてもいい。他のウリ科植物の花粉で受粉しても実の味や性質に違いはありません。

雌花が開花しているのは4時5時で、受粉させるのに適しているのはその時間。もしくは朝になったら閉じているので、こじあけて受粉させる。開いた後に閉じたものは花びらがシワになっているので前日の様子を比べると分かる。

どうにも、受粉させる方法がない場合は、トマトトーンという果実をつける薬剤があり、これを雌花にふきかけると結実するので、あんまりに雄花が出ない場合は試してみましょう。まぁ、最初からトマトトーンって人もいますので、これでいいと思う。

ところで、ズッキーニは花も食べられる。「花ズッキーニ」という花を食べる用の品種もあるくらい。そこで雄花ばかりになったら、花を食べる。雌花が余るようでも食べて仕舞えばいい。花は天ぷらにでも。レシピを検索すると結構ある。
●7月の梅雨明け以降、気温が高いと雌花ができづらくなる。結果、収穫はなくなる(減る)。関東でも場所によっては雌花がなくなる。涼しい地域での栽培が適している。これは苗のうちにした「短日処理」が高温と長時間の日照で消えたのではないかと思われるがハッキリしない。
●逆に気温が低い5月6月あたりは開花しても雌花が多くなり、雄花が不足する。
●雄花の花粉は冷凍しておける。冷凍する際には結露させないために、シリカゲルを入れて乾燥させながら冷凍する。使うときは前日から冷蔵庫に置いて解凍して使う。冷凍保存期間は1週間ほど。
●雄花はキッチンペーパーに包んで、その上からラップを巻いて冷蔵庫(もしくは冷凍庫)で保存する。とにかく結露しないように。
●実の先端が腐ってしまうのは受粉できていない。
●単為結果(=受粉なしで結実する)することもある。品種によって単為結果のしやすさが違う。

収穫

開花から数日で20cmほどになり、適当な大きさで収穫する。ズッキーニの実は1日で異常に生育するので早めに収穫してしまうのが吉。翌日見たら、食べられないくらいに大きくなっているなんてことはよくある話。収穫はハサミで綺麗に切ること。手でもがない方がいい。株にダメージがあるかも。
●実が細いのは株が弱いため。一番果(=最初につけた実)をとって株の充実を図る人もいるが、一番果をしっかりとつけて、勢いをつけるという人もいる。これはどちらが正解とは言えないが、株が弱いのであれば一番果は取った方が無難。
●大きくなると皮が分厚くなる。それが気にならないなら多少大きくてもいいけど、早めに収穫がコツ。
●放置しているとウリみたいに大きくなる。お化けズッキーニと呼ぶ。
●這わせた方がよく収穫できるという話がある。

管理場所・日当たり

必ず日当たりで管理。午前中だけ日が当たる「半日陰」でも育ちます。もちろん終日日当たりが理想。西日しか当たらない場所でも育つでしょうが厳しいです。生育温度は20度前半くらいで高温では生育が厳しい。
●植物が光合成するのは午前中に集中している。西日が当たる午後は光合成するより西日による蒸発…つまり消耗の方が激しく、生育に向かない。

その他

病害虫が多く、キュウリよりは育てるのが難しい。早めの対処が肝心。
アブラムシ
アリが大量にたかっていたらアブラムシが発生しているかも。ウィルス病モザイク病)を持ち込むので発見次第駆除したい。

ウリハムシ
ウリハムシが発生する。5月と梅雨明けに爆発的に発生する。ウリ科植物がある限り、みかけることになる。1匹でも見つけたら薬剤をまく。スミチオン、マラソン、アルバリン顆粒水溶剤、アドマイヤー顆粒水溶剤、アファーム乳剤、アディオン乳剤など。駆除してもどこからか飛んでくるため、終わりはない。

モザイク病(ウィルス病)
モザイク病が発生する。モザイク状の模様が出て、徐々に悪化してしまう。治療方法がなく、廃棄するしかない。他の植物からアブラムシなどによって感染させられる他に、剪定で使ったハサミなどでも感染する。

うどんこ病
ウドンコ病は土の中に原因菌が潜んでいて、これが葉っぱについて広がるため、広がるのは基本的に下葉からが多い。なので下葉が白くなっていたら、むしって取り除く。ウドンコ病は乾燥すると発生しやすいのもあるし、株が弱ると発生しやすい。そんな高温時期(7月の梅雨明け以降)になるとズッキーニに雄花しか開花しづらくなる。なのでウドンコ病が広がってきたら、株を撤去する、って人は多いです。

特徴・由来・伝承

メキシコの巨大カボチャが祖先という説もあるがハッキリとはしていない。キュウリの仲間と思いがちだが、同じウリ科でも別属で、ズッキーニはカボチャの仲間。日本ではキュウリの太いやつというイメージが強いが、ヨーロッパでは丸型洋ナシ型などある。
●新しい野菜。ヨーロッパで広まったのは1950年代以降。
●キュウリは世界一栄養の無い野菜とギネスに乗っていますが、ズッキーニは栄養があります。キュウリを食べるよりはズッキーニ。
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